宇宙論、ブラックホール、ダークマター、ホーキング放射、相対論

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電王戦・神の目の憂うつ

2013-04-11 22:29:57 | 日記
小話をひとつ。


次回電王戦に向けてヒール伊藤氏、自作コンピュータに神の目を持つ
ソフト、「ぷーたろβ」をプログラムしておりました。

技術バカの、あ、いや失礼、技術一本やりのヒール伊藤氏、徹夜しても
うまくいかないのでいつのまにかうとうと。

と、夢のなかで蛇が自分のしっぽをかんでいるのを見ました。


ぐあばっと起き上って伊藤氏、何かに取りつかれたごとくにキーボードの
乱れうち。

ぬあんとあっという間にプログラムが完成してしまいました。


はっと正気にもどったヒール伊藤氏、プログラムが動いているのを
見てにやり、「うん、やっぱり俺は天才だ。」

「これで将棋界は俺様の足元にひれ伏すのだ」とね。


さて、話変わってこちらは天国。

パンドラの箱から連れてきたエルピスくん相手に将棋をさしているのは
米長さん。

ふと下界を見るとヒール伊藤氏がなにやら不穏な動きをしています。


「これはまずい」と米長さん、将棋友達の神様に目を借りに行きました。

と、なぜか神様、右目に眼帯をしておられます。

「いや、ちょっとわけありでね。」とは神様の説明。

それで米長さん、左目を借りてきました。


さてそれで米長さん、羽生さんの夢枕に立ちます。

「こりゃ羽生よ、のんきに寝ている場合ではないぞ!」

それでかくかくしかじかといきさつを語って、鬼太郎の親父みたいな
神様の左目を置いていきました。

「必ず神の目の指示通りに最善手をさすように。」との念押しをして
米長さん、天国にお帰りです。


さて、電王戦最終日です。

2対2で迎えたファイナルマッチ。

ヒール伊藤氏作・ぷーたろβ対羽生三冠の対戦です。

いまやどちらも神の目をもつとはもっぱらの評判。

日本国中の関心が集まります。


先手・ぷーたろβで始まりました。

どちらも神の目を持っていますので、相手の手の内などはすべてお見通し。

どんな戦略も用をなしません。

それでも先手のぷーたろβの評価値は若干のプラスをたもっています。

中盤がおわって、さて終盤かというところで千日手になりました。


ルールに従って打ち直し、今度の先手番は羽生さんになります。

皆の注目、羽生さんの第一手。

開けてビックリ、前局のぷーたろβの初手とおんなじです。


そりゃそうですよね。

初手の最善手は一つだけですからね。

あとはご想像の通り。

前局と同じ棋譜が差し手が入れ替わって続くだけです。


かたずをのんで見守っていた観衆はがっかりですね。

勝負がつくかと思いきや、ドローの結果です。

おまけに何回やってもおんなじ棋譜です。

あほらしいとはこのことですね、本当に。


と、そこに登場したのは目を貸してくれた神様です。

「どうじゃ、神の目の威力は。」とは神様の言葉。

「神の目は人間には用のないものじゃよ。」とね。

それでね、羽生さんから左目を回収、ぷーたろβから右目を回収して
天国に帰りましたとさ。

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