あなたの夢の中で

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おまいらMicrosoft Wordをバカにするんじゃねぇ

2011年07月31日 06時02分32秒 | その他の板
855 :使いこなしてるなー(1/3):2011/05/29(日) 13:37:27.23 ID:AccMQNbi0
Word型小説「使いこなしてるなー」

 私は元々営業だったが、事務に配置換えになった。男の事務は肩身が狭い。他の事務員
は全員女性だ。そこで私は考えた。事務といえばExcelとWordだ。私はこの2つを極める
ことにした。おかげで今では課長だ。部署一Wordに詳しい人間になった。
 時は2008年11月。新人の男が入ってきた。彼は開発から事務に回されてきたという。か
わいそうに。私は彼にWord2007で文書を作らせてみることにした。
「課長、できました。メールで送っておきました」
 メールで伝えれば済む話だが、そこは新人。律儀にも口頭で報告してきた。
「有難う。見ておくよ」
 ほほう。まずは表紙のタイトル。ワードアートを使って、左から右へと虹色に変化している。
文字列が波のようにうねっているのは[ワードアートの形状の変化ボタン]で選んだものだろう。
 目次のページから後にページ番号があるのだが、これはセクションを2つに分けて、前の
セクションから書式を継続しないようにしなければならないので、よく女の子から聞かれる
ところだ。目次もちゃんと自動で作ってある。
 段落の頭の字下げはスペースではなく、ルーラーの[1行目のインデント]ボタンを使って
いる。
「・なになに、・なになに」とあるところは「・」と文章の間が開いてしまうので、みんな箇条書き
を使いたがらない。だが彼は箇条書きを使っている。[新しい行頭文字の定義]ダイアログボッ
クスの[文字書式]を使って行頭文字と文章の距離を設定したものと思われる。
「※」の後に文章が続いているところは、ルーラーの[ぶら下げインデント]ボタンで字下げ
しているようだ。
 文章全体が罫線で囲まれているページでは、1ページに収まりきらず2ページにまたがり
見栄えが悪くなってしまいがちだ。フォントが大きいと行間がやたらと広くなってしまうのだが、
行間を詰めて見事に1ページに収めている。[ホーム]タブの[段落]の右横にあるボタンをク
リックするのだが、初心者はなかなか気づきにくいところだ。

856 :使いこなしてるなー(2/3):2011/05/29(日) 13:38:35.51 ID:AccMQNbi0
 表の数量と単価から小計と合計を計算する所ではちゃんと計算式と関数を使っている。
「=SUM(ABOVE)」なんてやってるのはなかなかのやり手だ。
 ページ全体が縦書きになっている箇所では「第12回」の「12」が寝てしまうのだが、ちゃんと
なっている。[拡張書式]ボタンの[縦中横]にも気づいているようだ。
「なになに、何円」という項目が並んでいるページでは2段組みにしており、タブリーダーを
使っている。フォントはHGPゴシックM。通だな。さらにページ罫線を使ってページ全体を☆
を並べて囲んでいる。☆が大きめなのは、[線種とページ罫線と網かけの設定]ダイアログ
ボックスの[線の太さ]で設定したと見た。見出しの左右にクリップアートを添えてある。
「君、大学の頃Word使ってた?」
 私は聞いた。
「いえ、ここ2、3ヶ月です」
「それはすごい」
 私は仰天した。
 そんな彼から正月に年賀状が来た。
 私がほめたのを覚えていたらしく「Wordで作りました!」と書いてある。
「謹賀新年」の文字にはワードアートを使用している。[文字列の折り返し]を使って右側に移動
したようだ。本文には縦書きのテキストボックスを使っている。フォントはHGP行書体と見た。
右下には私と彼が肩を組んでいる写真が挿入されている。新人歓迎会でみんな酔っ払った
時の写真だ。おそらくトリミングを使ったものと思われる。
 宛名面ははがき宛名印刷ウィザードを使用したのだろう。
「使いこなしてるなー」
 私は感心した。

 時は2044年正月、事業部長を勤めた私は引退し、今では盆栽をいじっている。
「おじいさん、年賀状が来てますよ」と妻が言った。
「ああ」
 私は庭から上がり、年賀状を1枚1枚見始めた。その中に山田太郎と言う差出人のもの
がある。はて、誰だろうと思ったが「Word2043で作りました!」という文章で思い出した。あの
時の新人だ。
「謹賀新年」の文字がぐるぐると回っている。上下方向にではない。奥行き方向に、立体的に
回転しているのだ。紙面のインク粒子を動かす技術が確立してからもう10年くらい経つか。

857 :使いこなしてるなー(3/3):2011/05/29(日) 13:39:44.54 ID:AccMQNbi0
 右下では、甲冑を着た兵士が戦っている。どこか城内の地下と見た。その風景をじっと見
つめているうちにどんどん拡大され目の中に飛び込んでくるようだった。
 気がつくと私は城内にいて、鎧を着ていた。右手には剣、左手には盾を持っている。
 甲冑男が襲い掛かってきたのでびっくりして剣を振り回した。
 私はこてんぱんにやられてしまった。バーチャルリアリティーであるらしく、痛くはない。
「You Lose」という文字が空中に浮かび上がった。
 2戦目。元々負けず嫌いの性格である私はだんだんとコツをつかんできた。今度は勝った。
「You Win」
 だが戦いは終わらない。2戦勝つと終わりと見た。
 3戦目。今度はHPをだいぶ残して勝利することができた。
 気がつくと私は現実世界に戻り、年賀状をながめていた。
「使いこなしてるなー」
 私は感心した。


(了)

858 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/31(日) 01:58:15.95 ID:imaQimCeO
>>855-857年賀状を貰える人になろうと思った


http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/software/1034406191/
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