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コンピュータは”サイエンス”か?

2009年12月22日 02時30分52秒 | インポート
なんか寝付けないので、もう一発書きます(笑)。

私はコンピュータ関係の仕事をしていますが、”コンピュータサイエンス”という言葉にちょっと違和感を感じています。あれって、サイエンスなのでしょうか?

私が思うサイエンスとは、「神が創り賜うた、自然のモノ(nature)の仕組みを解明しようとする行為」のことです。コンピュータなんて、複雑なモノには違いありませんが、所詮は人間が作った”道具”にすぎません。サイエンスって、ちょっとおこがましいような気がしています。ロケットとか、飛行機とか、車とか、はたまた、日常家電とか、コンピュータ以外の道具に対して”サイエンス”なんて言葉使いませんよね?何故、コンピュータだけサイエンス、なのでしょうか?不思議です。もちろん、デバイスに関する物性的な研究とか、そういうのはたとえ”道具”ではあっても、物理的な基本原理を探求しているという点で、サイエンスと言えるでしょうけど。少なくともコンピュータの”システム研究”をサイエンス呼ばわりするのはどうかと。やっぱり”エンジニアリング”なのでは?真理の解明ではなく、”デザイン”の世界だと思うのです。

私自身、本職でありながら、今ひとつコンピュータに対してはあまり強い思い入れが抱けないのですが、その理由として、「一人でできる事が限られ過ぎている」というのもありますね。頑張ってアプリを組んでも、どういう性能が出るかとか、結局はOSや下位のソフト、最終的にはハードウェアに大きく依存してしまいますよね。それら全部をいじることができない、というのがストレスなんです。手が出せない所、厳密には説明できない所が多いんです(実力がないだけか?)。

最近、事業仕分けとかでスパコン予算の削減が問題になっていますが、予算とか、1位を狙うかどうかということよりも、コンピュータに関して日本が抱えている根本の問題は、「OSとCPUの開発力が弱すぎる」ということではないでしょうか。もちろん、有名大学等にはこれらの研究をなされている方々もいらっしゃいますが、やっぱりほとんど欧米の技術がスタンダードになってしまっていると言わざるを得ないでしょう。ゆゆしき事態だと思います。まあ、マーケティング的に、そんな開発をしても元が取れないというのもあるとは思いますが。

そういえば、日本人からはまだ一人もチューリング賞受賞者が出てませんし。本当の意味での”コンピュータサイエンス”がまだ日本には根付いていない、そんな気がします。

私が大学時代に受けた教育を振り返っても、申し訳ないですが、それはそれはお粗末なモノだったと言わざるを得ないです。まあ、超一流大学ではないので、仕方ないといえば仕方ないのですが、もう少し何とかならんかと思います。OSとかCPUとか、コンピュータの本当の基礎の基礎をしっかり叩き込むような教育がなされているとは、残念ながら言えないと思います。大抵の大学は似たり寄ったりではないでしょうか。

またまた話が飛びますが、日本人の技術力が絶賛される事が多いですが、何かの本で、「日本人は大規模なシステムを作るのは実は苦手」という主張を読んだ事があります。真偽はともかく、そういう側面があるかもしれないなー、とも思います。ロケットとか飛行機とか、欧米に比べれば確かに弱いですし(ゼロ戦は凄いですが)、CPUとかOSといった、コンピュータの心臓部、超大規模なソフトウェアをなかなか作れない、という点を考えると、あながち的外れな指摘でもないような気もします。能力以前にパワーの問題もあると思います。コンピュータに関する洋書の専門書なんて、何百ページも、あるいは、千ページを超えるようなモノもざらにありますが、和書ではなかなか無いですよね。あれだけの本をかくパワーがあるからこそ、OSも書けるんじゃないか、勝手ながらそんな気がしてます。もちろん、OSだけが大規模ソフトではないですが。ゲームは凄いですね、日本。

まあ、私自身、Linuxのソースコードも理解していないような、その程度の技術者なんですけどね。頑張って読んでみるかなー。でも、英語の勉強との両立は不可能っぽい。やっぱり人生70年は短いです。


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