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将棋の日記

竜王戦決勝トーナメント(8/8)

2008-08-11 01:25:53 | 棋譜解説(タイトル戦)
先手:木村八段
後手:郷田九段

戦型:後手の四間飛車(先手のミレニアム囲い)


ここでは、後手は矢倉もあり、陽動振り飛車もあり、後手の作戦の構想が楽しみであります。


お互い何気なく指していますけど、お互いの指し方を見て、指し方を選んでいるところが、定跡の将棋と異なり、序盤の駒組みの構想が問われるので、見ていて面白いです。
後手は四間飛車でしたが、先手はどのように囲うのでしょうか?
先手は穴熊、ミレニアム、銀冠とあり、どれを選ぶのか囲いに注目です。


先手はミレニアムを選びました。
仕掛けは先手からなので、どのように仕掛けるのか注目です。
後手は、千日手も狙いにあるので、後手から動くことはまずないと思います。
先手の仕掛けと後手の千日手狙いの兼ね合いが面白いですね!


ここでは、▲1六歩と様子を見る手もあったと思いました。
▲2四歩と仕掛けました。
なかなか、どこが筋なのか分からない将棋です。
やはり、▲2四歩が筋なのでしょうか?


なかなか、▲3三歩と焦点の歩は指しにくいと思います。
玄人好みの指し方で、勉強になります。


△7七歩成の攻め合いが見えているところに、▲5三歩成です。
ここは、中盤独特の斬り合いです。


後手は囲い崩しの△7八歩です。
ときどき、現われる歩の手筋です。
こういう歩を指せると、将棋の幅が広がって面白いと思います。


△5七角成が見えているのに、▲3一角です。
△5七角成のときに、先手に手番が渡るので、先手は不満がないのでしょうか?
ここら辺は、中・終盤の独特の速度計算です。
どちらが、読みが勝っているのか、面白いです。


後手の端攻めを▲9二歩より緩和しながら、攻めるとは・・・。
珍しい歩の手筋ですね!
とても、勉強になります。
この切り返しがあって、先手の勝ちのようです。


先手は、△9六歩、△8六歩、△7六歩と抑え込まれて危ないですが、
この▲9四銀がきわどいですが、はっきりと先手の勝ちが決まりました。
でも、アマチュアにはこれが決め手になるとは・・・。
読みがやはり違いますね!


△9七金ですが、わずかに足りません。
ある意味、形作りでしたね!
木村八段の終盤の読みには関心しました。


これで、後手の郷田九段が投了しました。

木村八段が3番勝負に出場となりました。

序盤は、郷田九段の振り飛車に木村八段のミレニアムで、中盤からは木村八段の仕掛けがうまく行って、最後は分からない局面がありましたが、終盤は、木村八段が勝ちました。
アマチュアには勉強になる手筋があって、とても、面白い将棋でした。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おもしろい将棋でした。 (宮ちゃん)
2008-08-12 11:10:41
観戦記とてもわかりやすいです。
ポイントが明確で、改めて勉強になります。
終盤で△6六歩が入れば郷田九段にも勝ちがあったようで、手に汗握るA級同士の熱戦でした。
次は羽生-深浦戦ですね。永世七冠への大きな関門を突破して欲しいです。
8日に中国に帰ってきたので、またskypeチャットで観戦を楽しみたいです。よろしくお願いします。
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Re:おもしろい将棋でした。 (Logical Space)
2008-08-12 15:46:01
宮ちゃん、こんにちは。
ブログを見ている方への解説は止めました。自分が見ていて楽しいところだけをピックアップして書きました。
なので、私と棋力がだいだい近い人しか分からないと思います。
それで良いと思います、アマチュアが楽しいと思えることが重要なので・・・。
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そうですね (宮ちゃん)
2008-08-12 16:48:15
そうですね。
将棋の楽しさが伝わるようなブログが
一杯あると嬉しいですね。
ロジカルさんのブログは、将棋愛にあふれています。
パソコンの知識も含めて、知り合いになれて良かったです。
返信する

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