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私とクラシック音楽

2021-01-02 14:34:56 | クラシック音楽
 明けましておめでとうございます。 今回は、私がクラシック音楽のファンになった経緯を書きます。

【はじめに】
 私の趣味の一つはクラシック音楽を聴くことです。

 入社して間がない頃、ガスタービンの仕事をしました。ガスタービンの騒音は脅威的です。 その為に、工場試運転の時も、吸気側と排気側に消音器を取り付けるのが常識ですが、最初の頃は吸気側には消音器を取り付けないで試運転しました。その結果、2,000Hz近辺が難聴になってしまいました。

 2,000Hzは人間にとって重要です。従って、私の聞いている音楽は、クラシック・ファンの方とは大分違っていると思われますが、それでもクラシック音楽は好きです。 クラシック音楽は、私の人生を豊かにしてくれた物の一つです。

【ハイドンのセレナーデ】
 父が大正か昭和初期製の蓄音機を持っていました。落語と浪曲のレコードが主でしたが、少しだけ歌謡曲のレコードも有りました。

 姉が教会の神父さんからハイドンのセレナーデのレコードを貰って来たので、蓄音機で・そのレコードを何回も!何回も聞きました。 時々、ラジオでNHK交響楽団(N響)のクラッシック放送を聞く様になりました。

(余談) 「ハイドンのセレナーデ」と呼ばれている曲は、ハイドンのファンだった修道士が作曲したものです。 今でも何故か?ハイドンの弦楽四重奏曲集には「弦楽四重奏曲第17番 へ長調」として収録されています。 ずっと後まで、セレナーデ以外のハイドンの曲は聞かなかったので、「ハイドンは綺麗な曲を作曲したのだ!」と勘違いしていました。

【安いオーディオ・セット】
 大学1年生の夏休みに、東京に有った「豊島園」でアルバイトして、夢のような大金を手に入れました。その金の一部でLPレコードプレーヤー、アンプ、そして小さなスピーカーのオーディオ・セットを買いました。 私の友人の中で、オーディオ・セットを持っているのはいなかったです。

 最初に買ったLPレコードは、(大好きだった)ブルーノ・ワルター指揮のベートーヴェンの『田園』と『運命』でした。 その直ぐ後にヴィルヘルム・バックハウスのベートーヴェンの『ピアノ協奏曲・第5番・皇帝』を買いました。 3枚のLPを飽きもせず、何回も!何回も!聴きました。

(余談 :ブルーノ・ワルター) ワルターはドイツに住んでいたユダヤ人です。 第二次世界大戦が始まった1939年(ワルター:63歳頃)にアメリカに移住して、活躍しました。 当時の世界三大指揮者の一人です。

 1958年(ワルターは83歳になっていました)、コロンビアレコードからの強い要請で、老骨に鞭打って10曲ほどステレオ録音を残してくれました。私にとっては、宝物の様な存在です。

【友人の下宿】
 私の大学時代は学生運動が盛んで、クラシック音楽の話が出来る学生は非常に少なかったです。友人の一人(FJ君)とだけ、話が通じました。 FJ君が下宿にクラシック音楽を聴きに来いと誘うので、徒歩2kmほど有ったのですが喜んで行きました。

 下宿に着いてビックリ仰天です! 3畳一間で、半畳の押し入れが天井からぶら下っていたので、実質2.5畳しか無く、勿論・オーディオ・セットは無かったのです。隣の部屋から、素晴らしい音質で曲が流れていました。 暫くすると、部屋の間の襖が開いて、隣の住人が「今から出掛けるから、好きにして良い」と言ってくれました。 

 隣の部屋は8畳ほど有って、大きなオーディオ・セットを置いていました。 レコードプレーヤーはダブルアーム(アームが二本)で、FJ君が使って良いアームは限定されていました。 レコードは全てクラシック音楽で、100枚以上有ったと思います。 どのレコードを掛けても良い事になっていました。

 それから、時々・FJ君の下宿でクラシック音楽を楽しむ事が出来ました。私が所有していたレコードも有ったので、聞き比べて見ると、全く違った印象を受けました。 クラッシック・ファンは音質に拘りますが、この時・音質の重要性を実感した次第です。

【入社してから】
 入社2年目に正式に配属された課にクラシック・ファンが、私を含めて4人もいました。休憩時間に3人が集まってお茶を飲みながらクラシック音楽談義をしました。 その内の一人(NN氏)は本格的なクラシック・マニアで、色々と教えて頂きました。

 NN氏が推奨する神戸や大阪の演奏会にも足を運ぶ様になりました。

 入社して独身寮に入ったのですが、6畳・二人部屋で相棒がクラシック音楽が嫌いだったので、休日に彼が出掛けた時しかレコードは聞けませんでした。 トンデモナイ大金持ちの息子(HM君)が相棒の友人で、時々部屋に来ました。

 HM君はクラシック・ファンだったのですが、バロック音楽以外は音楽では無いと主張して、私とは音楽の話は出来ませんでした。 私の知っているバロックの作曲家は、今でも『四季』のヴィヴァルディ、ヘンデル、J.S.バッハだけです。

(余談 :HM君) HM君は私の同期で、金持ちの息子なのに何故か?寮に入っていました。 大学の卒業祝いにフォードのマスタングを買って貰っていました。彼は大阪支社勤務で、マスタングで通勤していました。私は、寮から徒歩30分程の事務所に配属され、バス通勤していました。 HM君は時々寝坊してしまい、そんな時は私の部屋に来て、「車で送ってやる」と言うのです。

 私が勤務していたビルには複数の部署が入っていました。 HM君は朝一から、その内の1部署と打合せをした事にして、寝坊を誤魔化していたのです。 問題です! HM君は就職祝いに何を貰ったでしょうか? ヒント、彼の父親には2号さん、3号さんがいた様です。 答えは最後に書きます。

【モーツァルトの喫茶店】
 神戸本社勤務になった時、近くに若い夫婦が経営する小さな喫茶店が有りました。 定時後にお腹が空くと喫茶店に出掛け、シュガーバタートーストを食べ、美味しいコーヒーを飲んで、又、会社に戻って夜遅くまで仕事をしました。

 この喫茶店には本格的なオーディオ機器があり、何時もモーツァルトの曲が流れていました。 殆ど客がいなかったので、何時も一番良い席に座って、1時間ほどモーツァルトを楽しんで、仕事に戻った分けです。 それまでは、モーツァルトは余り聴きませんでしたが、この喫茶店のお蔭でモーツァルトのファンになってしまいました。

【少し高価なオーディオ・セット】
 私は入社以来、出張が多かったので小遣いが沢山溜まりました。 特に若い頃は、現場社員を数名連れて現地に据付/試運転/引き渡し運転に行きました。 一度出掛けると、安い!安い!旅館に10日ほど滞在しました。 会社からは普通の旅館やホテルに泊まれる出張費が出るので、結構お金が余るのです。現場社員達は、その金でパチンコをやりましたが、私はパチンコが嫌いなので小遣いが溜まった分けです。

 結婚後・2年した時、少し広い社宅に入っていました。 3カ月分くらいの給料に相当する小遣いが溜まっていたので、オーディオ・セットを買いました。 学生時代に買ったオーディオ・セットとは、音質が全く違って夢の世界に入った様な気分になりました。

 妻も子供達もクラシック音楽に興味が無く、子供達の勉強の邪魔をしてはと考えて、ヘッドホンで聞く事が多くなりました。 オーディオテクニカ(audio-technica)社の木製ハウジングのヘッドホンを買ったら、音質が格段に向上しました。

【SACD】
 十年前にリタイヤして直ぐに、前述のオーディオ・セットのアンプが壊れてしまいました。当時はLPレコードが殆ど入手出来なくなっていたので、スーパーオーディオCDプレーヤー(SACD プレーヤー)とヘッドホン・アンプを買いました。

 2,000Hz近辺が難聴の私でも、CDでは満足出来ませんでしたが、SACDだと楽しく聞けます。

(余談 :CDからSACD) 1970年代の後半に、直径300mm(LPレコードと同じサイズ)も有る光ディスクが発売されました。会社では図面や要領書/報告書をマイクロフィルムで保管していましたが、光ディスクにデジタル化/映像化して保管する様になりました。

 ソニーとフィリップスが小径の光ディスクの共同開発を始めました。ベートーヴェンの第9交響曲が1枚の光ディスクに収められるサイズ(直径120mm)の規格を作ったのです。 これがコンパクトディスク(CD)です。 (300mmと比べたら、120mmはコンパクトです。)

 1999年にソニーとフィリップスによりスーパーオーディオ・コンパクトディスク(SACD)が規格化されました。SACDは記録層を2層にする事が出来ます。 1層だけの物をシングルレイヤと呼び、少し音質が良いです。2層の場合は、普通・1層をSACDに、もう1層をCDとしており、ハイブリッド盤と呼ばれています。 高級音響メーカーのエソテリック社が出しているSACDはハイブリッドですが、技術者の腕が高いので音質が良いです。

 日本で発売されるSACDは殆どステレオ(2ch)ですが、欧米ではサラウンド(3ch~5.1ch)が多いい様です。サラウンドのSACDを聴いた人によると、「別世界の様だった」そうです。

(余談 :レコード) エミール・ベルリナーが円盤形のレコードを発明したのは、1887年です。勿論、モノラル録音(1ch)です。 第二次大戦後に磁気テープを用いたステレオ録音(2ch)が始まりましたが、ステレオ・レコードの発売は1958年頃からです。 1970年代にスピーカー4台の4chレコードが発売されましたが、直ぐに生産停止になりました。

 一時期、レコードの販売は廃ってしまいましたが、近年『高音質レコード』と呼ばれる物が発売されています。 高音質レコードの定義/規格は有りません。 団塊の世代の人達がリタイヤして暇が出来て、高音質を求める人が多くなったので、高音質レコード、SACD等が今は売れると思われます。然し、若者達は音質への拘りが薄い様ですから、段々売れなくなる様に私は予想しています。

★★ 問題の解答 :HM君の就職祝い ★★
 HM君の父親が、寮から徒歩10分ほどの所に有ったマンションの1室を買って、若い女性を住まわせて、彼の就職祝いにしたのです。 そのマンションに寮の同期の仲間を数人連れて、月に一、二度飲み食いしていました。 私も誘われましたが、一度も行きませんでした。「この親子は女性をなんだと思っているのか?!」と憤慨していたからです。

 遊びに行っていた連中によると、「不特定多数の女性と関係を持つと、性病になる恐れが有るので、2号さんが与えられた」と言っていました。(HM君は独身でしたから、2号さんはおかしいですね!) 連中の誰も、「彼女は綺麗だ」とは言いませんでした。 「息子が結婚したいと言い出す恐れの無い女性を選んだのだ」と私は勝手に思いました。 HM君の父親は、「愛人との付き合い方を教えたのでは?」と私は思いました。 有り余る金の有る家の息子には、金目当てに寄って来る女性達と「どう上手く対応するか?」が問題なんでしょうね!

 HM君は節度を守っていた様に思います。 寮には、給料を貰ったら女性を買いに行く輩が多かったですが、HM君はそんな仲間には加わりませんでした。 マンションに行く時は、マスタングは使いませんでした。飲酒運転はしなかったのです。マンションに行っても、朝まで過ごす事は無かったようでした。 そして、浪費家では無かったです。 父親との約束を固く守っていた様に思えました。



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