これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

普天間基地の地主さんへの注意喚起!

2024-04-28 08:25:15 | 米軍基地
【はじめに】
 普天間基地の返還が実現しそうになって来ました。 国、県、宜野湾市は、跡地利用について具体的な検討を始める時期になったのです! 沖縄県と宜野湾市は、夢の様なバラ色の計画は白紙に戻して→→身の丈に合った計画を立案すべきです。

 普天間基地の民有地が、不動産屋達が言っている程・高値で売れるとは考えられません。 「民有地を買っておこうかな?」と検討されている方が知り合いにおられたら、このブログを読むように奨めて下さい。

《ご参考 :沖縄についての私の投稿》
① 沖縄県のデータ (その2) :投稿日=24年4月10日
② 沖縄県のデータ (その1) :投稿日=24年4月6日
③ 辺野古基地の問題     :投稿日=24年3月30日
④ 普天間基地の跡地利用   :投稿日=23年10月14日
⑤ 普天間基地の問題     :投稿日=23年10月7日

【沖縄の米軍基地の返還】
 1995年に『沖縄に関する特別行動委員会(SACO)』が設立され、日米政府間で沖縄の基地の縮小と返還について話し合われました。 96年に、沖縄に有る米軍基地の『11施設(≒5,000ha)』を5~12年掛けて返還すると言う最終報告書が公表されています。 (その中に、普天間基地の返還が含まれています。)

 SACOの最終報告書に記載されていた『読谷補助飛行場(≒191ha)』は2006年に返却され、大半の土地は農地として使用されています。

 安波訓練場(≒480ha)が1998年に返還されましたが、山林だったので、そのままの状態で地主に引き渡されたと思います。

 SACOが設立される前(1993年)にキャンプ・ゴンザレス(北部訓練場)の一部(≒480ha)が返還されました。 ここも山林でした。 (SACOで返還される事になった11施設にカウントされています。)

 他にも既に返還されている様です。 沖縄県は、今までは・跡地に金を注ぎ込んで『未来都市を作る』計画は一切して来ませんでした。

【普天間基地】
 普天間基地は、アメリカ海兵隊用の滑走路を備えた基地です。周辺に人家が密集する様になって、騒音問題と安全性問題を解消するために、1996年に「キャンプ・シュワブの沖を埋め立て→→滑走路を設け→→新たな海兵隊基地(辺野古基地)を設ける」と言う案が日米で合意されました。

 色々な事が起こって、工事が遅れに!遅れて!、(私の予想では)辺野古基地の完成は2037年以降になると思います。

・・・ 普天間基地についての基礎データ ・・・
★ キャンプ・シュワブの沖を埋め立てて海兵隊基地を移設する日米合意 :1996年
★ 普天間基地の返却予定 :2037年以降
★ 普天間基地の面積 :4.81km2=481ha
  (民有地≒89%、国有地≒8%、市有地≒2%、県有地≒1%)
★ 宜野湾市(ぎのわんし) :人口≒10万人、面積≒19.8km2
★ 地主の数 :1996年=2,376人→→2021年=4,227人
★ 借地料の総額 :727,400万円(2014年)  ・・・宜野湾市のホームページ
★ 基地で働く日本人 :204人(2014年)   ・・・宜野湾市のホームページ
★ 米軍の軍人と軍属 :3,200人(2014年) ・・・宜野湾市のホームページ

【米軍が接収した時点の登記】
 米軍が沖縄本島に上陸した1945年4月、収容所を建設して住民を収容しました。 日本軍の基地を接収し、住宅地、畑地、山林を強制的に接収して新たな基地を建設しました。 その一つが普天間基地です。

 米軍の爆撃で境界標識が破壊され、土地台帳が消失していたので、米軍は46年~51年に掛けて土地の所有権認定作業を実施しました。後述の共産党が公表した土地の筆数についてのデータは、米軍が作成した資料によっていると思われます。

 普天間基地が建設される前、多分、500軒程の民家と畑&山林/原野が有ったと思われます。 米軍が作成した土地登記簿には、各土地の『地目』と『等級』が記載されていました。 この時、大半の土地は畑&山林/原野に分類されていました。

 米軍は、1953年から琉球政府に『平均1円10銭/坪』の軍用地使用料を支払い→→琉球政府が地主に渡す制度を設けました。 その後沖縄で、米軍の理不尽な政策に反対して『土地闘争』が始まりました。

・・・ 米軍が接収した時点の登記 ・・・ 出典:日本共産党『百田氏の「普天間基地は田んぼの中にあった」のウソ』
❶ 宅地 :620筆
❷ 墓地 :542筆
❸ 畑、山林など :3,947筆

(注記 :農地解放) 本土では1947年に農地解放が行われ、地主が所有していた田畑の一部を除き、残りの田畑は小作人に無償で分け与えました。 沖縄県と奄美群島では農地解放は実施されませんでした。 従って、沖縄の小作人には米軍が作成した『土地所有権証明』は発行されませんでした。

参考資料 :開南コーポレーション・軍用地投資ブログ ❹ 軍用地の歴史(前編)

【沖縄返還後の軍用地借地料】
 1972年に沖縄が返還された後は、軍用地使用料は日本政府が支給する様になり、一般社団法人沖縄県軍用地等地主会連合会(土地連)と協議して、借地料を決めています。

 前述の様に、米軍が作成した土地登記簿では、普天間基地の土地の大半は『畑』か『山林/原野』と記載されていました。 その後、基地の周辺に民家が建つ様になって→→日本政府が土の一部を『宅地見込地』と認め→→借地料が少しアップしました。

 日本政府は、『宅地見込地』の借地料のアップ率を、元からの『宅地』のアップ率より高くして、両者の差を縮めてきました。 「この誤った政策で、普天間基地の土地への投機が加熱してきたのだ」と私は見ています。 地目を変更する必要は無かったのです。 「土地連が、自民党の有力議員に多額の献金をしたのでは?」と疑わざるをえません!

【普天間基地の土地は投機の対象になっています!】
 普天間基地内の民有地には、国から毎年・借地料が支払われるので、投機の対象になっています。 借地料をベースにた、次の式で計算した値で民有地は取引されています。

 取引価格=(借地料)✕(倍率)

 元々の『宅地』の借地料のアップ率は低いのに、『宅地見込地』の方はアップ率が高かいたので、『宅地見込地』を買うと儲かる現象が発生しています。 (国は何を考えているのでしょうか?)

 軍用地の取引に注力している不動産屋は、普天間基地が返還されたら→→『宅地』と『宅地見込地』は宅地として売れるから→→儲かるとピーアールしています。これは、一種の『詐欺』だと思います。

 後述の様に、人口が『10万人』の宜野湾市で『1万軒分の宅地』が一度に売りに出されたら、地価は暴落するでしょう! 不動産屋の口車に乗るのは危険ですよ!

【普天間基地の跡地を宅地や商業地として売れるか?】
 軍用地の取引に注力している不動産屋は、「普天間基地の跡地が、宅地として『50万円/坪(≒15.4万円/m2)』で売れる」と説明している様です。 私は「夢の様な話だ」と疑っています。

 普天間基地の面積は『4.81km2』で、民有地は『89%』です。更地にして地主に渡されるのは登記面積の『70%』です。 民有地には地目が畑地や山林/原野が有りますから、民有地の『50%』が宅地と宅地見込地だと仮定すると、地主達が宅地として高値で売れると夢見ている土地の面積は、

 宅地候補の面積は :463,000坪≒1,500,000m2=1.5km2≒(4.81km2)✕(0.89)✕(0.7)✕(0.5)

 1区画を『50坪』にして販売すると『9,260区画(=463,000/50)』になります。

 宜野湾市の人口は『約10万人』で、宅地は『40~45万円/坪』で取引されている様です。 この状況で、『9,260区画』を売りに出たら宅地価格は確実に暴落します。

 宜野湾市は、「海兵隊が辺野古基地に移っても人口は殆ど減らない」と言っていますが、軍人と軍属『3,200人』が転居するので、商店の売上はかなり減少するでしょう! この点からも、宜野湾市の宅地価格は下がると私は予想します。

【普天間基地の跡地利用についての行政の責任】
 普天間基地が返還されたら→→国は更地に戻す義務が有ります。 更地に戻した土地は、宜野湾市に一括引き渡されるのだと思います。

 更地に戻す工事で、アスファルトやコンクリートの廃材が多量に発生します。国、沖縄県及び宜野湾市は、「その処理をドウスルか?」事前に検討して→→決めておく必要が有ります。

 宜野湾市は→→跡地を測量して→→各地主の土地が、基地のドコに有るのか?を明確にして→→登記簿に記載された面積の『70%』を地主に引き渡すことになります。

 沖縄県と宜野湾市は、普天間基地の跡地利用の計画を立てて→→県道と市道を何処に通すか?→→学校等の公共設備をドコに設けるか?→→上水網と下水網を建設し→→沖縄電力に配電網を建設して貰う必要が有ります。 跡地利用計画を進める段階では、地主の要望を無視しないと計画を纏める事は難しいでしょう! (全ての地主は、「僕の所有地の前に道路を走らせてくれ!」と言うでしょう!)

 国、県、市は、行政の責任でやる事(限界)を明確に示して→→「地主が、自分の土地をドウするか?は自分で決めなさい」と明言しておくべきです。

【沖縄県の跡地利用計画は夢のまた夢です!】
 玉城デニー知事は、政治家と言うよりも「打ち出の小槌を持っていると錯覚している『夢想家』だ」と思います。 普天間基地の跡地利用について前から検討しており、今年(2024年)1月に「全体計画の中間取りまとめ(第2回)」を公表しました。

 金の問題を無視したら、誰にでも「バラ色の都市計画」を作る事が出来ます。沖縄県と宜野湾市には『金』が有りません。 現在の計画を実現する為には、宜野湾市が地主から広大な土地を買い取る必要が有ります。 そんな大金をドコから捻出するのでしょうか?

  玉城知事は、辺野古基地の建設で国を相手に訴訟合戦を続けてきました。 玉城氏が知事を続ける限り→→国の全面的バックアップを受けるのは難しいので→→普天間基地の跡地は→→米軍が接収した前の「数百軒の民家、畑、山林/原野」に戻す事になりそうです。

【普天間基地の土地に関する特別法】
 私は、「以下の❶~❻を行う『普天間基地の土地に関する特別法』を制定すべき」だと考えています。

 この特別法の狙いは、「国が何でもやってくれるだろう!」と言う過度の期待を、県民、市民そして地主達に持たせない様にする事です。 「国がやるのは、更地に戻すことで、その後は県と宜野湾市が責任を持って行う」と言う基本的な考え方を明確に示しましょう!

 県と市の跡地利用計画をやり易くするために→→民有地を国が買い取る価格を明示して→→(更地工事が始まる前に、)売却を希望する地主から買い取りましょう。 買い取った土地は、無償で宜野湾市に提供するのです。

 買取価格は下記の①~③が適当だと思います。 県と市の『身の丈に合った跡地利用計画』では、民有地の一部しか宅地には出来ないと予想します。 従って、私が提案する地価は決して安くは有りません。

❶ 今後は地目の変更は行わない。 
❷ 軍用地の借地料は今後はアップしない。
❸ 借地料は普天間基地が返還された後は支払わない。
❹ 普天間基地が返還されたら、速やかに更地にする工事に着手する。
❺ 更地を宜野湾市に引き渡す。
❻ 普天間基地が返還される前年までに、地主から売却したいと要請が有ったら、以下の価格で国が購入して、国有地とする。
① 宅地は『20万円/坪(≒62,000円/m2)』
② 宅地見込地『15万円/坪(≒46,000円/m2)』
③ 畑地と山林/原野は『1万円/坪(≒3,100円/m2)』

・・・ 宜野湾市の公示価格 ・・・ 出典:地下公示地価調査 2024年の平均
❶ 住宅地=119,680円/m2 (≒38.8万円/坪) ・・・実際の取引価格は公示地価の110%~120%です。
❷ 商業地=142,143円/m2

・・・ 沖縄県の農地と山林の価格 ・・・
① 沖縄県の農地相場≒1,700円/m2 ・・・出典:ウチノカチ
② 沖縄県の林地価格≒3,200円/m2 ・・・出典:www.tochi-d.com>rinchi

(大地主は没落する?) 普天間基地に所有権を持った大地主がいたら、私の提案を採用すると没落する可能性が有ります。 然し、本土の田畑を所有していた大地主は1947年に実施した農地解放で没落しました。山林大地主も木材価格の暴落で、ほとんどが没落しています。 多額の借地料で豊かな暮らしをしてきた大地主は没落しても、文句は言えないと私は思います。