これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

官僚について (その6)

2022-02-19 09:03:24 | 民主主義
【はじめに】
 今回も、国民の目から見た『官僚の問題点』の続編で、次回は官僚側から見た問題について書きます。 政治家と官僚の関係は、日本のガラパゴス文化の一つになっています。「何故?そんな事になってしまったのか?」私の考えは次回に書きます。

【窓口担当者の問題 :仕事が遅い!】
 近年はマイナンバーカードを持っていると、どこの都道府県からでも❶住民票、❷戸籍謄本/抄本、➌印鑑証明、➍課税証明書、❺納税証明書、❻固定資産評価証明書をコンビニで入手出来るので、わざわざ市役所や区役所に行く必要が無くなりました。

 最近・区役所に行きましたが、待ってる人は少なかったですが、結構待たされました。窓口の担当者が民間企業では考えられないほど手際が悪い為です。テキパキやっても給料がアップする分けでは有りませんから、致し方無いのでしょうか?

【仕事をしない役人もいます!】
ケース❶ :大昔の話ですが、私はK市の某下処理水場から設備を受注して、製作打ち合わせを何回もしました。この下水処理場の運営・作業は民間企業に丸投げされていたので、市の職員が数名配属されていましたが、彼らにはすることが有りませんでした。打合せ室の真向いがガラス張りの中央制御室でした。市の職員達は昼間から、何時もマージャンをしていました。

ケース❷ :私の家から徒歩10分ほどの所に、敷地面積が40ha(≒40町歩)もある巨大な下水処理場(T処理場)が有ります。 機械設備の殆どは地下室に設置されていて、地上は公園や太陽光発電所等になっています。国道2号線が横を走っていて、国道側には建設開始直後に松と雑木を植えた歩道が有ります。歩道の全長は1.2km程も有って、樹齢は50年程になっています。

 公園管理事務所が有って、市の職員が数名駐在していました。私は昔・元気だった頃(数年前まで)はよく散歩して、事務所の横を通りました。ブラインドシャッターの付いた広い窓があり、内部が丸見えでした。机が6脚向かい合わせに配置されて、靴を履いた足を机の上に置いて、御仕着せの作業着を着た数人が何時も雑談していました。誰かが「遊んでいないで働け!」と言ったのでしょうか?!シャッターを閉めてしまいました。

 年に数回、造園会社から作業者が十名ほど来て、公園の芝刈り/落ち葉の掃除、枯れた枝を切ったりしていましたが、市の職員が二人程出て来て監督するだけで、作業は一切しませんでした。毎日・働いたら、造園会社への依頼は必要無いと思いました。

(余談 :阪神淡路大震災と下水) 大昔に・この下水処理場の計画が始まった時は、「区だけの下水を処理する」と言って了解を取り付けたそうですが、時間が経過すると近隣の住民に話す事無く、別の区の下水も処理する様になっていました。太い下水管を連結して、他の処理場に問題が起こった時に、この処理場で対応する事になっていました。

 1995年に阪神淡路大震災が発生した時に、この下水処理場が大活躍して、(上水の供給はストップしてしまいましたが、)下水の使用制限は有りませんでした。「噓も方便」だったのです!

【役所のサービス :融通が利かない!ゴミの回収】
ケース❶ : 私はボランティアで親戚の家などの管理をしているので、4つの市でゴミを出しています。ゴミ出しのルールは、市によって少しずつ違っています。 一番杓子定規なのが神戸市で、完全に近い分別が要求されます。生ゴミ(燃えるゴミ)の中に缶ビンが少しでも混じっていたら、町内の誰かが詰め替える必要が有ります。 一番融通が利くのが大阪市です。 分別に多少の問題が有っても、持って行ってくれます。

 京都府木津川市の一戸建て住宅も管理していて、年に3回ほど草引きと庭木の剪定をしています。1回行くと、45リットルのゴミ袋を10袋以上出す事になります。 最近・市の名前を印刷した少し高価なゴミ袋の使用が義務化されました。市に金が無い為にやっているのだと思います。 ここも、各家の前にゴミ袋を出す事になっていますが、駐車場に置いて置くと、少しずつ持って行ってくれるので助かっています。

ケース❷ : 大阪市は一戸建ての場合は各家の前にゴミを出すのがルールです。私が大阪市内で管理している賃貸マンション(Wマンション)では、コの字型にブロックで囲ったゴミ置き場を設けています。 生ゴミ(燃えるゴミ)は週二回・回収してくれるのですが、回収車が来る一時間程前に、男性二人が徒歩で回って、車の入れない路地に置かれたゴミ袋を公道まで持ち出してきて、→→Wマンションのゴミ置き場の前の公道に山積みにします。彼らはネットを被せないので、猫とカラスが袋の中身を公道にばら撒いてしまいます。大抵は、回収車の担当者が掃除してくれますが、掃除しない不埒な輩もいるので困っています。

 2014年頃に梅田から2km程の住宅街に有る、少し広い一戸建て住宅の草引きと植木の剪定を依頼されました。 大阪市内ですから、ゴミ袋を家の前に出す決まりでした。一回行くと、草と剪定した枝が十袋程になりましたが、昼頃に回収に来るので数袋残ってしまいました。近所の喫茶店のマスターに少しお金を渡して、次の回収日に出して貰うことにしました。気軽に引き受けてくれたので、助かりました!

ケース➌ :大阪では缶・ビン・ペットボトル・金属製品を資源ゴミと呼びます。透明なゴミ袋に入れる事になっていますが、一般人が我先に自転車でアルミ缶だけ回収しています。袋を開けてアルミ缶だけ取り出し、他は公道に放置する輩がいて困っています。 二、三年前までは、ホームレス風の人が回収していましたが、最近は見掛け無くなりました。

 一年ほど前に、大きなゴミ袋に入ったアルミ缶を10袋以上運べる様に、実に上手く改造したリヤカーを自転車で引っ張る輩がいました。歩道を走るので邪魔で/危険でした。誰かが警察に通報したのか?一ヶ月ほどして見掛け無くなりました。

ケース➍ :神戸市で古紙の回収が始まった頃は、指定業者以外が早朝に回収して回っていましたが、指定業者以外の回収対策をやった様で無くなりました。 大阪市では、早朝に出した古紙は一般人が持って行きます。市の指定業者も回収しているのですが、時々・どちらも来ない時が有り、困っています。

(余談 :融通しすぎるケース!) 高齢化が進んだ、住人の少ない、借金の多いい市の住人(K氏)から聞いた話しです。 「結構大きな持ち家に住んで、現役の頃はチャントした仕事をしていた老人達が生活保護を受けている。ある町内では住人の大半が受給している、いくら何でも可笑しい。」 K氏の考えでは!

 生活保護費の75%は国で、25%を市が負担しているらしい。一人当たり毎月10万円支給すると仮定すると、年間120万円になるから、→→2,000人に支給したら18億円も国から金が流れて、→→商店街が潤う。生活保護の申請が有ったら、→→審査は適当にやって、→→国から沢山金を貰った方が市は得だ!

(補足) K氏の計算は少し大雑把過ぎます。国民年金の満額は年間で65万円です。単身者の生活保護費は120万円~156万円だそうです。国民年金を貰っている人が、生活保護を受けると年金分が差し引かれるので、55万円~91万円が生活保護費として貰える事になります。従って、国から流れて来る金は、41万円~68万円ほどです。2,000人だと11億円~13.6億円になります。

【官僚の問題 :職権の乱用】
 官僚による職権の乱用は犯罪で、刑法第193条で「二年以下の懲役又は禁錮に処する」となっています。

 『行政指導』は日本独特の制度の一つで、英語では『Gyosei-Shido』と表記する様です。 行政指導は行政機関からの「お願い」ですから、従わなくても罰せられません。 日本には未だに「お上の言うことには逆らえない」と言う風潮が有るので、行政指導は『お上』にとっては都合の良い制度なのです。

 口頭による行政指導も有ります。証拠が残らないので、行政指導した内容に問題が有る事が判明したら、行政側は「知らぬ存ぜぬ」を押し通す事が出来ます。 「口頭による行政指導は犯罪で、無効で有る」と刑法に追加すべきだと思います。

(余談❶) 大昔、K市の下水処理場に機械を納入した時、消防署の認可が必要でした。K市の下水道局と消防署は犬猿の仲で、下水道局から提出された書類を消防署が一切受理しないのです。私は途方に暮れてしまいました。下水道局の担当者が、「消防署を提訴する事は、市長が市長を提訴する事になるので、出来ない。逆も同じなので、無視すれば良い」と言いました。 他にも同様の市が有りました。

(余談❷) 昔・通勤に使っていたバイクのナンバープレートを盗まれた事が有りました。警察に届けを出しましたが、新しいナンバープレートは直ぐには貰えません。夜中の二時か三時頃に警察から電話が有り、「見つかったので、直ぐに取りに来い!」と言うのです。寒い寒い時期だったのと警察署が遠かったので、「朝になって行く」と言うと、「一時間以内に来い!」と言い張りました。警察署で見せられたナンバープレートはグチャグチャにひん曲がっていました。「これで間違いは無いか?」、「もう使用出来ないから警察が預かる」などと言いました。ナンバープレートの事ですから、子供でも、数字が読めたら間違いは分かります。

 その二、三日後の夜中に、少し前に・隣の室に入居した二十歳代の夫婦に、「貴方の息子を逮捕したので、直ぐ出頭しろ!」と警察から電話が有ったそうです。「結婚したばかりなので、子供はいない」といくら言っても駄目だったそうです。夫婦で出頭したら、顔を見ただけで、「帰って良い」と言われたそうです。 逮捕された少年は、奥さんが10歳以下の時に生んだ子でないと辻褄が合わなかったのです。 少年がその夜、奥さんのバイクを盗んで、警察に捕まったのですが、親の名前を言わなかった為に起きた騒動でした。

【官僚の問題 :天下りの問題】
 最近、天下りの問題はテレビや新聞で取り上げられませんが、決して天下りが少なくなった分けでは有りません。 報道されるのは『キャリア官僚の天下り問題』ですが、私は、数が圧倒的に多いい『ノンキャリア官僚の天下り問題』も議論する必要が有ると思います。 前回・書いた様に、自衛官を除いた国家公務員の数は31.7万人(一般職≒28.7万人、特別職≒3万人)、地方公務員は274.4万人です。マスコミが取り上げるのは国家公務員の一握りにしか過ぎない特別職の天下り問題です。

問題点❶ :天下り先が数え切れないほど多いい ;国と地方公共団体には無数と言って良いほどの外郭団体が有るので、全体を把握するのは極めて難しいと思われます。 各外郭団体には元役人が天下っています。外郭団体が採用した職員と天下った元役人の給与の大半は、国や地方公共団体から出ています。即ち、税金が使われているのです。今後は、外郭団体を整理/統合して、数を減らす必要が有ります。

問題点❷ :天下り先の創設 ;今までは種々の口実を作って、官僚達は天下り先にする外郭団体等を作って来ました。 「定年まで天下りしないで、勤務したい!」と希望する下級役人が増えている様ですから、新たな外郭団体の創設は厳しく制限する必要が有ります。国と地方公共団体に外郭団体の数、事業内容、職員数、給与などをチェックする部署を設ける事が肝要だと考えます。

問題点➌ :民間企業の様な降格と減給が必要です! ;現在、国家公務員の定年は60歳ですが、2031年度には65歳に延長されます。 民間企業の多くでは、定年は既に65歳です。 定年を延長すると→→管理職が高齢化して→→役所や会社の活力が低下してしまいます。 大手民間企業では高齢になると、子会社への天下りをさせたり、降格させて給与を大幅にダウンさせたりしています。

 民間企業の様に、国家公務員も地方公務員も、55歳か60歳になったら降格させて、→→給与を30%程カットするべきです。最初は抵抗が有ると予想しますが、数年もしたら当たり前の事として、受け入れられる様になります。

 1988年頃に私が勤務していた会社の話です。その3年程前に、定年が55歳から60歳に変更されました。そして、55歳になると、管理職は原則として部下のいない主任に降格して、給料が大幅にカットされる事になりました。部下が十人以上いた室長が主任になり、部下の一人が室長になりました。当時は、室長以上には役職名を付けて呼びましたが、それ以外の社員は名字に『さん』を付けて呼ぶ事になっていました。新室長が旧室長をどうしても「××さん」と呼べなくて、苦労されていました。

(余談 :元課長の給与) 2010年頃の話ですが、革新系の市会議員達と話をしていたら、市役所の職員の天下り問題が話題になりました。「天下りの数が多過ぎ、トンデモナイ給料を貰っている人間もいる。 近年・やっと、課長職が天下った場合の年収の上限を750万円に決めた!・・・」と言っていました。凄い抵抗が有ったそうです。 天下ったら仕事らしい仕事がない事を、市会議員の皆さんは知っていました。

(余談 :する事が無い!) 今から25年程前、私が現役で働いていた時に妻と二人でイタリア旅行した時の話です。 「グレードの高いツアーに参加したら、天下った役人が沢山・参加するから、不愉快な思いをするよ!」とアドバイスされていたのですが、思い切ってグレードの高いツアーを選択しました。

 二十数名のツアーに地方公務員で、外郭団体に天下っている五組のカップルがいました。一組は娘さんを連れていました。 夕食になると、この五組は固まって座り、大声で・毎夜・くどくどと仕事の愚痴を喋るのです。 折角のディナーなのに、皆さんウンザリされていました。

 「仕事の無いのは辛い!週に数回メクラ判を押す以外にする事が無い」、「ハンコを押す前に書類を読むと煙たがられる」、・・・「この娘は就職先が無かったので、僕の職権で天下り先で採用させた」、「帰国しても仕事が無いから、一週間程休む」と言う様な愚痴でした。 最後の夕食で、私は遂に切れてしまい、「そんな話は別の場所でしてくれ!」と怒鳴ってしまいました。

(お詫び :メクラ判) 盲判は差別用語に分類されていますが、適当な言葉が無いので使用しました。 キーボードを見無いで打つ事を、昔は「ブラインドタッチ」と呼んでいましたが、これも差別用語になっています。現在は「タッチタイピング」と呼ぶので、盲判の代わりに『タッチ判』か『タッチ印』を流行させましょう!

【官僚の問題 :民間企業への天下り問題】
 国家公務員の民間企業への再就職(天下り)は、現在・国家公務員法の第八節(第106条2~4)で規制されています。 昔は、キャリア官僚が民間企業に再就職する時、数億円の仕事持参(持参金付き)だったと言われていました。 私が勤務していた会社にも何人かキャリア官僚が入社されました。持参金付きだったかは分かりません。 

 持参金付きで民間企業に再就職するのは禁止すべきだと考えますが、然し、優秀なキャリア官僚の再就職は企業の活性化に繋がると思います。 特に自衛隊の将官の多くは社外取締役に適任だと思います。

事例❶ :私が入社した時の社長(KT氏)は13年間以上も社長の座を温めました。そして、強力な派閥を作り、KT氏以降の社長はこの派閥のメンバーが就任しました。 1978年当時の社長が、次期社長候補として通産省の元事務次官だったヤリ手のYK氏をヘッドハンティングしました。 当時・私は30才代のペーペーだったので、YK氏を拝顔する事も有りませんでしたが、先輩たちは「YK氏が改革してくれる」と期待していました。

 重役改選の時に派閥抗争が有り、YK氏は会長に祭り上げられて、トンデモナイSK氏が社長になりました。SK氏は禁じ手まで使って9年間ほど社長を続け、KT氏が残した負の遺産の派閥を強化し、会社の資産を食い潰し、赤字体質にしてしまい、コンプライアンス(倫理法令遵守)欠如の会社にしてしまいました。

 「YK氏が社長に就任されていたら、社内の胡麻すり体質の改善や派閥人事が無くなり、検査データの改竄(かいざん)問題等は発生しなかったのでは?」と思います。

事例❷ : 1980年頃、私は東京勤務でした。海上自衛隊から海将(昔の大将か中将)だった方が入社されました。スラットした紳士で技術についての造詣(ぞうけい)の深い方で、部下はいませんでしたが専用の居室が与えられていました。秘書室の女性がお世話していました。 誰からだったか忘れてしまいましたが、私に話し相手になる様にと指示が有りました。月に一、二回・二人で小一時間・技術の話をしました。 共通の趣味の話をする様に、先端技術の話をして盛り上がり、愉快な時間を過ごす事が出来ました。

 「こんな方が我が社の重役になられたら、会社が良くなるだろう!」と熟(つくづく)思いましました。二年ほどして、私は転勤になり、その後・如何されたのか分かりませんが、残念ながら重役には就任されませんでした。