『ほどほど』が良い！

　私は入社して独身寮に入ったのですが、二人部屋でした。同室のA君は同期で、酒好き、女好きでした。酔っぱらうと、『ほどほど』が良いといつも何回も繰り返して言って、その内、大きな鼾をかいて寝てしまいました。

　多分、私が若い人に多い「潔癖症」だと心配してのアドバイスだったのだと思います。　それにしても、A君の二つの欠点は『ほどほど』では無かったのですが！

　年を重ねると、誰でも仕事は多くなり、責任も重くなってきます。少し行き詰まったら私はA君のアドバイス・『ほどほど』が良いを思い出し、開き直って見る事にしました。

　残業の上限を100時間にする様で、十分では無いですが、前進だと思います。然し、サラリーマン、特に技術系のサラリーマンの場合は長時間残業が必要になるケースは避けられません。

　私は60才に近い頃、暑い（30℃以上の）クリンルームで丸４日（96時間）仮眠も取らずに働いた事があります。帰りの新幹線で寝てしまったら、終点まで起きられないと思い、２時間以上睡魔と格闘しました。
　一週間以上、会社に出ていませんでしたから、仕事が山積みになている事は分かっていましたが、帰宅して「なるようにしかならない」と自分に言い聞かせて、爆睡しました。起きたら、24時間たっていました。

　過酷な一日の後には、『今日はここいらでよかろうかい』と言って、仕事や嫌な事は忘れて、晩酌をしてぐっすり眠るのが一番です。


　仕事や人間関係で悩むことがあったら、『ほどほど』の給料、『ほどほど』の出世、『ほどほど』の人生でも充分楽しい事があると考えましょう！　ほんとに嫌なら、会社を辞めてもきっと『ほどほど』の仕事は見つけられるとおもいますよ！


　余談ですが、NHKのドラマで『ならぬことは、ならぬものです』と主人公が言うのを聞いて、悩んでいる人への素晴らしいアドバイスになると思ったのですが、私の誤解でした。会津の人達には申し訳ないですが、『出来ないことは、出来ないのだ』の様な意味に使用させて下さい。悩んでいる人の助けになると思います！