東北新幹線の中でこの報告書を読んだ、昭和7年! ついこの間の話である、
青森、秋田、岩手、北海道の道県で、この年は大変な冷夏で作物は一つぶも実らなかった、山に入っても木の実は生らず、45万人の農夫が死線をさまよったのが、ついこの前の出来事なのだった、
また雪が降り出した、
もう一尺五寸、
手の指も足の指もちぎれそうだ。
しかし俺は食い物をあさりに、
一人山へ上って行く、
俺はいつも、男だ男だとおもって、
寒さを消しながら、
夢中で山から山をあさって歩く。
これは昭和7年の12月
青森県八甲田山麓の一青年の詩が青森県の新聞に載せてあったものだ、
この報告書では各農村を調べて歩くのだが、飢餓の生活がよく分かる、政府の援助も届かない、
いま、この地方を歩いても、こんな事態は考えられない、道路は舗装され、新幹線が走り、飛行場が出来、まいにち食べるものに困ることはない、
しみじみよい時代に生きていると、
ありがたいことである、
青森、秋田、岩手、北海道の道県で、この年は大変な冷夏で作物は一つぶも実らなかった、山に入っても木の実は生らず、45万人の農夫が死線をさまよったのが、ついこの前の出来事なのだった、
また雪が降り出した、
もう一尺五寸、
手の指も足の指もちぎれそうだ。
しかし俺は食い物をあさりに、
一人山へ上って行く、
俺はいつも、男だ男だとおもって、
寒さを消しながら、
夢中で山から山をあさって歩く。
これは昭和7年の12月
青森県八甲田山麓の一青年の詩が青森県の新聞に載せてあったものだ、
この報告書では各農村を調べて歩くのだが、飢餓の生活がよく分かる、政府の援助も届かない、
いま、この地方を歩いても、こんな事態は考えられない、道路は舗装され、新幹線が走り、飛行場が出来、まいにち食べるものに困ることはない、
しみじみよい時代に生きていると、
ありがたいことである、