09/16 私の音楽仲間 (208) ~
私のオーケストラ仲間たち (24)
Rossini の 繋ぐ ワ
深夜のアンサンブル。
前回は Brahms の弦楽六重奏曲を、弦楽合奏で体験した
様子をお読みいただいたわけですが、実はこれは、私が
当初計画した曲ではありませんでした。
連絡係のWさんからの、事前の情報では
「ブラームスが好きな人が多くて…。」
そう聞くと、思い当るのは、この曲しかありませんでした。
半年か一年前に、やはり合宿の夜で取り上げたことがある
からです。 人数は今回より少なかったでしょうか。
いい曲に "味をしめ"、「またやりたい!」と注文が出てくる
なんて、いい傾向! 当初は「二晩時間が取れる」と聞いて
いたので、「それじゃあ2曲ともやってみるか」…と用意する
ことになりました。 結果は一晩だけ。 "駆け足" でしたが、
今回は弦楽七重奏版での体験になりました。
コントラバスにも付き合ってもらって。
コントラバスと言えば、なかなか室内楽曲に恵まれません。
「クワルテットのチェロの譜面をそのまま使い、オクターヴ下を
鳴らして」もらってもいいのですが、それではオケとほとんど
同じ。 ソロ パートとは言えず、可哀想です。
実は今回の "第一候補の曲" を選ぶに当り、この点がもっとも
気がかりでした。 もちろん弦楽四重奏では用いられない楽器
ですし、室内楽曲はあれこれ思い浮かんでも、色々制約がある
のです。
Beethoven の七重奏曲、Schubert の八重奏曲は、いずれも
クラリネット、ファゴット、ホルンが必要です。 また有名な『鱒』
はピアノ五重奏。 その上、どれも気軽に楽しめる曲とは言え
ません。
それに今回は、もう一つ "嬉しい難題" が。 参加希望者
の中にフルートが居るのです。
フルートもコントラバスもある室内楽曲なんて、さて…?
私ならずとも悩むところでしょう。
「これは、純正品 (オリジナル編成の曲) にこだわっていては
駄目だな…。」
そう思ったときに頭に浮かんだのは、私が1年ほど前
に体験した、Rossini の弦楽ソナタのフルート版でした。
これにはフルート四重奏用の編曲があり、Violin、Viola、
チェロが一人ずついればいいのです。
関連記事
私の室内楽仲間たち ~ (79) 『Viola が無いよ?』
しかもこの曲、元々は "コントラバスのための曲" なのです。
(なぜ今まで気が付かなかったんだろう…!)
その代わり Viola がありませんが。 「Violin、Violin、チェロ、
バス」という、いかにも "オペラ歌手" を思わせるような編成
なのです。
しかしあまりにも明るく楽しい曲なので、弦楽四重奏用の
編曲まで昔からあり、広く親しまれているのです。
さっそく手元の楽譜を調べたところ、第1番ト長調、その
第Ⅰ楽章のパート譜がありました。 6曲の弦楽ソナタの
うち、一番有名な楽章と言ってもいいでしょう。 弦楽四重
奏用の譜面もありました。
ところが、さすがにフルート版のパート譜はありません。
Vn.Ⅰの譜面を見て吹いてもらってもいいのですが、音域
その他に問題があり、地味すぎて面白くありません。
と言って、今から新たに編曲している時間はありません。
また手元にある弦楽四重奏用の Viola パートは、高い音域
の連続! 多少無理があるので、やはり作り直さねばなり
ません。 それに、Brahms の六重奏の、バス パートの譜面
も作らねばなりませんし…。
そこで、意を決して私が泣き付いたのは、Sa さん。
いつも "室内楽の集い" でお世話になっている方です。
すると、何とその日のうちに、フルート版の譜面を
送ってくださったのです!
お蔭で当夜は、まずこの ROSSINI を色々な組み合わせ
で弾いてもらうことが出来ました。 それは弦楽四重奏版、
バスの出番があるオリジナル版、チェロが二人でバスを
追いだしていまう「Violin × 2 + チェロ × 2」版、そして、
もちろんフルート四重奏版も。
余談ですが、Beethoven が妬んだと言われるほど、当時
ヴィーンでも大人気だったのが Rossini です。 今回も、
「すごく綺麗な曲だな!」と感動している者がいました。
Rossini に感謝しなければいけませんね。
さて、以下は、私が "傍受した" メールのやり取りです。
Sa 様
… …
今回、私達がアンサンブルを行うことになり、ロッシーニ
の弦楽ソナタのフルート四重奏版の譜面を必要としていた
ところ、その譜面を Sa さんに調達して頂いたとお聞きしま
した。 譜面を探して頂けて、とても助かりました。
お陰様で楽しいアンサンブルを行えそうです。 ありがとう
ございました。
W
W 様
*思いがけない嬉しい mail を 有難うございます (^-^)/
… …
「アンサンブル」を愛する仲間が増えるのは本当に嬉しい
事。 是非楽しいアンサンブルを…♪
Sa
最後にもう一つ。 同じ室内楽の集いで私がご一緒して
いる、Violin の Uさんと私のやり取りで、6月末 (2010年)
のものです。
maru 様
… …
昨日K大オケの定期を初めて聴きに行って参りましたが、
これも私の好みの一つチャイコの5番が期待以上の大変
素晴らしい好演!熱演!で大いに堪能させて頂きました。
… …
ロビーでのプレコンサートでは、私が**年前の学生時代に
ワセオケで始めた第一回室内楽演奏会での演目、モツアルト
のフルート四重奏ハ長調を学生さんが演奏しており、懐かしさ
を覚えるとともに、これも何かのご縁かと一人ひそかに歓びを
噛み締めた次第です。
経験豊かな指揮者と充実したトレーナに恵まれてその効果
はK大オケの演奏に如実に表われていたと思います。 今回
いっぺんで地元大學オケのフアンとなりました。 今後都合の
つく限り聴きに伺おうと思っております。
U
U 様
先日は久しぶりにご一緒させていただき、ありがとうござい
ました。 全快なさったとは聞いておりましたが、それ以来、
私としては初めてお顔を拝見する事が出来ました。
… …
ご多忙の中、K大オケの拙い演奏にお越しいただき、本当
にありがとうございました。 お褒めの言葉に相応しい演奏
だったかどうか、不安ですが、のちほどじっくり学生たちから
話を聞いてみたいと思います。
なおいただいた文面の内容は、ぜひ彼らに伝え、激励して
やりたいと望んでいます。
maru
おっと、ところで今回の合宿で練習していた、オケの次回の
演奏曲目に触れていませんでしたね…。
Rossini の弦楽ソナタ 第1番 ト長調 (フルート四重奏版)
[第Ⅰ楽章からの演奏例]
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