MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

想い出の沼と湖

2010-09-11 00:00:00 | 私のオケ仲間たち

09/11 私の音楽仲間 (204) ~

        私のオーケストラ仲間たち (20)


             想い出の沼と湖




 九月初旬のある朝、私は今 水際で休憩をとるところです。

 時間は八時をちょっと過ぎた頃。 場所は上戸 (じょうこ) 浜。

 "浜" といっても、海辺ではありません。 琵琶湖、霞ヶ浦、
サロマ湖に次いで大きな湖の湖畔です。



    

           湖の北東岸より西方向を望む



 ここは猪苗代湖。 福島県の代表的な憩いの地の一つです。

 2010年夏は記録的な猛暑で、それは私の住む東京も同じ。
九月になっても秋の気配はありません。 私は東京脱出を試み、
夜明け前の涼しいうちに、車で抜け出して来たのでした。




 この上戸浜のすぐ北側には越後街道 (国道49号線) が走って
おり、東の いわき と、西の新潟を結んでいます。 また、これ
とほぼ東西に並行しているのが、磐越自動車道です。

 この休憩所、駐車スペースは豊富ですが、私が訪れるときは、
どういうわけか他の車は皆無と言っていい状態で、少なくとも
これまでは「人間に出会ったこと」はありません。

 猪苗代湖のこの浜は、ここ数年、この時期は必ず訪れる場所
になっています。 すぐそばに、毎年お世話になるホテルがある
のです。



 ところが、今年の目的地は別の場所。 本来はここに来る必要
は無かったのですが、もはや私の心の中に大きな意味を占めて
いるので、どうしても足が向いてしまうのです。




 「今年も来たよ? 猪苗代湖さん。 でも、もう行かなきゃ…。」


 私は湖に別れを告げ、車を北へ走らせることにしました。




 この磐梯山の周囲の地図 ← で言うと、上戸浜は白鳥浜、
天神浜のさらに東にあります。 これからまず北西へ向かい、
猪苗代の駅付近を北上し、桧原湖を目指します。 ちょうど
磐梯山を左に見ながら走ることになります。



 磐梯山の北側は裏磐梯と呼ばれていますね。 あの1888年
(明治21年) 水蒸気爆発と、これに続く山体崩壊では、500人
近くの方々が犠牲になるなど、甚大な被害に見舞われた地域
です。

 ちょうど山腹に当る部分がすっぽり消滅しており、同じ山で
ありながら、南の猪苗代側から眺めるのとは、容貌がまったく
異なります。



裏磐梯ライブ映像] 弥六沼付近 (桧原湖南端) から南方を望む




 ちょうどこの辺りには五色沼という、有名な観光スポットがあり
ます。 先の大爆発の副産物として出来た10の沼で、主なもの
には毘沙門沼 (びしゃもんぬま)、赤沼 (あかぬま)、深泥沼 (みどろぬま)
竜沼 (たつぬま)、弁天沼 (べんてんぬま)、瑠璃沼 (るりぬま)、青沼
(あおぬま)、柳沼 (やなぎぬま)があります。







 名前の由来は、読んで字の如し。 色が沼ごとに微妙に異なる
のです。 また同じ沼でも、季節、位置、天候、時間帯、見る角度
によって違うのだそうです。 含有鉱物、水中の植生、光の屈折
などにより、色は青、緑、赤、茶など、微妙に変化します。

 ところが、「沼はすべて繋がっている」のだそうです。 湖底の
どこかで。 そんなテレビ番組を観た覚えがあります。 NHK
だったでしょうか。




 実は私も以前一度だけ、この五色沼を訪れたことがあります。
と言っても、それは中学生時代。 数えると半世紀前ですから、
まさに前世紀になります。

 そう、私自身も前世紀の遺物ですが、10代の可愛い時代も
あったんですよ? 当時はバスで移動した覚えがありますが、
「舗装してある道路の方が珍しい」という状態。 何はともあれ
"埃だらけ" だったのを覚えています。



 しかし、今や未舗装の道路の方が皆無。 快適なこと、この上
ありません。 車にはエアコンがあるし。

 でも窓を開けてみると、気温はどう見ても30℃以下。 さっそく
スイッチを切りました。 ガソリンの無駄です。



 まず立ち寄ったのは毘沙門沼。 五色沼中、最大の沼です。
時間があればすべての沼を探索したいところですが、残念
ながらそれは無理。 諦めました。


 

     

     あいにく日射しが無く、色調は鮮やかとは言えませんでした。




 次は、磐梯山噴火記念館に向かいます。



 でも、こんなことに時間を費やしてばかりでいいのでしょうか?
何やら大事な仕事もありそうなのですが…。

 お読みくださっている貴方を心配させてはいけませんね。



  (続く)




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