03/16 私の音楽仲間 (29) ~
私のオーケストラ仲間たち (6)
チ(ャ)ィコーフスキィ 『ロココの主題による変奏曲』
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20数年前、神奈川大学管弦楽団の合宿に初めてお邪魔
した様子をお読みいただいているわけですが、なかなか先に
進みません。
前回は、アマチュア・オーケストラ、特に学生オケによくある、
"アンバランス" の幾つかを見てきました。
しかし、アマチュア・オーケストラならではの素晴らしいメリット
も、また数多くあります。 その一つが、トレーナーの先生方との
交流関係です。
このオーケストラには、チェロのパートを以前から教えて
おられる、T.先生という素晴らしい方がおられました。
人格的にも技術的にも。 もちろん現在でも引き続き、
任に当たっておられます。
その先生を独奏者に迎え、チ(ャ)ィコーフスキィの
『ロココの主題による変奏曲』が、演奏会プログラム
の二曲目として計画されていたのです。
そしてこの日の午後は、私は Viola パートにお邪魔して、
この曲に接することになりました。
ちなみに、私はいまだにこの曲を "演奏する側" となった
ことがありません。
この日 Viola パートには、男性一人、女性二人の、極めて
意欲的で、また礼儀正しい方々がおられました。 そして私も、
この一度しか無い機会を何とか有効に生かすため、一緒に
なろうと懸命になった覚えがあります。
ただこの曲の場合、難しいのは "弾くよりも数える" ことです。
特に、ソロとのかけあいが極めて頻繁にあり、一小節ごと、また
一拍ごとに反射神経を総動員しなければなりません。
しかしそれは、ソロがいるからこそ、練習が可能なことです。
アマチュア・オケの場合、全体合奏が毎回あるわけではなし、
ましてや、独奏者が一緒の練習は、ほんの数回に限られます。
このようなパート練習では、まず重点箇所ごとに部分品を
磨き上げ、ある程度慣れた頃を待って、今度は "譜面どおり
に流す" ように、二段構えで行かねばなりません。 その際、
必要ならばソロ・パートをこちらが弾いたり、せめて口ずさむ
ようにしないと、練習の能率は上がりません。
でもこの日の練習は、今を去る 20数年前のこと。 練習
内容の詳細な記憶はありません。
もう一つ残念なことがあります。 それは独奏者のT.先生の
演奏には、練習・本番とも、一度も接する機会が無かったこと
です。
またT.先生に直接お会い出来るまでには、実はこのあとも、
かなりの期間を待たなければならなかったのを覚えています。
ちなみに先生はその後も、サン=サーンスの協奏曲第一番、
ドヴォジャークの協奏曲を、この団体と共演しておられます。
午後の三時間も、あっという間に過ぎました。
夕食後は夜のコマ。 そしてそれを終えると、残念ながらこの
奥志賀を後にしなければなりません。
目の前には、おいしそうな夕食が待ち構えています。 いくつ
になっても、食事前のこの瞬間は幸せなものですね。
するとそのとき、練習計画を統括するインスペクター役クンが、
私の方に近寄ってきました。 よりによって、これからみんなで
一緒に「いただきます」をしようという、直前になって!
なんだろう? 「教え方が悪いから、食べるな」とか…。
まさかそんなことはないでしょうが、なにやら胸騒ぎが。
ちなみに、突然イヌの話になりますが、"お預け" は、かなり
厳しい仕打ちのようです。
ましてや一旦食べ始めた場合は、「止めろ」と命令しても、
なかなか言うことを聞きません。 どんなに忠実なイヌでも、
敵意に近い感情を抱くとか…。 噛み付きそうな剣幕で。
私も "まる" と大して変わらないのでしょうか。
( ⇒ 『星に願いを』)
肝心の音源です。
[Mstislav Rostropovich] (静止画像) (1) (2)
[Rocco Rilippini] (1) (2) (3)
[Soo Bae] (1) (2)
[Sifei Wen] (1) (2) (3)
(続く)