今日は街に下って、熊本の歴史学研究会10月例会に参加することにした。
古文書講座の仲間の紹介で一度出席したことがあるのだが、今回小楠をやるので
参加しないかと招かれた。
熊本博物館学芸員の木山さんという研究者が発表される。
小楠の福井時代の話だとー
小楠とは因縁がある。
小楠は熊本の誇るべき幕末の思想家だが、私は大学の卒業論文にこの人を選び書いた。
論文は今から考えると恥ずかしい出来栄えだったが、やっと及第点をもらって卒業することができた。
そして、就職したところが熊本市内の内坪井というところにある私立高校。
この場所こそ小楠の生まれた場所であった。校内正門を入るとすぐ左手に記念碑が立っていたし、
近くには産湯をつかったという井戸跡があった。
40年近く通ったこの内坪井という場所にはすぐ近くに池田屋事件で斃れた宮部鼎蔵の塾もある。
小楠は熊本では因循姑息な藩当局、敵対する学校党に抑え込まれ、身動きが取れなかったのだが、
福井松平春嶽に重用され、彼の地に招聘されている。
大好きな彼の詩がある。
甥が渡米するにあたって送ったものだ。
「堯舜孔子の道を明らかにし
西洋器械の術を尽くさば
なんぞ富国に止まらん
なんぞ強兵に止まらん
大義を四海に布かんのみ」
彼に思想のすべてが凝縮されていると思う。
どんな話が聞けるか楽しみだ