日記のブログ

個人的な出来事やニュース及び日記を投稿します

中国・四川大地震:発生1週間 壊れた515万戸、うめく1000万人(その1)

2008年05月19日 21時07分53秒 | Weblog
あのときめきで激動の地震から、丸1週間!!!

12日 午後3時28分に起こったに中国南西部の四川省を震源とした大規模地震は、19日で発生から丸1週間を迎える。時間の経過とともに被害の規模は拡大し、犠牲者数も増えるばかりだ。生き残った被災者は、先の見えない避難生活を余儀なくされ、北京五輪を目前に控えた中国政府は対応に追われる。一方、日本をはじめ世界各国からは支援が寄せられている。未曽有の大災害となった四川大地震をまとめた。

 ◇少ない鉄筋、もろく--震度5弱でも耐えられず
 四川大地震の損壊建物・家屋は515万戸以上。大勢の子どもが下敷きとなった小中学校など、3・4階建ての建物が崩れた事例が目立つ。都江堰(とこうえん)の聚源中学校3年1組では、60人のうち、授業を休んでいた李力君(16)ら4人以外で助かったのは9人だけ。授業に出ていて助かった生徒は机の下に潜り、がれきの間で難を逃れたという。

 都江堰で倒壊した建物は、日本の建物と比べて鉄筋が少ないように見えた。全壊したアパートの4階に住んでいた中年の女性は、外に飛び出し難を逃れたが、「建物がしっかりしていないから、こんなことになるのよ」とまくし立てた。

 中国で建設現場を視察した経験のある東京工業大の和田章教授(耐震工学)は現場の写真や映像から、「れんがを積み重ねて壁を作っているが、壁の中に鉄筋がほとんどないため耐震性が低い。柱は約20センチ四方で日本の3分の1ぐらいと非常に細く、中の鉄筋の量も少ない」と分析する。

 中国の耐震基準は、死者約24万人を出した76年の河北省唐山地震を機に見直され、90年代に整備された。求められる強度は、地域ごとに最大の震度を予測して定めるが、成都(せいと)では日本の基準が東京で求めているレベルの40~50%程度。日本の震度で4~5に耐えられることを求めるにすぎないという。

 和田教授は「倒壊した建物の多くは、耐震基準が未整備な時代に建てられたために強度が不足していた可能性が高い。だが、コンクリートを作る時にセメントの量を減らすことなどが行われた可能性もある」と指摘する。

 一方、一般家屋はどうか。震源地のシ文川(ぶんせん)では、木造住宅やれんがを積み上げただけの建物は、すべて原形をとどめないほど崩壊。他の地区でも被害は大きく、自宅が崩壊した安県の農民は「外にいたから助かった」と声を震わせた。

 名古屋工業大の岡田成幸教授(地震防災学)によると、中国内陸部での家屋は、木の枠組みの中に石やれんがなどを積み重ねて壁を作るタイプが一般的。材料が安いうえに、断熱性が高いからだ。

 しかし、石や煉瓦をモルタルで接着するか、そのまま積み重ねる工法のため、耐震性は低い。過去の研究からは、日本では大きな建物被害が出ることはまずない「震度5弱」でも、全壊率が50%に達すると考えられるという。岡田教授は「木の枠組みは揺れに追随して動くが、石やれんがの部分は動きについていけずに崩れてしまう。壁全体が崩れるので人間が生存できる空間が少なく、犠牲者を多く出す」と指摘する。

 ◇世界最大級の規模--2断層、300キロにわたり破壊
 内陸で起きる活断層型の地震としては世界最大級といえる中国・四川大地震。日本と中国の専門家による解析結果から、地震のメカニズムの全容が明らかになってきた。ヒマラヤ山脈を形成し続ける地球のプレート(岩板)運動が引き金となり、阪神大震災(95年)の約30倍ものエネルギーを持つ地震を起こした。300キロにわたり断層面が動き、揺れは大陸東端の北京、上海まで及んだ。

 地球上の地震はプレート運動によって起こる。四川大地震は、日本で起きる典型的な大地震の海溝型地震とは異なるメカニズムだ。

 加藤照之・東京大地震研究所教授(固体地球物理学)によると、インドを乗せたインド・オーストラリアプレートは北進し、中国大陸があるユーラシアプレートと中国西南部の地下で衝突している。

 その影響で、ヒマラヤ山脈は現在も年間数ミリずつ隆起し、この力はユーラシアプレートを東方向に押し続けている。このため、中国大陸内部にはひずみがたまり、部分的にひび割れ(活断層群)を生んでいるという。

 四川大地震を起こした断層はこれらの一つで、北東-南西方向に300キロ以上にわたって延びる「竜門山(ロンメンシャン)断層帯」だ。

 断層は実際にどう動いたのか。

 八木勇治・筑波大准教授(地球変動学)らは地震波を解析。竜門山断層帯の二つの断層が連動し、2分間かけて約300キロにわたり壊れたと推測した。

 最初の破壊はシ文川県南西部の震源から断層帯に沿って北東方向に伝わっていった。シ文川県などが乗った西側の地盤が東側の成都がある地盤に乗り上げたとみられる逆断層型。約50秒間かけて100キロ近く破壊が伝わった。

 その約10秒後に震源から約100キロ北東で2段階目の破壊が始まった。断層を挟んだ東西両方の地盤が水平方向にずれる横ずれ型とみられ、約1分間続いた。

 被害は断層に沿った地域で深刻で、中国・四川省地震局の観測した余震分布とも重なっている。特に乗り上げる側の「上盤」に位置する〓川県、北川(ほくせん)県で被害が大きくなっている。

 一方、日本周辺では、太平洋プレートやフィリピン海プレートが、ユーラシアプレートに潜り込んでいる。ユーラシアプレートの先端部は、潜り込む海のプレートに引きずられてひずみがたまり、限界がくると先端部が元に戻ろうと動き地震が起きる。周期的に発生するのが特徴だ。

 東京大地震研究所の纐纈一起(こうけつかずき)教授(強震動地震学)らは、世界各地で観測された地震計のデータを解析した。その結果、地震の規模をより正確に示すモーメントマグニチュード(Mw)でみると、四川大地震は7・9。Mw6・9の阪神大震災を上回り、地震のエネルギーは約32倍となる。纐纈教授は「内陸で起きる活断層型の地震では世界最大規模だ」と話す。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿