マリヤンカ mariyanka

日常のつれづれ、身の回りの自然や風景写真。音楽や映画や読書日記。手づくり作品の展示など。

戦争とヘイト

2017-12-15 | book
2冊紹介します。
小説ではありませんが、
とても読みやすい本で、
すぐに読めます。

1冊は図書館のティーンズ・コーナーに並んでいました。

『14歳からの 戦争のリアル』 
雨宮処凛・あまみやかりん(1975~ )河出書房新社 2015年 

・イラク戦争のアメリカの帰還兵の話、
・太平洋戦争時トラック島に配属された、当時24歳青年の体験。
・戦地でのボランティア活動の現在。
・戦場出稼ぎ人たちのリアル。
・徴兵拒否で亡命した韓国の青年の話。
・元自衛官の話などの項目があり、
文字も少なく、やさしい文章なので、どんどん読めますが、
内容の重たさに、
ちょっとぐったりしました。
しかし、これからの日本で生きていく若い人たちに、
知っておいてほしいことが、たくさん書かれています。
アメリカの、貧しい若者を、戦争に行くしか道がない状態に追い込む、
経済的徴兵制の話は恐ろしいです。
貧富の差が広がっている情報鎖国の日本も、
このまま進んでいけばきっとそうなるだろう、と思えるからです。


『アンチヘイト・ダイアローグ』
 中沢けい 著    人文書院 2015年

こちらは作家「中沢けい」がヘイトについて
8人の様々な分野の人と語り合う、対談集です。
ダイアローグ、というのは対談、対話というような意味だそうです。

右翼の派手なトラックが日の丸を立てて軍歌を鳴らしながら走り回るのは見慣れていたものの、
安倍政権が誕生し、
街に現れた、ヘイトデモには驚きました。
市民社会の常識ではありえない言葉で、
特定の人たちを差別し侮辱する様子は、
安倍政権の中で生まれ育った「悪魔」が遂に姿を現した、
という感じがしてぞっとしました。

この本では、
ヘイトの歴史、世界の事情、右翼について、
モラル、学者の立場、民主主義について、市民運動とのかかわり、
報道について、ツイッターなどのネットについて、言葉について、
親鸞の思想について、などなど
思いつくまま、語り合います。
この本もすいすい読めます。

おぞましい言葉を吐くヘイトデモは、
カウンターデモや、裁判などで、
脅迫や、醜い中傷の渦の中でも、頑張って闘い続けた人たちの努力によって少し減りましたが、
マスコミの一方的な報道や、
ネットで差別心を煽られた人たちが、
事実や歴史を知ろうともせず、
罪悪感もなく、
軽い気持ちで抱く差別心を、
次第に膨らませているのではないかと感じます。

誰かが苦しんでいたら心配し、寄添う気持ち、
共感する心は、
最も大切な人間的な部分ではないかと思うのですが、
そして、それは本能ではないかと思うのですが、
違うのでしょうか?













コメント (2)
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