晴、14度、92%
今年は柿の当たり年でしょうか。あちこちから柿をいただきます。大きさも柿の種類も違うのでしょうが、どれも甘みが強く美味しい柿です。いただくとすぐに丸のままかじって食べます。皮の下が一番美味しいので皮をむくのは勿体無い。
柿を並べて、さあ何を作ろうか?手始めに、「ぬか床」に入れました。色が薄くやや硬めの柿を6等分にして「ぬか床」に一晩、置きました。もちろん皮はつけたままです。まだ芯にやや硬さが残るあたりで引き出しました。果物を「ぬか」に漬けると「甘み」の質が変わるように思います。塩気をもらって甘さはより強くなり、生柿の時より複雑な味になりました。いろんなものを「ぬか床」に入れます。その度に「ぬか」の偉大な力を感じます。
冬になるとよく登場する「手羽先のスープ」、コトコトと土鍋で残り物の野菜と火にかけます。にんにく、生姜もたっぷり、手羽先も野菜のとろとろになる程火を入れます。手羽先を火にかけた途端、柿が目に入りました。香味野菜は少なくして、野菜なしで柿を煮ることにしました。「柿のスープ」は初めてです。煮溶けるのは嫌なので、火から下ろし際のお鍋に柿を入れました。 蓋を取ると、柿の香りがします。火を荒げずに手羽先からとったスープは癖がなく滋味あふれています。味付けはお塩をほんのひとつまみ。柿は溶ける一歩手前です。熱を持った柿は甘みをスープに出し切っています。ぼやけた味のスープに「お酢」をひと垂らししました。途端に柿も手羽先も味の輪郭がはっきりとしました。ふーふーと身体の中はポカポカです。
空家の庭に取り残された柿の木が一本、見上げては実が少なくなってるのに気づきます。カラスのご馳走です。たくさんの柿を前にして、次々に作って食べたいものが浮かびます。「柿」の季節です。