晴、11度、80%
「蜂蜜」は薄い金色の食べ物と思っていたのですが、それを覆したのはずいぶん昔のことでした。「黒い蜂蜜」を見つけました。ラベルには「松の蜂蜜」と書かれています。興味が先に走り買いました。蓋を取ると強烈な匂い、松脂に近い匂いです。味は苦み走っていて飲み込むのにしかめっ面をしていたと思います。小瓶のくせにお高いものでしたから我慢して食べあげました。フランスの蜂蜜でした。以来黒い蜂蜜には手を出しませんでした。
主人が香港から送ってくれる蜂蜜の中に黒い蜂蜜がなん瓶か入っていました。黒い蜂蜜は敬遠していますが、食べないのも勿体ないのでひと瓶開けました。イタリアの「草原の蜂蜜」です。「松の蜂蜜」ほど強烈な匂いや渋みではありません。乾燥が強くなる時期には紅茶と一緒に口にします。「草原」「山」「森」の蜂蜜と書かれたものはミックスした花の蜂蜜です。同じイタリアの蜂蜜でも「野の花」と書かれたものは黒くありません。
ストックを見ると黒い蜂蜜があとふた瓶あります。 スペインの蜂蜜です。「タイム」の蜂蜜も黒い、お隣ポルトガルの「タイムの蜂蜜」は普通の色でした。「タイム」の種類の違いでしょうか。
「黒い蜂蜜」はおしなべて味が濃く匂いもあり渋みがあるのが特徴です。40年前の「松の蜂蜜」ほど強烈なものには出会いません。「黒い蜂蜜」は万人向けではないですね。「黒い蜂蜜」を舐めながら「黒砂糖」と「白砂糖」の違いに思い当たりました。癖がある「黒」です。
日本の蜂蜜売り場には優しい金色の蜂蜜が並んでいます。「黒い蜂蜜」の奥深い匂いや渋みを味わっているとヨーロッパの草木を感じます。土の匂いまで感じます。どうも「黒い蜂蜜」に魅了されたようです。