晴、10度、82%
寒くなり始めると朝ごはんに一品足したくなるものの一つが「巣こもりのココット」です。「巣こもりのココット」は勝手に付けた名前です。卵が巣の中にいるように見えるので、まだ小さかった息子に「巣こもりのココット」と言ったのがはじまりです。でも我が家で「ココット」と言えばこの簡単料理です。
「ココット」は小さな円形の器を指す言葉だそうです。鉄製の大きな鍋でも丸く深さがあれば「ココット」と呼ばれることがあります。卵一つの料理からムール貝を蒸し焼きにして出される大盛りの料理まで「ココット」は活躍します。
「ココット」の器に冷蔵庫にある野菜を切って入れ、卵を割り落としてオーブントースターで焼くだけでできる「巣こもりのココット」です。周りの野菜が鳥の巣、その中にポットンと卵。オーブントースターの天板に少しお湯を入れておくと、柔らかな「巣こもりのココット」が出来ます。
キャベツを使ったのので、色目がはっきりしません。ホウレンソウだと色鮮やかに出来上がります。この時の卵は硬めよりトロリと流れるくらいが美味しいかと思います。表面の白身がうっすらと膜を張ったようになると食べ頃です。スプーンを入れると、 ふわっと黄身の匂いが立ち上がります。「ココット」に塗ったバター、最後にほんの少し回し入れた生クリーム、出来上がりに塩胡椒、ソース、お醤油、なんでもお好みで味をつけてください。ぐしょぐしょにかき混ぜて食べると、程よく卵の黄身の甘さを感じます。
半熟の目玉焼きと似ていますが、火の入れ方が直火ではありません。「蒸し焼き」にした卵は半熟のゆで卵とも違います。この「巣こもりのココット」は蒸し焼き卵料理です。卵はどんな料理も好きですが、「蒸し焼き」にした卵は一番優しい味や香りを持っているように思います。それだからでしょう、寒い朝に欲しくなる「巣こもりのココット」です。半熟ならオーブントースターで10分、お茶を入れたりパンを切ったり、待つ時間も楽しみな「巣こもりのココット」です。