酷い暑さが到来してからというもの、
カズコの寝起きが非常に悪い。
おはようございます。
毎朝毎朝、実家へ着くなり、カズコは
「わしは、もう出ていくでな。こんなとこにはおれんわ。
お前みたいな頭のおかしいもんとおったら、えらい目こくわ。」
と、ベッドに腕枕で横になった状態で宣言する。
重大宣言のわりに、ポーズが余裕綽々だ。
だったら、まず起きろ！
そう言ってやりたいが、私はカズコをスルーっと受け流し、
そそくさとカズコの朝食の準備をする。
「冷たい麺とあったかい麺、どっち食べる？
とりあえず食べよう？出て行く前に、まず腹ごしらえせんと。」
カズコは、どんなにごねていても、麺なら食べる。
そして、「美味しいね、美味しいよね？」と言って、
無理やりにでも、「これ、いっちゃん美味い」と言わせる頃には、
カズコはすっかり宣言を忘れて笑顔になる。
カズコの朝の不機嫌は、空腹とそれに伴う低血糖に暑さが加わって、
脳がバグっている状態なのだろう。
私は、そう理解している。
しているが、この暑さに、私も時々イラっとしてしまう。
昨日は、苛立ちが抑えきれなかった。
「お前なんて捨てたるでな。」
そのカズコの言葉に、鬼太郎の妖怪アンテナみたいに、
私のアンテナが激しく揺れた。
「貴女は昔から、そうやって私を虐めて脅して育ててきたんだよ。」
そう言うと、カズコは
「そりゃお前が、悪いことしたからやろうが。」
と言って、私から目を逸らした。
ああ、覚えてるな。
まだ、昔への後ろめたさをカズコは覚えている。
そう感じた私は、ついキレてしまった。
「私は悪い事なんてしてない。
ただ意地汚く貴女の腹にしがみついてだっけ？
そうやって無理やり生まれてきたのが、悪かったって言うの？
いつも、そう言ってたもんね。
だったら殺せばよかったの。中途半端なことせずに、
どうして殺さなかったの？要らなかったんでしょう？
なら、殺してよ。ほら、今やりなさい！」
そう凄むと、カズコが震えた。
「もういや！わしが死んだらええんやろ？こんなとこ嫌や。」
まるで、駄々っ子みたいになった。
それを見て、私は我に返った。
まともな喧嘩は、さすがにもう難しくなっているボケ具合だ。
「よっしゃ、忘れようね。大丈夫、もう少ししたら忘れられるよ。」
カズコは、このやり取りなんてすぐに忘れる。
３分あれば充分だ。
実際、味噌煮込むうどんが出来上がった頃には、
カズコと私は、
「あっつ！あっつ！」と笑い合ってうどんを食べていた。
昔のことも、きっといつか忘れる。
カズコが全部忘れたら、私もすっかり忘れられる気がする。
ああ、認知症バンザイ。
そんな昨日も、あの子のことは忘れない。
「マアコ、ご飯だよ。マアコ」
貴女は美しいわね。
私の現実は、実に醜い。
目も当てられない醜い自分が、ぶっ倒される美しさよ！
なんか頑張れる気がする～ありがと、マアコ。
親が子どもに絶対に言ってはいけない言葉を聞きながら育ったおかっぱちゃんは、それを聞かずに育った他の誰よりも、美しくものを美しいと言い、可愛いものを際限無く愛おしみ、弱いものにとことん胸を痛める人であることに、尊いものを見た時のような感動を覚えます✨
かずこさんが、全部綺麗さっぱり忘れた時、おかっぱちゃんも全てを忘れると！？ それは許すと言う事？
私もそうありたい！
忘れたい、許したい！
私が尊敬してやまないおかっぱちゃんは、やっぱり私の心の師匠です。
「ご飯だよ」って、マアコちゃんを呼ぶおかっぱちゃんが醜いなんて誰も思わないよ。誰にも言わせないよ！
おかっぱちゃん、生まれてきてくれて有り難う✨
そしてブログの世界で私を見つけてくれて有り難う✨
愛し方も知らないで親になってしまう人って
いるんですよね。
うちもそうでしたが、介護をしなければ
ならない状況下になっていたら、私はきっと
虐待していたかも知れません。
いつもおかっぱさんは凄いな、と自分の
小ささに恥ずかしくなる思いです。
言っちゃっていいんですよ。今は対等な
立場ですもの。帰る所がありますもん。
不安に怯えていた子供の頃とは違うのですから。
それでハフハフと味噌煮込みうどんを食べつつ、
笑い合えるなら、誰も責める資格なんてないし、
醜いなんて言えませんよ。
母の闘病と愛猫の闘病が重なっていたんですが、
いつも猫ってなんて病気に対して
無垢なんだろうって思っていました。
比べていましたよ、人間の生に対する醜い執着と、
どんな自分をも受け入れて、ピュアに生きている猫を。
私も猫のような最期を迎えたいです。
どこか私も欠けているのでしょうね。
まあこちゃん、美しいですね。
「信じちゃいないわよ、まだ」という
ギンッとした目が良いですね。
閉じ込めておくのが良い訳じゃない！
そうやって、勢いで思いの丈を
ぶつけるのって、己の浄化になるのよぉ！
だけどいつか茨木のり子さんの詩の記事を
書いた時、おかっぱさんのことが重なって
ボロボロ涙が出たあの時の気持ち。
人の何倍もしんどい思いをしたからこそ
今の貴女がいるのだと思ったら
手にした宝は、物凄いものだとやっぱり思う。
みんながみんな、そんな風になれる訳じゃない。
おかっぱさんだから、今のおかっぱさんに
なれたんだよ。
あたしゃ足元どころか、近くに寄るのも
畏れ多くて、どうしていいかわからなくなる。
でも絶対に目が離せないから、遠くからでも
ずっと見つめていたいと思う。
マアコちゃんのこと、この間のコメントで
まあこちゃんって書いてごめんね。
マアコちゃんもおかっぱさんも
美しさは、競い合うくらいに美しいよ
あったかくて力強い応援、心に響きます。
かあちゃん、私こそありがとうございます。
私は幼い頃から、心の中の醜いもんを見つけちゃったんだよね。
きっと、醜い言葉を掛けられていたからだと思うんです。
だから、美しいもんに眩しさと憧れが強くなったんでしょうね。
現実は、そんなに美しくないって諦めながら。
でもさ、大人になってちゃんと見てみたら、
この世は美しい現実がいーっぱいあるね。
うわ～って希望を見いだせた気がします。
マアコみたいな野良猫の現実も、
それはそれはむごい事が多いでしょうが、
本当に美しいなって思います。かくありたい！（笑）
かあちゃんも、いろんな思いの中育ってこられたんですもんね。
ほんと、忘れたい。忘れたいです。
というか、心の底から、「まっいっか」って思いたいね（笑）。
私も、脳内では虐待してるんです、もうすでに（笑）。
そして、子供を生涯持たないと決めたのも、
自分が親になったら、ちゃんと子を愛してやれないと
ある意味、確信出来ちゃったからなんです。
カズコを見ているのは、なんというか自分のためなんですよね。
なにかを得たい。それが何か分からんけど、
もしかすると、この先、カズコに酷い目を合わせることが、
その何かになってしまうかもしれないなって、
自分の危うさを感じながら過ごしています。
本当に、猫は美しいですね。
私もまさに今も、あの潔く美しい姿と自分を照らし合わせて、
心を取り戻している気がします。
マアコを助けたいというより、
マアコと関わっていたい、見ていたい、
まるで神に縋るようにストーカーしております（笑）。
いえいえ、ひいなさんは欠けているのではなく、
ひいなさんにしかない感性の発露です。
私には、それも美しいと感じます。
そうそう、あの目、いいですよね。
すごく小さくて痩せた猫のくせに、
すんばらしく頼もしさを感じてしまう（笑）。
あの記事、拝読して涙がぼとぼと落ちました。
ままん、ありがとうございます。
言っても仕方ないことを、しかももう、
ほとんど分からなくなっている老婆に毒を吐いてしまった。
まったく大人げないことしちゃうよね～。
でも私は、真剣に向き合うって中で、
こんな見苦しい自分を何度も見て何度も見て、
そうやって自分との向き合い方を探っているのかもしれませんよね。
そして、一番大事なことは、そんな自分から目を逸らして
諦めるということをしちゃダメだってことな気がします。
でもきっと、慣れはしないね。
ずっと、新発見ばっかりで余裕綽々にはなれんでしょうね。
でも私、諦めず行きます、ままん！
そして、ままん、遠くでなく、近くで見て～。
いや私の近くに居ると、恥ずかしい事が起こりがちだけどもがね（笑）。
隣りの熟女みたいに、「もうやだ～ん」が
口癖になりがちだけどね（笑笑）。
マアコ、いえいえ、全然気にせんでください。
マアコとの関りも、なんかまた難しい問題あるけどさ。
またベソかきながら頑張るでー！