朝、実家へ行き、
冷蔵庫の中の食材を引っ張り出して、
おかずを4品、簡単に作った。
「母さん、食べておいてね~。父さんもね。」
と言い残し、慌てて車を走らせ、
会社の駐車場に放り込むように車を停め、その勢いのまま車を出ると、
水溜りが分厚い氷になっていて、焦った。
おはようございます。
ここでようやく、足が止まった。
遅刻しそうになっているのに、これを撮るという、
謎の落ち着きぶりだ。
ついに、12月も下旬に突入した。
気ばかりが急いているが、日常は何ら変わらない。
いつも通り、急いた暮らしをしている。
ここでも書いたが、母の新たなデイサービスセンターは、どうもダメっぽい。
煙草も自由に吸える場所、かずこさんにとっては望ましいはずだが、
月曜日、昼食の時間までさえ居られずに、ぶち切れた。
急いで迎えに行くと、
「楽しそうに体操されていたんですが、突然怒り出しちゃって」
と、スタッフさんも困惑していた。
この日はたまたま、
ケアマネージャーさんも母の様子を見に来てくれていて、
皮肉にも、落ち着いて話せる機会を得たと思い、
私はついに、相談した。
「来年あたり、母を施設にお願いした方がいいのか、
相談しようと考えていたんです。
今の母と父は、全然幸せに見えなくて・・・。」
幸せに見えなくて・・・その後の言葉が続かない。
私は思わず、俯いてしまった。
かずこさん担当のケアマネージャーは、サバサバした性格で、
でもしかし、何事にも粘り強く考え、動くとなると爆発的に動いてくれる。
そして、言葉は常に率直だ。
「うん、でもね。
今のかずこさんを、受け入れてくれる施設は、多分ないと思うの~。」
ケアマネージャーは、さくっとそう言った。
私は、その言葉にハッと気づき、顔を上げた。
その時の私の顔が、さぞや素っ頓狂だったのだろう。
ケアマネージャーは肩をすくめてニコッと笑った。
私は、そのおかげですっかり、気が付いたのだ。
「そうだそうだ。うちの母さんには無理だわね。
そりゃ、そうですよね。
入院した時なんて、もう羽交い絞めにして
かずこ、落ち着けーって叫んだぐらいだも~ん。」
羽交い絞めにした時の動作を交えて話しながら、
ケアマネージャーとデイサービスのスタッフと私は、大笑いした。
かずこさん以外、大笑いだ。
そこで私は、もう一つ、更に気が付いた。
あぁ、選択肢がないって、気楽だな~と。
一択って、悩まなくていいじゃんね。
最近の私は、ついうっかり、焦るがあまり、
かずこさんの行く末を何通りも考えてしまっていた。
もう焦り過ぎて、高級有料老人ホームの費用までも調べちゃって、
その金額に愕然としちゃっていたのだ。
無駄に焦っていただけだった。
かずこさんは、相変わらずだ。
ボケっぷりに拍車はかかっているが、相変わらず、
朝ご飯を作ってやると、「美味い美味い」と実にいい笑顔をする。
恐ろしい妄想にも相変わらず苦しめられながらも、戦っている。
そして、負けちゃいない。
威勢よくぶち切れている訳だ。
よし、私も負けらんないぞ!
皮肉なことかもしれないが、私は一択に救われた。
※悩まれている方へ補足
暴れる恐れのある高齢者の場合、
介護施設での受け入れは難しいのが現状である。
それでも、自宅での介護も難しくなった時は、
精神科を受診→入院治療を受けられる場合がある。
おい、おたま~。
お前も、はっきりしてるもんな。
あや命がブレない。
加えて最近、おじさんラブもぶれんよな?!
おい、おたまってば!
おたま「なーに?」
そういう態度かよ!