うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

手を繋ぐ、夢

2018年08月18日 | 真面目な日記

私は、夜中に夢を見た。

母さんと出かけたデパートで、

私は、母さんの手を引いてトイレへ連れて行き、

入口で待っているからと伝え、つないでいた手を放した。

しかし、母さんは一向に出てこない。

トイレへ入って探しても、母さんの姿はなく、

辺りを見回すと、出入り口が一つではない事に気づき、

私は、「しまった」と呟いた後、闇雲に走り出した。

長い時間、母さんを探し続ける夢を見た。

 

おはようございます。

目が覚めると、時刻は午前2時だった。

私は嫌な予感がして、そのまま外へ出て、近くの川へと向かって行った。

真っ暗な川沿いは、私以外、誰も居らず、

私は、しばらく、月の明かりに照らされてテラテラ光る川を眺めていた。

 

実は、この夢を見る数日前、実家の母が、

夜中に突然、川の方へふらふら歩いて行ったと父に聞かされ衝撃を受けた。

だから、夢が夢ではない錯覚に陥り、川を見に行ったという訳だ。

実際、徘徊を試みた、あの日は、父が早々に気づき、連れ戻したが、

父に、行く手を阻まれた母は、次の日も烈火のごとく怒っていて、

私は、それをなだめるために実家へ向かった。

 

母はベランダの椅子に座っていて、

私も裸足のままベランダに出て、しばらく川の方を見ていた。

こっちが黙っていては埒が明かないから、

よしっと意を決して、しかし軽い口調で、話しかけてみた。

「母さんは、昨日、どうして川に行ったんや?」

すると母は「川が見たくて行っただけだ」と不貞腐れたように言った。

私は、「だったら、そういう時は、私も誘ってよ」と笑った。

母は、「わしには深い苦しみがあって、もう嫌になって出て行ったんや」と続け、

私は、「どんな苦しみがあるの?」と母の背中をさすった。

 

聞いてみれば、

母は、あれやこれやと昔の事をあげつらね、恨み節ばかりだった。

人の悪口を言ってる母さんは、実に母さんらしい。

どんどん調子が上がってくる母に、私は思わず、

「おぉ。いいぞ。のってきたな。それでこそ、母さんだ」と

茶化してみると、母は、ようやく笑顔になった。

笑顔で悪口を続ける母さんは、実におどろおどろしい。

そして、やはり、母さんらしい。

 

さすり続ける母の背中は、はじめは怒りに震えていたが、

笑顔になった頃、震えはすっかり消えていた。

しかし、さする私の手は、実は、ずっと震えていた。

震える手をごまかすように、ずっとさすり続けて、

そろそろ摩擦で出火するんじゃねーか?

そうなったら、それはそれで面白いと思い、

意地でもさすり続けながら、母との会話を続けた。

「手を繋いで歩いとる夫婦や親子が羨ましい」

そう呟く母の視線の先には、

川沿いに仲良く並ぶ2人連れの姿があった。

 

本当は、悪口が言いたいんじゃない。

母さんは、愛を乞うているんだ。

6人兄妹の真ん中っ子、生まれた頃は戦中だった。

大人に愛を乞う余裕もないまま大人になり母となった。

大人の振りして意地を張って生きてきたが、

しかし、本当は、母さんは幼い頃からずっと愛を乞うていたんだ。

そこから一歩も進めないまま、

自分の事も分からなくなっていく事は、さぞや苦しいだろう。

 

だからといって、私は母さんを好きになれない。

今さら尊敬もできなければ、感謝もできない。

私も母のように、闇雲に欲しがるばかり来てしまったからだ。

ただ、この人の心を和らげてやれないだろうか。

そう考えあぐねている今、

私は、愛は乞うものではなく、

自分の胸の中に生まれるものなのだと、気付かされた。

だから私は、素直に口に出してみたのだ。

「母さん、私が手を繋ぐから、心配せんでいい」と。

そう言ってみると、私の手の震えは一瞬にして消えた。

 

うんこ「婆ちゃんは、なんて答えたの?」

それじゃ、お前が転んだ時とばっちりを食うから、かなわんわって言ってたよ。

 

うんこ「うふふふ、たしかに!」

手を繋ぐって、きっと、いいもんだぞ。

私も、母さんと手を繋いでみたくなったんだ。

 

うんこ「こんな感じに?」

爪、刺さってる・・・。