いただいた梅の枝に梅の花が咲き始めた。
白い中にほのかに赤、緑、黄色 が含まれて
遠くから見た時可憐な感じがするのだろう。
花の横に地味で目立たない薄曇り。三秒ほど
眺めているとスーッと気が静まり、梅が余計に
綺麗に見えてくる。
「Qure!」
「Quar」
翌日、ユウヤは、テト吉から教わったとおり、何度か練習してみた。
左右に分けた世界のどちらが楽なのか、ハッキリ分からないときもある。
でも、一休みしたあととか、食べて幸せになった後だったらはっきり分かるみたいだ。夕方までには、何となくコツを得たような気がして、続けてみた。
「ユウヤ、練習してきたみたいだね。 ほひ!」
「最初はなんのことか分からなかったけど、一日練習したら。
ちょっと楽な感じがするよ。それから、一つ質問。僕はいつも静かな方で、
乱暴でもないのにどうしてコウフンしているって言われるのかが
わからないんだけど。」
「ユウヤは、テストが恐かったり、将来が不安だったり、バカにされる
のが恐かったりしてない?」
「僕はそういう性格だから。そういうのがなくなったら僕じゃない
ぐらい当たり前だよ。」
「全部起こるかどうかわからない事で先に気分悪くなってるでしょ。
それは全部能で勝手に考えたことだよね。猫ならそんなこと考えないから。」
「ああ、テト吉みたいに猫なら考えないだろうな。いつも気楽そうでいいね」