先週、実家からお手伝いに来て欲しいと電話があったので、先日行ってきました。
摘蕾(てきらい)と言って、まだ咲く前の不要な蕾を摘み取ります。
母の説明と、兄の説明が違っていて頭の中に?マークがいっぱいになりながら1時間半ほど作業。
休憩の後に今度は人工交配です。
果樹の花は品種によって微妙に咲く時期が違いまして。
それに丘陵地の果樹園なので、丘の上と丘の下、日当たりのいい南斜面と北斜面との違いなどで同じ品種でも少し咲き進み方が違います。
ソメイヨシノが開花して約一週間後にこの作業が始まります。
この時期は天候が安定しません。
花に水滴が付いていると、人工交配はできませんし、人工交配の直後には防除が一番重要な作業で、防除後4時間以内に降雨があると全部やり直しです。
降雨後の気温上昇は開花を一気に進ませるし、人工交配は1か所につき、最低5回はやります。タイミングさえ合えば8回くらいやりたいところです。
だから、この時期は天気予報がとても重要情報です。
キレイでしょう?
1か所から8~10くらいの花がつきますが、ここから1個に選別して実がなります。
真ん中が赤紫色をしている部分が雄しべ。
雌しべはその中心にあります。
桜と同じで、1か所の花の塊がいっぺんに開花することはありません。
1週間くらいかけて次第に咲いていきます。
雄しべが赤紫色はまだ交配を終えていない花。
雄しべが黒っぽくて小さくなっている花は、交配済みで、その役割が終わっています。
私の実家の場合、交配には電動刷毛を使っています。
小さな充電器でコンプレッサーを稼動して、小さな羽根はたき(刷毛)の先に花粉と増量材を混ぜた粉末を送り出します。
今年から導入した軽量タイプを使わせてもらいましたが、本当にこれで交配できるの?と思うほどの使い勝手でした。
次回も楽しく手伝いたいです。
☆おまけ☆
実家でタケノコをいただいてきました。
実家の竹やぶはとても小さくて、それでもこの時期は毎日10~15キロ収穫できます。
これは農産物の自動販売機で販売用に梱包したモノ。
その余りをいただきました。
私の実家では、タケノコを戦前から昭和40年代までは、東京の神田にあった青果市場に出荷していたそうです。
私が物心つく頃には竹やぶを縮小して自家消費と無人販売へ移行しました。
ご近所の農家の中には行列ができる大規模タケノコ直売所もあります。
当地のタケノコのルーツは、薩摩藩の下屋敷にあると言われています。
そのお屋敷に出入りしていた武蔵国都筑郡勝田村(現在の横浜市都筑区勝田町)の農家から、橘樹郡土橋村(現在の川崎市宮前区土橋)の農家へお嫁に行った方が周辺に広めた孟宗竹なのだそうです。
この説は明治生まれの私の曾祖父から直接聞いたので、そう間違った説ではないと思っています。でもそれ以外の説を非農家の方が広めているので、あと30年もすれば真実が不明になると思っています。