この日は兄の通院の都合で、朝5時半から午後3時半までの勤務。
直売所を始め農作業は、実家のお手伝いとして当たり前にやっていますから、苦にはなりません。
ですが…。
あ、やっぱりな、ムリなんだ…という失望を実感した日でもありました。
義姉が「あと数年したら閉園なんだし」とのこと。
まだ閉園は決まったことではないのですが、義姉は一刻も早く農業から撤退し、農地を売却したいのでしょう。
私にはなんの権利もないので、目の前にある農作業を粛々とこなしていくしかありません。
ただ近い将来、果樹園などの土地、祖母と母の住まい、ご先祖様のお墓が失われることも想定されます。
私の財産に関することではないので、何があっても傍観するしかありません。
ですが親戚中から私が責められるンだろうな…。
こんな思いを抱えながらも、この日もと開店前からお客様が10人ほどお並びになっていました。
台風時の対応、その日の販売品のご案内、今後の収穫の予定などを開店前にお話させていただいています。
去年の途中から私が皆さまにご案内し始めた頃は、毎回緊張しました。
人前で話すのはそれほど得意ではないからです。
でも今は全然平気。
慣れとは恐ろしいなぁ、と思うくらいです。
少しでも殺気立った雰囲気を和らげたいと同時に、行列を見るだけで吐き気がしてくるという兄のストレスをすこしでも緩和できれば…と考えて始めたことです。
いまでは、お並びの常連の皆さまには顔も覚えていただきました。
私がいろいろとウッカリしていても、皆さまが助け舟を出してくださるので、ホントに嬉しいです。
農家の小規模直売所なんて、ホントにご近所さまと常連の皆さまに支えられています。
だからこそ、私みたいなウッカリがある人間でも、元気で明るくハキハキしていれば、皆さまが助けてくださる…感謝以外ありません。
でも…。
これもあと数年です。
なぜなら、義姉に農業を続ける気がまったくないからです。
労働力不足というよりも、一刻も早く農地を現金化したい人物がいれば、そうはいかなくなるのです。
非常に残念な気持ちになるものの、都市部の農地をなんて、時代の徒花です。
次世代に農地を残そうと必死にならないと、残せないモノなのです。
今、体調を崩している父にはこのことは言えません。
お婿さんに来てくれた父が、実家の農園を盛り立てて、立派な果樹園にしてくれたけれど、どうやらあと数年で農地はなくなりそうです。
兄が元気ならいつまでも私が支えられる限りは支えるのに。
それは私の考えであって、他人と共有はできません。
ちなみに私は、本人以外は全員他人という考え方を持っています。
だから両親や兄は「元家族だけれど、今は親戚」とか、「私自身ではないから他人」という考え方です。
同居する夫のMIFさんについても「同居家族だけれど他人」。
この割り切り方をしないと、私にはどこまでもズケズケと図々しい態度を取ってしまうからです。
私がいかに実家の農園を頑張って手伝っても、ただの自己満足。
そう割り切ろう、と思っていてもなかなか私の気持ちが整理できていないことに、今更気が付きました。
私、諦めが悪いなぁ。
次回も楽しくお手伝いしたいです。