「京料理とフレンチ 龍のひげ」にて、誕生日お祝いランチを頂いた。
間口はさほど広くないし、人目を引く構えでもないが。。。
一つ目のドアが開き、次のドアを抜けると、いきなりの吹き抜けに”ゥワッ”っと声がもれた。
上手い空間使いが広がりを生みだしている。
奥へ長い建屋の突き当りの階段を上がり、階下を見下ろす廊下をゆけば、その一番端が予約席だった。
赤・青二羽の小鳥が何とも可愛い。
なぜ、そこに!?
その時、料理と密接な関係があろうとは、これっぽっちも思わなかった。
おしぼり皿と箸置きの一対は、陶芸もたしなまれるシェフ自らの手によるもの。
アイデアに心くすぐられる。
=八寸=ツバメの巣づくり
シェフからのごあいさつ代わりの前菜盛合わせ
小鳥はツバメやったんやぁ!
料理を置くと、折り紙ツバメを開くように言われた。
なんと!!八寸のメニューが現れた。
この一捻りも素晴らしい。
いぶりがっこを忘れていたと、後から別皿で加わった。
紙と器に目を移しながら、カルタ取りみたい。
グッドタイミングで器をひき、八寸のメニューを手に取ったスタッフが鳥の巣に戻したのは。。。
蝶ではないか!!
マジックかと思うほどの早わざにビックリ。
感激し、折り方をその場で教わった。
簡単ですよ~とおっしゃったが、不器用ではスタッフとして採用されないのでは・・・?
=サラダ=春風が儚く染める高瀬川
にしんと筑前煮のサラダ 二層仕立て
筑前煮のゼリー寄せの上ににしんのムース、そのまた上には紅こんにゃくとセルフィーユ。
梅肉ソースと山椒オイルでいただく。
にしんは苦手だが、こんな風に変身すると美味しい。
和食とフレンチ、両方の殻を破り、いいとこ取りをするとこうなるんだねぇ。
=つくり=龍のひげの庭ー枯山水ー
一口サイズが二種。
これだけ?なんだけど。。。
一口で食べるように言われ従うと、数種のトッピングが相まって見事な味バランス。
食べ応えもあり、暫く余韻を楽しむ。
=蒸しもの=葉桜
できたての豆腐にグリンピースのポタージュ 胡麻の薫りをのせて
花びら 百合根(ピクルス)
豆腐とポタージュって相性ばつぐん。
家庭料理にアレンジできそう・・・な気がする。
=焼きもの=水面にうつる春の暁
サワラの味噌柚庵焼 春キャベツのソース
ふんわり美味。
付け合わせに、サワークリーム、クリームチーズ、柚ジャムのガルニチュール。
鮮やか紅芯大根の甘酢漬が口直しに。
これほどまでに大事にされたサワラがあったかなぁ・・・などとつい余計なことまで思ってしまう。
=メイン=月夜に照らされた竹林
青竹を抹茶、土はアーモンドで描かれた作品。
筍がダメな私は、こごみや他の野菜に変えてくださった。
しかし、ここは筍をふんだんに取り入れ、初夏の足音を感じさせる趣向のようだった。
=釜めし=鮭とイクラ
抹茶塩と出汁で、と~ても贅沢なお茶漬け。
=デザート=春のお庭に桜と苺を
桜のシフォンケーキ 苺のようかん ガトーショコラ
ローソクが灯った大プレートのサプライズ。
ありがとう♪
シェフの遊び心満載のコース料理は、それぞれの皿上に物語がある。
知る限りの情景を頭に浮かべながら、あるいは話しながら食し、春の京都をのんびりと散策したような満足感に包まれた。
過ぎし卯月のこと。
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