町作り研究会(容子の部屋-別室)

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「バングラデシュと手をつなぐ会」

2006-12-05 16:10:50 | 地方新聞

 

                変わらぬ貧困、新たな課題も    

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 福岡市の特定非営利活動法人(NPO法人)「バングラデシュと手をつなぐ会」(二ノ坂保喜代表)が、バングラデシュ西部の農村カラムディ村への支援活動を始めて来年で20周年を迎える。

現地の非政府組織(NGO)と連携しながら、教育・医療分野を中心に活動を続けてきた同会は、単なる経済援助だけでなく、村人たちとともに知恵を出し、自立につながる支援の在り方を模索している。

   

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 「『ジャパニ(日本人)、ジャパニ』と子どもたちが寄ってきて、手を引いて『ここが学校だよ』と教えてくれるんです」

 福岡市の大学生、宮崎智子さん(21)は8月中旬、つなぐ会の現地訪問に初めて参加した。

言葉は通じなくても、友達のような親しさ。「先進国の目から途上国を援助するのではなく、彼らと『手をつなぐ』ことが大事なんだと感じました」


(西日本新聞)

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この組織はもう20年のその活動をしているとの事・・・本当にその歴史は長く・・・私が何よりこの組織に柱目したのは、単なる経済援助だけでなく、村人たちとともに知恵を出し、自立につながる支援の在り方を模索した点です。                                

現在この会と現地 NGOの橋渡し役を務めるカラムディ村出身の大学非常勤講師ラフマン・モクレスールさん(51)=福岡市=は、今回の訪問で村人たちの意識の変化を感じたといいます・・・「組織の在り方やお金のことについて、自分たちで意見を出し合い、真剣に議論している」そうです。

 つなぐ会が支援を始め頃は、村人はただ日本側の指示を受けて動くだけで、問題が起きても責任を押しつけ合っていましたが・・・

同会などの援助で建てられた学校や保健施設を利用するうちに、教育や衛生への関心も高まり、いまは各施設は現地NGOの主導で運営されているとの事です。

この組織の特徴は 自立を促す取り組みとして、5年前から始まったのが「子牛貸し出し制度」でした。小学生のいる家庭に子牛1頭を貸し与え、家族で牛を育て、牛乳を飲んだり売ったりすることで栄養と学費を賄い、・・・成育し子牛が生まれたら1頭目をNGOに返し、次の家庭に貸し出す仕組みとの事です。現在では70の家庭で実施されているそうです・・・

     

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しかし、 長年の活動の手応えを実感するラフマンさんですが、新たな課題も見えてきたといいます・・・それは バングラデシュでは経済成長とともに物価上昇や生活格差が深刻化しているようで・・・

つなぐ会の活動の出発点だった「最低限の学校教育」は実現できても、村に現金収入を得られる仕事は少なく、貧困家庭の生活実態はあまり変わってない点がいま最大の悩みだろうと思います。

この国では、 健康保険などの社会保障制度が確立しておらず、「能力ある村の若者に奨学金を出して高等教育を受けさせ、国の現状を変えていくリーダーを育てることも必要なのでは」と、ラフマンさんは考えるそうです。

これからこの貧困層の生活底上げと、国の将来を見据えた人材育成のバランスをどうとっていくのかという課題に、「手をつなぐ会」の活動も転機を迎えているとこの組織関係者は行っております。