いま,地方では様々な地域の活性化が行われております。このニュースもその一つだと思いますが、岩手県・ 八幡平市は、この辺での特産品であるリンドウの生産拡大を図ろうとして、この雪を活用する事に着目して・・・温度を一定に保つ新たな培養施設を4月から稼働するそうです。
このような雪を活用する施設の維持管理は、低コストで済むうえ環境にも優しく、リンドウの大敵であるウイルス感染についても万全の対策を施しているとの事です。そのため、苗の生産能力は飛躍的な向上したそうで、関係者は産地形成の拠点として大きな期待が寄せているとの事です。
このような培養施設は、昨年夏に着工されたようで、雪氷貯蔵庫、培養研究棟、育苗ハウスの3棟で総床面積は850平方メートル・・そのため八幡平市が1億7800万円をも投資して、安比高原スキー場のふもとにある細野地区に新設したそうです。これには国も建設費の半額を補助したと聞きました。
リンドウは1センチ程度の芽が出るまで一定の温度で培養する必要があり、その後、育苗ハウスで4~5センチまで育てて生産者に引き渡される。培養室は品種に応じて室温10、15、20度の3部屋が設けられた。このうち10度と15度の部屋で、年間を通じて雪を使った温度管理を行う。
施設周辺に降り積もった雪はまず、700トン保存可能な貯蔵庫に詰め込まれる。その雪解け水をパイプに通し、別のパイプの水を間接的に冷やす。別パイプの水は培養室を循環し、送風機や冷却パネルを通じて室内を一定の温度に保つ仕組みだ。
市はこれまで、リンドウの培養・研究を「市花き研究開発センター」で行っているようです。この新施設を作った事で、苗の培養規模を拡大出来るようになり・・雪を利用した事で、年間180万円ものコスト削減が出来るそうです。また、培養室は雑菌を入れないように、この研究室に入る時は、職員の衣服や手足から空気で雑菌を洗い落とすエアシャワーも設置してあるそうです。
ここで生産されているリンドウは、お盆や葬式などに用いる仏花としても、重宝されていそうで、八幡平市内では年間2726万本(2007年)を生産しており、全国生産量の4分の1との事です。
今後は1万株を生産していたようですが・・・新施設の稼働で2010年には8万株まで増やす計画との事でした。同センターの日影孝志所長は「リンドウの増産と安定供給で、生産者の拡大と市のイメージアップにつなげたい」と明るく言っております・・・