町作り研究会(容子の部屋-別室)

町作り関連。地方新聞トピックス等

弁天座:芝居小屋が復活

2007-07-09 19:04:24 | 地方新聞

 

 

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うれしいニュースを見つけました。高知県にも芝居小屋「弁天座」が復活したそうです・・・

この芝居小屋は幕末の絵師・金蔵(通称・絵金)のびょうぶ絵を収蔵する「絵金蔵」(香南市赤岡町)の隣に、明治時代にあった芝居小屋だったそうです・・

7日、オープニングセレモニーが開かれ、「絵金を核にしたまちづくりを」との地元住民たちの願いが結実した施設で、町の活性化に向け、絵金蔵との相乗効果が期待できそうとの願いを込めて作られたそうです。

幸いな事に、歌舞伎俳優の坂東三津五郎さんが今回は日本舞踊坂東流の指導のため来県したが、弁天座の完成を聞きつけ駆けつけたそうです・・

そして中をご覧になった三津五郎さんが「今の時代に、これほどの舞台ができるのはうれしい事です・・・赤岡町のみなさんの活躍は、歌舞伎界にとっても喜ばしい」と絶賛したそうです。

 弁天座に入った三津五郎さんは「木のいい香りがする。これが日本の良さですよね」とまず深呼吸氏ながら、舞台、楽屋、地下にある廻(まわ)り舞台の仕組みなども見て回り、「ここなら役者と観客が一体となって楽しめそうですね。地域の方も行政も、よく頑張りましたね」と話されたそうです・・・

この思いがけない来訪に、、同町で活動する土佐絵金歌舞伎伝承会のメンバーらも大喜びで、「歌舞伎界との連携の第一歩になれば」と期待を寄せています。

また、かつては歌舞伎が庶民にとって一番の娯楽だったことを挙げ、「娯楽が多様化した平成の時代に、地方で歌舞伎の舞台が作られたのは本当にすごいこと。歌舞伎界にとっても、大きな意味がある」と言ってました。

 「プロにどう見られるか」と不安そうだった弁天座運営委員会と伝承会のメンバーらも、三津五郎さんの言葉にほっとした様子だったそうです。弁天座はプロの俳優による公演が目標の一つでもあり、伝承会で事務局長を務める横矢佐代さんは「これが都会の歌舞伎界とつながるきっかけになれば」と夢を膨らませておりました。

 


ブランド支える「宮崎産」~全国一の松阪牛に学ぶ

2007-07-01 17:24:21 | 地方新聞

 

  

         写真:写真説明

最近は日本人の食生活の変化で、多くの日本人に肉食が好まれるようになり、その中でも、さしの多く入っている牛肉は最も好まれ、各地での生産者は競って美味しい肉の生産に励んでおります。

日本では以前から松阪市で開かれた松阪肉牛共進会で、松阪一を決める年1回の大舞台での、優秀賞1席の「ひめ5」に、破格の競り値が付いた事もうなずけます・・

そのためか・・・ 昨年の同共進会には、ドイツ、韓国のメディアも含むマスコミ18社が取材人が集まり、1席を取った黒毛和牛をに興味が集まったようです。何しろ一頭の値段が 2006万円と言う破格の値段が付いたからです。これも、「松阪ブランド」の看板を支える値段だと思います。  

写真:写真説明
松阪肉牛共進会で飼い主に引かれる牛(昨年11月、松阪市で)
 
しかし、この面でも宮崎県知事のセールスが大きな力を振るい・・・宮崎を代表する種牛「安平(やすひら)」も、相当の評判をとったようです。これら日本の美味しい肉牛は多くは但馬の血を引く牛だそうです。

 
 しかし、その松阪牛も子牛の出生地は様々のようで、同市農林水産課などによると、伝統的な但馬牛は2割程度との事です。

残りは、全国各地から集められ、中でも、群を抜いて多いのが宮崎県産だそうで、総肥育頭数の五、六割を占めるほどだとの事です。

しかも専門家は、同じ松阪牛ならば、兵庫県産の子牛よりも、宮崎県産の子牛から育てた牛の方が、市場の評価は高いのだそうで、「宮崎産は霜降りがきれいに入り、肉質の等級が上がるといってます。

体も大きくなるため、1頭当たり100~120万円もの違いが出るとの事です。 宮崎と松阪で、育て方に大きな違いはないそうで、与える餌は麦など穀類を中心とした配合飼料であり、松阪は、ビールを飲ませ、肉質をやわらかくすることで有名だが「あれは撮影用で、誰も飲ませへん。ビールは高いやろ」という程度のものだとの事です。

 現在では、松阪牛は二極化が進んでいるそうです。

一つは、昔ながらの但馬牛を30か月肥育する伝統的な飼育法。主に高齢者が、少数を肥育しているやり方です。

そしてもう一つが、宮崎を始めとする他産地の生育の早い子牛を、20か月程度で出荷するするのを買っての多頭経営だとの事です。

しかし、三重県松阪食肉公社は、兵庫県産で伝統的な肥育をした牛を「特産松阪牛」として認定し、通常の松阪牛と差別化を図っている。出荷量に占める割合は、全体の6%に過ぎないのだそうです

 
松阪は昔から極めて独特の生産条件を持ち、結果としてほかの割り込めないブランド確立につながった」。南九州大学園芸学部の小島豪教授の分析です。

 伝統と、独特の条件に裏打ちされた強固な金看板がいまも生きていて、それが全体を底上げし、「店頭価格で、ほかの産地より1・5倍は高い」という訴求力になっているのだそうです。 

宮崎県内の牛の大部分は、JA宮崎経済連の子会社「ミヤチク」が一元集荷し、出荷しているそうです。そうした中、同部会では、18年前から独自に名古屋市などへの出荷を続けてて販路の開拓に努めているようです。

 宮崎さんは都城市高崎町の牛舎で、和牛280頭を肥育。大部分を独自のルートで、名古屋、埼玉県などに出荷するするそうです。「18年間、信頼を積み重ねてきた」自負があり、今では、同じ格付けの肉で、キロ単位で約200円高く売れるとの事です。

このようにして積み重ねた信頼は、花開いたのだそうで、 安定した供給量に、高い品質保持を心がけ、「名古屋で言えば、都城牛は一番高く買ってもらえる」までのブランドに育ったと自慢しておりました・・・

 ブランド化に向け、どういう所得水準の人をターゲットにするかを明確に絞り込まなければならない」と指摘する。その上で提案するのが「超高級品より若干安い、軟らかくておいしい肉」、「中産階級向けブランド」だ。

 

写真:写真説明
はざまのグローバル牧場で飼育される牛。
都城市夏尾町にある全国大手の農業生産法人「はざま」(都城市、間和輝社長)の「グローバル牧場」。生産、肥育の一貫経営で、約3500頭を飼育しているとの事です。

 同法人は、血統のいい和牛から受精卵を採り、安い交雑種の子宮に入れて子牛を生ませるなど、コスト削減を進めているとの事です。 

 社長が強調するのは、生産の背景にある「物語」・・・ はざま牧場牛も餌は牧草、穀類のほかに酵母菌、納豆菌などを配合し、消化能力の変わる生後3、4、5、6か月の間、毎月配合を変えるのだそうです。

飼育環境にもこだわり「日本一きれいな牧場を目指す」(同法人牛事業部)。道沿いにツツジ、山桜などを植えているとの事で珍しいです。

 宮崎県は、肉牛の出荷頭数現在全国2位・・・ミヤチクを通したものだけで年間約2万8000頭を全国に送り出すそうです。

でも最近は、ミヤチクでも「地区ごとに、出荷先が絞り込まれて来ている」そうです・・・「JAはまゆう」なら大阪、岐阜が中心で、「JA延岡」なら和歌山方面が主になそうです。「店頭で売るにしても、産地まで表示できた方がいい。売る側が産地の情報まで求め始めている」のですが・・・

 BSE騒動から4年3か月。和牛の需要増、個体識別番号の導入で、松阪を始めとする一流の銘柄牛は、極端な品不足にあるそうです。「ブランドを確立する絶好の機会」(小島教授)が訪れているのが今だと生産者は言ってます。

 「ブランドの確立には、途方もない費用と年月がかかる」と関係者は言います。「物語」「高品質」「安定出荷」・・・条件を備えた上で、消費者、業者との間に信頼を積み重ねるしかないとの事です。

それには「顔の見える関係」が必要で、県内各産地が消費者側とつながり、こだわりをもてる仕組み作りが求められているといえます・・・