暇人に見て欲しいBLOG

別称(蔑称)、「暇人地獄」。たぶん駄文。フリマ始めました。遊戯王投資額はフルタイム給料の4年分(苦笑)。

野良り暗りの戯言日記。 4月19日

2006年04月19日 13時03分44秒 | 日記系
 昼休み。
 前方から、学ラン二人がこちらに向かって歩いていた。
 なにやら言葉を交し合っている。
 もちろん、下方に固定されたぼくの視界には、彼らの顔は映らない。
 映っているのは、上半身の消えた二人の黒服人間だ。
 声が、だんだんと大きくなってくる。そして。
 すれ違いざま。
「――そんなことしたら体が潰れるよ」
 二人のうちの一人が、そう言った。
 もちろん、ぼくに向けられた言葉ではない。
 しかし、いやに耳に残るセリフだった。
 ……つぶれる。
 ぼくは最初、不可視の超重力に体を破壊されていく人間を想像した。
 しかし、それでは非現実的すぎる。
 やっぱり、アレがいいだろう。

 ――飛び降り自殺。

 ちょうど、今読んでいる小説でそういう事故が起きていたのだ。
 高層ビルの屋上から、決死のダイブ。
 落ちているという浮遊感。
 なにかしゃべったとしても、声は空中におきざりにされる。
 風ではない空気の抵抗に、目を開けているのが困難になる。
 時間が引き延ばされる。
 一秒が一分にも感じられる、最期の瞬間だ。
 そして――

 ――――――

 どういう音がしたのか。
 地面と衝突したときの音は、どんなだろう。
 しかし、そんなことに意味はない。
 地面と接触した次の瞬間には。

 死んでいるのだから。







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