ケータイ日記「あからさまな揶揄より遠回しな褒め言葉のほうが嫌いだよ」２月１１日

　同室者が金曜日の朝にここを去って以来、ぼくは二人部屋に一人で生活している。
　自陣の反対側には同じ広さの空間があり、そこには家具以外になにもない。
　からっぽのロッカー、からっぽのベッド、からっぽの本棚にからっぽの机。
　それらがただ無機質にたたずんでいるだけである。
　別に感傷はわかないが、同室者に少し思いをはせる契機にはなるだろう。
　そう、彼のかつての生活空間を見るたびに思うのだ。
　オレの陣地に荷物やらゴミやらエロ本やらを置いていくな、けがらわしいっ!!
　おかげでぼくの陣地は物置のような状態である。
　もともと散らかっていたところに荷物が倍になったのだから、それはもう盛大にひどい有様である。
　一昨日などは、お風呂セットを入れていく専用のビニール袋が彼の荷物の下敷きになっており、しぶしぶ他のビニール袋で代用したほどである。
　なんて迷惑な荷物なんだ。
　あう……くそぉ……。
　汚い話になるので食事中の方はこの先を読まないほうがよいと今のうちに忠告しておく。
　やばい、下痢だ。
　結構頻繁にピーな私だが、そもそも二日に一回ほどしか大便をしないので今日は多いほうだと言える。
　三回目である。
　朝にピー、昼にピー、夜にピー。
　いずれも食事のすぐあとということで、原因ははっきりしている。
　食堂の飯が悪い。
　以前から妙に相性が悪いなとは思っていたが、よもやこれほどとは……。
　いや、まだ断定はできないかもしれない。
　もしかしたら、私の手が汚なかっただけかもしれない。
　ノロウイルスかもしれない。
　いずれにせよ、寮の食堂以外でなにか食えばわかることだ。
　都合よく、昨日と今日の夕方に作ったお好み焼きが冷凍保存されている。
　それを実験に使おう。
　ところで、昨日今日でようやく、『クビキリサイクル』の二度目の読了に成功した。
　おもしろかった。
　一度読んでいるにもかかわらず、推理に頭がついていけない箇所が多くあった。
　不出来な脳味噌である。
　不出来な脳味噌ですが小説を書きます。
　なんとしても書き上げてジャンブ小説大賞に応募します。
　まだ募集要項見てないけどとにかく書きます。
　せめて一次予選くらいは突破できるような作品にしたいです。
　願望です。