最近、父の様子が変です。
いや、見た感じたいして変わっていないのですが……
あれは1年半くらい前。
わかりやすい文体で描いたわかりやすい小説を印刷した物を、父に渡したことがありました。
僕の短編小説の中で1番わかりやすい内容のはずで、少し前に遊に読ませても「おもしろかった」と言われた代物です。
なのに、それを渡した時の父の反応……
ともかく読みます、めくったりしています。
そしてしばらくして……
小説を僕に返して言いました。
父「いかん。頭に入ってこない」
え、ええーー!?
こんな、簡単なライトノベルみたいな文章も読めないの!?
という、読書なんてしない父。
それがたとえ可愛い息子の書いた小説であったとしても……
まぁそれはいいのです。
問題は、そんな活字苦手なはずの父が、最近、おかしな行動をとっているのです。
町の図書館から本を借りてきて読んでいる!
しかもその数約15冊。
多いよ!
そんでもって怖いのが……
最近、同じ女性作家の著書ばかり集めている……!
しかも恋の本ばっかり!!
その一部を少し引用してみましょう。
_________________
恋してますか? あなたはいま……
この本を
今 恋をしたい あなた
今 恋をしそうな あなた
今 恋をしている あなた
今 恋が終わってしまった あなた
そんな あなたに 捧げます
_________________
(引用元:落合恵子著『恋のテキスト・ブック』)
こえええ…………!!?!
うちの父、数年前に離婚してるんです。
で、とっくに適齢期なんて通り越してるんです。
しかもかなりの草食系。
雑草食って生きてるんじゃないか、ってくらいの生真面目ぶり。
そんな草食さんが。
『恋のテキスト・ブック』なんて読んでいるんですよ……
むちゃくちゃ怖いですよ……
しかも、性格上なにかを手に入れるタイプではないんです。
欲しいけど我慢して、人のために働くタイプです。
それがなぜに……
図書館で大量に本を借りているんだ……!
息子のライトな小説すら読めなかった男が、恋愛の本なら読めると言うのか!?
ああ……なに考えてるんだ、父。
その行動、コワイ(泣)。
しかし。
そんな父の異様な行動について、この人は冷静に分析する。
遊「たぶん、あなたのお父さんは、いま、恋をしているんだわ!」
僕「――うわ! 言っちゃったよ!
あの、遊さん……
自分の彼氏のお父さんについて、そんなあっさり断言していいのですか?」
遊「だって間違いないじゃない?
少女漫画を大量に買い漁るあんたみたいなものよ」
まて。
まてまてまて!!
僕「あの遊さん?
いつ僕が少女漫画を買い漁りやがりましたか?
まるで実際に買い漁っているんです、みたいな言い方、やめてもらえませんか?」
遊「あらいいじゃない。
アブない趣味のひとつやふたつ、標準装備してたって」
い・や・だ……!!
なんでアブない趣味を標準で装備しなくちゃならないんだ!!
そんなに……
僕「遊さん、そんなに僕を腐らせたいんですか!」
遊「腐っ、当然!」
当然なのかよ、当たり前なのかよ!?
てか、てかてか、
『腐っ』ってなんだ?
そんなに腐った笑みがあったのか!?
初耳だぞ……
遊「何言ってんのよ。
『腐女子彼女。』でもY子さんが言ってたじゃない」
そうだった!
たしか、
『う腐腐腐腐腐』って笑ってた!
そういうことは覚えるんだな、遊さん。
遊「で? お父さんの周りに女の影とかちらついてないの?」
うわーー!!
他人事だと思って、土足で詮索してきたーー!!
僕「ええーと。
ご期待に沿えなくて誠に恐縮ですが、
そんな影は見当たりません。」
遊「え? 嘘ーー!?
いないの? いないの、
シャドーーー!!」
吠えた。
唐突に叫んだ。
さて、「シャドー」。
この場合――というか僕の知り得る限り、これは二択だ。
ゾイドのシャドーか、
さくらちゃんのシャドーか。
どっちだ?
いや、遊は♀だから、さくらちゃんのほうだ。
そうだ、そうに違いない……!!
僕「クロウ・カードですよね?」
遊「影発動させてどうすんのよ!
ここはゾイドに決まってんでしょ!」
決まってるんだ……
こういう時は性別とか関係なくゾイドだと相場は決まってるんだ……
りょ、了解!
僕「そ、そうですよね。
シャドーのカード発動させても意味ないですよね、すみません」
遊「わかればよろしい!」
けどよ……
だけどよ遊さん……
ゾイドいないのに、シャドー呼んでどうするんですか?
ってツッコミは、まぁ、今は置いておこう。
というか。
うちの父の奇怪な行動についてはどうでもよかったのかよ!?
はぁ……
なんかスルーされたしなんか。
どーでもよくなってきた。
ええ、これで悩みが減りましたよ。
ありがとうございます、遊さん。
あはは。
プルルルルルッ♪(電話の音)
「はい、もしもし」
「あ、こちら土佐町図書館です」
あぁ……またこの電話か。
最近多い。
「お父さんに頼まれていた本2冊、届きましたので」
取りに来い、と。
これで三度目くらいだ。
また落合恵子先生の恋愛本なんだろうなぁ、きっと。
てか!
小さくなってた悩みが、また一気に大きく膨らんだぜ!!
泣いていいですか?
いや、見た感じたいして変わっていないのですが……
あれは1年半くらい前。
わかりやすい文体で描いたわかりやすい小説を印刷した物を、父に渡したことがありました。
僕の短編小説の中で1番わかりやすい内容のはずで、少し前に遊に読ませても「おもしろかった」と言われた代物です。
なのに、それを渡した時の父の反応……
ともかく読みます、めくったりしています。
そしてしばらくして……
小説を僕に返して言いました。
父「いかん。頭に入ってこない」
え、ええーー!?
こんな、簡単なライトノベルみたいな文章も読めないの!?
という、読書なんてしない父。
それがたとえ可愛い息子の書いた小説であったとしても……
まぁそれはいいのです。
問題は、そんな活字苦手なはずの父が、最近、おかしな行動をとっているのです。
町の図書館から本を借りてきて読んでいる!
しかもその数約15冊。
多いよ!
そんでもって怖いのが……
最近、同じ女性作家の著書ばかり集めている……!
しかも恋の本ばっかり!!
その一部を少し引用してみましょう。
_________________
恋してますか? あなたはいま……
この本を
今 恋をしたい あなた
今 恋をしそうな あなた
今 恋をしている あなた
今 恋が終わってしまった あなた
そんな あなたに 捧げます
_________________
(引用元:落合恵子著『恋のテキスト・ブック』)
こえええ…………!!?!
うちの父、数年前に離婚してるんです。
で、とっくに適齢期なんて通り越してるんです。
しかもかなりの草食系。
雑草食って生きてるんじゃないか、ってくらいの生真面目ぶり。
そんな草食さんが。
『恋のテキスト・ブック』なんて読んでいるんですよ……
むちゃくちゃ怖いですよ……
しかも、性格上なにかを手に入れるタイプではないんです。
欲しいけど我慢して、人のために働くタイプです。
それがなぜに……
図書館で大量に本を借りているんだ……!
息子のライトな小説すら読めなかった男が、恋愛の本なら読めると言うのか!?
ああ……なに考えてるんだ、父。
その行動、コワイ(泣)。
しかし。
そんな父の異様な行動について、この人は冷静に分析する。
遊「たぶん、あなたのお父さんは、いま、恋をしているんだわ!」
僕「――うわ! 言っちゃったよ!
あの、遊さん……
自分の彼氏のお父さんについて、そんなあっさり断言していいのですか?」
遊「だって間違いないじゃない?
少女漫画を大量に買い漁るあんたみたいなものよ」
まて。
まてまてまて!!
僕「あの遊さん?
いつ僕が少女漫画を買い漁りやがりましたか?
まるで実際に買い漁っているんです、みたいな言い方、やめてもらえませんか?」
遊「あらいいじゃない。
アブない趣味のひとつやふたつ、標準装備してたって」
い・や・だ……!!
なんでアブない趣味を標準で装備しなくちゃならないんだ!!
そんなに……
僕「遊さん、そんなに僕を腐らせたいんですか!」
遊「腐っ、当然!」
当然なのかよ、当たり前なのかよ!?
てか、てかてか、
『腐っ』ってなんだ?
そんなに腐った笑みがあったのか!?
初耳だぞ……
遊「何言ってんのよ。
『腐女子彼女。』でもY子さんが言ってたじゃない」
そうだった!
たしか、
『う腐腐腐腐腐』って笑ってた!
そういうことは覚えるんだな、遊さん。
遊「で? お父さんの周りに女の影とかちらついてないの?」
うわーー!!
他人事だと思って、土足で詮索してきたーー!!
僕「ええーと。
ご期待に沿えなくて誠に恐縮ですが、
そんな影は見当たりません。」
遊「え? 嘘ーー!?
いないの? いないの、
シャドーーー!!」
吠えた。
唐突に叫んだ。
さて、「シャドー」。
この場合――というか僕の知り得る限り、これは二択だ。
ゾイドのシャドーか、
さくらちゃんのシャドーか。
どっちだ?
いや、遊は♀だから、さくらちゃんのほうだ。
そうだ、そうに違いない……!!
僕「クロウ・カードですよね?」
遊「影発動させてどうすんのよ!
ここはゾイドに決まってんでしょ!」
決まってるんだ……
こういう時は性別とか関係なくゾイドだと相場は決まってるんだ……
りょ、了解!
僕「そ、そうですよね。
シャドーのカード発動させても意味ないですよね、すみません」
遊「わかればよろしい!」
けどよ……
だけどよ遊さん……
ゾイドいないのに、シャドー呼んでどうするんですか?
ってツッコミは、まぁ、今は置いておこう。
というか。
うちの父の奇怪な行動についてはどうでもよかったのかよ!?
はぁ……
なんかスルーされたしなんか。
どーでもよくなってきた。
ええ、これで悩みが減りましたよ。
ありがとうございます、遊さん。
あはは。
プルルルルルッ♪(電話の音)
「はい、もしもし」
「あ、こちら土佐町図書館です」
あぁ……またこの電話か。
最近多い。
「お父さんに頼まれていた本2冊、届きましたので」
取りに来い、と。
これで三度目くらいだ。
また落合恵子先生の恋愛本なんだろうなぁ、きっと。
てか!
小さくなってた悩みが、また一気に大きく膨らんだぜ!!
泣いていいですか?
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