小林泰三氏の『玩具修理者』に収録されている作品、『酔歩する男』に殺(や)られた…………!!
今日一日で、一冊読破してしまった。
日本ホラー小説大賞の短編賞、初受賞作品である『玩具修理者』も、大変に素晴らしかった。想像を越えた出来で、大変、嬉しかった。こういった“ヘンな作品”が、小生の好みなのだと、再確認できた。
しかしながら、『酔歩する男』は更に素晴らしかった。この作品の“狂気ぶり”は、乙一氏の変態的圧巻作『神の言葉』にも見劣りしない、と言ってしまえるほど、凄(すさ)まじいものであった。
まさに、“死ぬ小説”だったと思う。
小生は、殺(や)られた。死にたくなければ、小林泰三作品は、見ないほうが賢明だろう。
これは、文庫版解説で、〈世界を狂気に陥れる小説本〉、〈読者を狂気に至らせる本〉と表現されていることからも分かるように、決して、冗談や誇張ではない。
しかしコレ、子供には理解不能だろう。波動関数の収束・発散、量子力学、シュレディンガーの猫、時間の連続性……などなど、少しばかり難しい話が会話内で展開されるからである。高校卒業の年齢である小生は、ギリギリで理解できた。まぁ、そんなレベルの話なのである。
しかも、問題はそんなことではない。そういう小難しい理論などは鵜呑みにすれば済むことである。
一番の問題は、話のややこしさである。とにかくもう、こんがらがってしまう、わけがわからなくなってしまう。複雑……というよりは、単純な話である。しかし単純であるがゆえに、こんがらがりやすい。そういったジレンマのようなものに陥ってしまう。そこが欠点といえばそれまでであるが、それさえ理解してしまえば、まるで大波にさらわれるように小説という海に呑み込まれることが出来るだろう。
小説を楽しむ、というのは、いかにその小説世界に翻弄されるか、だと小生は思う。存分に呑まれて、存分にうちひしがれようではないか。
今日一日で、一冊読破してしまった。
日本ホラー小説大賞の短編賞、初受賞作品である『玩具修理者』も、大変に素晴らしかった。想像を越えた出来で、大変、嬉しかった。こういった“ヘンな作品”が、小生の好みなのだと、再確認できた。
しかしながら、『酔歩する男』は更に素晴らしかった。この作品の“狂気ぶり”は、乙一氏の変態的圧巻作『神の言葉』にも見劣りしない、と言ってしまえるほど、凄(すさ)まじいものであった。
まさに、“死ぬ小説”だったと思う。
小生は、殺(や)られた。死にたくなければ、小林泰三作品は、見ないほうが賢明だろう。
これは、文庫版解説で、〈世界を狂気に陥れる小説本〉、〈読者を狂気に至らせる本〉と表現されていることからも分かるように、決して、冗談や誇張ではない。
しかしコレ、子供には理解不能だろう。波動関数の収束・発散、量子力学、シュレディンガーの猫、時間の連続性……などなど、少しばかり難しい話が会話内で展開されるからである。高校卒業の年齢である小生は、ギリギリで理解できた。まぁ、そんなレベルの話なのである。
しかも、問題はそんなことではない。そういう小難しい理論などは鵜呑みにすれば済むことである。
一番の問題は、話のややこしさである。とにかくもう、こんがらがってしまう、わけがわからなくなってしまう。複雑……というよりは、単純な話である。しかし単純であるがゆえに、こんがらがりやすい。そういったジレンマのようなものに陥ってしまう。そこが欠点といえばそれまでであるが、それさえ理解してしまえば、まるで大波にさらわれるように小説という海に呑み込まれることが出来るだろう。
小説を楽しむ、というのは、いかにその小説世界に翻弄されるか、だと小生は思う。存分に呑まれて、存分にうちひしがれようではないか。
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