嘘日記 １１月１０日

　今日は一日中、文化祭の準備である。
　しかしもう仕事は終わった。
　装飾係で、ポスターを貼りつける看板を木材で作った。ポスター自体は昨日書いたものである。
　幸か不幸か、女子とふたりだけの共同作業。ハタ目にはカップルに見えたのではなかろうか。
　そう言ってしまえるほど、ボクは彼女と仲が良い。ジョーダンとか嫌味を言えるていどには。
　おかげで少々楽しく作業ができた。これが見知らぬ男とだったら、終始無言で気まずいムード満点だったろう。
　ベニヤ板を丸ノコと呼ばれる電動ノコギリで切断。細長い角材を人間の身長ていどにノコギリでカット。カットカットカット！　……って、２回しか切ってないが。
　それらを組み合わせて、立てかけるだけの看板を作成。釘でつなげる。彼女の握ったハンマーがうなる。ドス～ン！　シティ・ハンターの１００トンハンマー並みの衝撃。外での作業だったので、一部アスファルトが砕けた。んなバカな。
　いや、ボクが書きたいのはそんなことではない。
　今朝、右から複数の、左から単数の女の子が歩いてきて、目の前で交差した。
　その瞬間、次のような会話が女の子たちの間で交わされた。
「あ、誕生日おめでとう」
「あ、うん、ありがとう」
　…………