暇人に見て欲しいBLOG

別称(蔑称)、「暇人地獄」。たぶん駄文。フリマ始めました。遊戯王投資額はフルタイム給料の4年分(苦笑)。

妄想話「はじめての**の味」8月10日

2007年08月10日 23時53分11秒 | 日記系
 朝、ご飯を口に運ぶと舌の付け根あたりが物凄く痛かった。
 先週(今週?)の日曜日に昼寝から起きて以来、ずっと痛かったが、今朝は一段とひどかった。
 いいかげん我慢しきれないので会社を休んで病院に行くことにした。
 大きな病院を目指して歩いた。なんたら総合病院という所だ。
 前々から行こうと思って行けていない精神科に診てもらいに行くつもりだった。
 舌の痛みより実はそっちのほうが我慢しきれないでいた。
 早く病院行きたい、もういや、死にたい……、病院行って精神的に楽になりたい……
 しかしそれはボクの、非現実的な夢想にすぎなかった。
 病院に行けば理解してくれる人間(医師)に会えて不安やらなんやらもすぐにやわらぐのだと、勝手に理想を描いていた。
 現実はそこまでファンタジックではない。
 総合病院に行った。
 精神科がなかった。
 受付相談みたいな所があったのでそこにいた老看護婦に聞く。
「ここって精神科無いですよね……、ぼく、精神科に行きたいんですけど……」
 本当は話しかけたくない。しかし病院に行きたい気持ちのほうが勝(まさ)っていた。
看護婦「たしかに無いですが……、精神科というのは分裂病とかそういう重度の患者さんが行くところで、心療内科をおすすめしますけど……」ボク 「でも心療内科もここにはない……」
看護婦「そうですねえ……神経のほうならあるんですが、心のほうはここには無いですねえ……」
 という会話を経て、この病院ではダメだと分かった。
「じゃあ、心療内科のある医院さんを教えていただけないでしょうか」
 そう聞くと、近くに個人医だが精神関係のクリニックがあるという。とりあえずそこに行くことにした。
 そのクリニックの受付ナースに話しかける。
ボク「初めて来たんですが……」
受付「予約してらっしゃいましたか?」
ボク「いいえ……」
受付「当クリニックは完全予約制となっています、ただいま予約がこみあっておりまして……」
 数か月ほど予約でいっぱいらしかった。非常勤の先生でよかったら来月初旬に予約できますが……なんて言ってくる。こっちはようやく決心して来院したんだ、そんなに待ってられるか! わざわざ一人でこんなところに出向いてくる人間だぞ、そんなに先まで苦しみのなかでもがいていろと言うのか?
「あの……他の医院さんを教えていただけないでしょうか……?」
 他の病院を紹介するという親切さも見せないのでしかたなくこっちから切り出す。そんなに患者が欲しいか。儲かりたいか。
 また近くのクリニックを紹介してもらい、探して歩く。見つけた。入る。
 静かな印象だった。客観的に見る限りは落ち着いた空間である。
 受付を済ませてソファーに掛けて待つ。
 ボクは目を閉じて思考した。
 最初のクリニックで断られたのは、もしかしたら自分がそういった場にふさわしくない人間だからなのではないか……ボクがメンタルクリニックなんてたいそうな場所に来るなんて場違いなんじゃないか……自分は自分が思っているほど精神障害者ではないのではないか……ここにいちゃいけないんじゃ……ダメなんじゃ……
 という思考が悶々と発生して少し涙が出た。名前を呼ばれるまで目を閉じていた。
 診察室にはどちらかといえば年のいった医師が一人、座っていた。
 真向かいの席に座るように手で示されて、腰掛けた。
 医師はどういった悩みがあやるのかとボクに訊く。
 ボクは、とりあえず仕事上さしつかえのある悩みを打ち明ける。
 よく悪夢を見るので何度も起きてしまいます。起きても体が疲れている気がします。体が痛かったりします。仕事でずっと助手席に座っているのですが、眠いです。会話もはずみません。カーブを曲がるときに前方の死角に人いて誤って轢いてしまうのではないかと思って怖くなります。人のいる場所が苦手です。人に見られていると感じると震えてしまいます。機械を直す仕事をしていますが、ドライバーでネジを締めるといったことが手が震えるためかうまくできなくて、先輩が締めるとうまくいきます。役立たずです。物を持つときも手が震えて、大丈夫かとよく言われます。指先に力が入りません。変に曲がるので力がうまく伝わりません。人の目を気にするようになったのは小学校時代からです。
 おおかた、このようなことをしゃべった。下痢が慢性化していることや、舌の付け根が痛いことも訴えた。
 指先に力がうまく入らないことは、震えてうまくいかないだけだ、と言われた。いや、例えば黒板の磁石が取れないのです。と言ったら、「私の指を思いっきりはさんで下さい」と言われ、そのようにすると「うん、大丈夫だ、力入ってるよ!」と言われた。力は入るんですが、指がこんなふうに変に曲がってうまくつかめないんです……。そう主張したが、どうも納得していないようだった。
 それ以上抗議しても、先生の機嫌を損ねるような気がして……というよりボクが怒ってしまうような気がして、それについてはもうなにも言わなかった。
 先生の診断はこうだ。
「あなたは社会不安障害ですねえ、昔は対人恐怖症とも言いましたが……。あなたは日常生活で常に緊張状態にあるのです。特に人に見られている場合に過度の緊張で震えて物事がうまくいかない。しかし、緊張さえしなければ、あなたは真面目に仕事ができる素晴らしい人になれるでしょう」
 ボクはもうめんどくさくて、そうですかねぇ……(苦笑)、と曖昧に笑っておいた。
 どうもこの先生は、すべての元凶を不安や緊張にしたいらしかった。誘導尋問のように断定口調でさとされ、半ば強引に診察が終わった。
 まだ言っていないことがたくさんあるのに……。
 メンタルクリニックの先生は個人医で患者が多いから、一見普通の初診の患者などじっくり診ている暇がないのだろう。もしくは一度に多くの情報を仕入れても整理する時間がないのかもしれない。その割には少々強引に社会不安障害という診断を下したように感じられたが。
 診察室を出て待合のソファーで少し待つと名前を呼ばれた。
 処方されたのは、安心感をもたらす神経伝達物質セロトニンの濃度を高めて、気分を落ち着かせたり意欲を向上させる作用をもつルボックス25mg錠と、ルボックスの副作用である胃腸のむかつきなどを抑えるためにガスモチン5mg錠の2種類だった。
「ルボックスはレム睡眠(夢を見る睡眠)を減らす効果があるので夢にうなされるあなたにはピッタリの薬だと思いますよ」
 という説明もあった。
 ボクは納得がいかないながらも高い初診料を払って処方箋を受け取った。
 そしてクリニックを出てから気になった。
 あれ……そういえば、舌の痛みに対する薬はなかったなぁ……
 まさかボクの主張を聞いてなかったのか? と思いながら、クリニックに戻って受付に尋ねた。
 それをちょうど診察室から出てきた先生が聞いており、「あぁ、それもあったね」と言って診察室に入っていった。受付に「あの……ボクはどうしたらいいんですか……」と聞くと、座ってお待ち下さいと指示され、言うとおりにした。
 1、2分で先生が出てきて、口内炎の薬を処方しましたと言った。
 これでやっと帰れる……と思ったが甘かった。
 新しく追加した薬を置いてある薬局が、なかなかなかったのである。
 受付の女性がいれいろな薬局に電話して何度も薬の名前を電話口で説明していた。
「あの~、あずのおる、えすてぃー、という薬を置いていらっしゃいませんか? あずのおる、えすてぃー、です。」
 無事に薬局が見つかって、ようやくクリニックを後にできた。
 薬局に行く。少し遠かった。
 初めてだったのでカルテ作り用のアンケートをし、「おくすり手帳」というなめた名前の手帳をいただいた。
 夕食後服用薬としてルボックス(抗うつ剤)とガスモチン(胃腸薬?)、食間服用薬としてアズノールST(口内炎の薬)が処方される。
 薬はまぁまぁの値段だった。予想範囲内。
 薬局を出て、スーパーが近いので買い物をしてから帰途についた。
 そして現在。
 4時間前にすでにルボックスを飲んだ。
 しかし気持ちが落ち着いたりなどしない。
 まぁ、薬効が現れるのに2週間ていどかかるらしいので、効かないのは当たり前だが。
 検索して調べてみたが、ルボックスは、1日に25mg錠1個を2回服用するのが初期用量なのだそうである。
 ボクは25mg錠1個を夕食後に1回しか処方されていない……
 子供だから半分? ボク、成人男性なんですけど?
 さらに。
 2週間以内の火曜日に来いと言われたが……来週は盆休みで実家に帰省するし、翌週は夜遅くまで仕事で埋まっている。
 行けません。

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