ゆるーい嘘日記 ２月２７日

　明日からテストである。
　進級のかかった重要なテストである。この時期、テストに命をかけ心血をそそぐ人間も出てくる。まるで進級できなかったら世界が滅びるのだと言っているような表情で、必死に勉強するようになる。
　もちろん、普段から頑張っている人間や、前回までに頑張って点数を稼いでおいて余裕しゃくしゃくな人間もいる。
　私はどうかというと、焦っているのだが全く勉強していない。困った。勉強する気力が湧いてこない。やばい。
　このまま勉強せずにテストを受ければ、ほぼ間違いなく進級できず、プー太郎になって、そのうち頭が壊れて廃人になり、多くあった借金を返済できず、どこかの誰かにコンクリで固められて海に投げ捨てられ、長い間海底で暮らし、そのうちに宝探しのハンターに拾われ、コンクリを割ってみたらまだ生きていて、内臓が全て抜き取られて、闇ルートで取引されるその様子を地獄から眺めるということになってしまうに違いないのだ。
　違いないのだが、やはり気持ちが勉強に向かない。
　しかたがないので、今日、奥の手を使おうと思う。
　先生に賄賂を渡して答えを教えてもらうとか、先生をナイフなどの凶器で脅して答えを教えてもらうとか、先生をマインドコントロールして答えを教えてもらうとか、先生の片想いの相手を金で雇って答えを教えてもらうとか、先生が麻薬を所持していると警察に嘘をついて家宅捜索させその警官たちに紛れて答えを教えてもらうとか、先生がぼくの言うことを聞いてくれなかったら自殺しますと脅して答えを教えてもらうとか、色々とあるが、さてどれにしよう。
　とりあえずカンニングだけはカッコ悪いのでやめておこう。善良学生の私はそう思うのだった。
　ちなみにテスト中は裏工作で忙しいので日記の更新はないかもしれない。きっと、先生への賄賂やナイフや麻薬の用意で忙しいに違いないのだから。

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