貴女へ警告

　朝から布団の中で泣いている。
　過ぎ去った過去を思い出してまた泣いている。
　なにが悪かったのかもよくわからずに、見捨てられた理由を探している。
　失敗した自分がひどく憎くて。
　相手が嫌がるだろうことを平気でしてしまいそうになる自分を押さえて。
　必死で押さえて。
　また涙するんだ。
　ぼくはきみが幸せならそれでいい、と思うのに。
　そのくせに、まだきみに迷惑をかけようとしている自分がたしかにいる。
　きみを守りたい自分と、きみを壊したい自分がいる。
　いや、壊したらもっとひどく自分が壊れるに決まっているんだけれど。
　もしぼくがきみを好きなら、きっとそっとしておくんだろうね。
　きみの幸せを本当に願うなら、邪魔なぼくはこっそりと身をひくんだろうね。
　そうしないってことは、やっぱり好きではないのかな。
　人を好きになるってどういうこと？
　ぼくにはわからないよ。
　相手の気持ちを考える？
　わからないよ、はっきり言ってくれないと。
　って、わがままな自分がムカつくよ。
　人を見下して生きてきた自分が悪い。
　わかっているけれど、わからない。
　間違いは自分だとわかっているのに、納得できない。
　無駄にプライドが高いんだ。
　自尊心が強過ぎる。
　このままじゃどんどん危ない方向に思考が進むよ。
　もうやばいよ。
　逃げて。
　きみは早く逃げるべきだ。
　ぼくとの繋がりをなにもかも切り捨てて、避難するべきだ。
　そうしなきゃ、ぼくが壊れる。
　最後まで迷惑ばっかりで、ごめんなさい。
　ごめんなさい。
　ごめんなさい。
　こんな自分、さっさと死んでくれ。
　思い通りにならないとキレる、赤ん坊のような悪魔さん。
　逝ってよ。
　死んでよ早く。
　人間失格だ。
　あぁ、結局自分の都合ばっかり他人に押しつけてやがる……最低。