ゆるーい嘘日記 ２月２１日

　テストの日程が発表された。しかしどーでもいーので見ていない。今回のテストが悪ければ退学の可能性もあるが、知らん。
　前回のテストのとき、ほとんど勉強していなくてなかなかに悲惨な結果だったが、反省の色なし。
　いや、そんなこともないか。日程なんて確認する暇がないほど四六時中勉強しているのだ。
　私は手に何ももたずただぼーっと宙を見つめているだけのように他人からは見えるのかもしれないが、本当は脳内モニターで難解な数式や専門用語の解説、蜂の巣の作り方などを学習しているのである。
　頭の中は早送り再生のようなスピーディーな回転をしており、もう目を回してフラフラで、学習内容なんて記憶されていないが、おそらく大丈夫だろう。
　少なくとも蜂の宝はロイヤルゼリーなのだということくらいは学べた。
　数学の難解な証明や長ったらしい物理法則の説明文などは頭から排出されてもう戻ってはこないだろうが、人生に必要なのは勉強ではなく食い気だ。いや、生きる気力である。
　私はかの中澤姐さんのように人生を冒険するつもりである。そのためにはまず、前を向いて歩き出す必要があるのである。その最初の一歩を踏み出す原動力になるのは酒井ミキオ先生や川嶋あいさんの歌なのである。無論、落とし穴に落ちそうになったとき舞空術で助けてくれたり先頭に立ってあらゆる罠を避けて安全な道を示してくれるのも彼らの歌である。そしてたまには中澤姐さんやハロプロの歌を聴いて気分を盛り上げたりするのだ。
　後ずさりや逃亡をしそうになったとき、手をつかんで「そっちに行っちゃいけない。前に進むんだ」と言ってくれるのも、それらの歌に違いない。
　テストから逃げたい心を取り払ってくれたりもするだろう。
　ツメが伸びているけど切りたくないなぁという怠惰な心を叱咤してくれたりもするだろう。
　朝起きて息を吸うのもめんどくさいという無気力を無限のかなたまで吹き飛ばしてくれるのもそうだろう。
　私は歌に励まされ歌に叱咤激励され歌に支えられて生きている。
　そしてもちろん、周りの人間たちにも迷惑をかけながら、しかし彼らの寛大な心で野放しにさせてもらっている。
　私は意外と世界にめぐまれている。
　本当は幸せ者なのかもしれない。
　そのことを少しは認めてあらゆるものの助けを借りながら生きていこうと思う。
　定職につけずプー太郎になっても周りの人間様たちに一生お世話になって悠々自適な生活をしよう。
　というわけで周りの人間様方、よろしくお願いします。

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※文中の「プー太郎」は最初、「ニート」でした。