唯記【２３歳という時／二重山菜と夕時】

　乙一先生の『ＧＯＴＨ』の初期の帯を見た。
　その、初の単行本『ＧＯＴＨ』は、著者２３歳の作品だと書いてあった。
　２３歳。
　奇しくも、今のボクの年齢である。
　あと残り４週間を切った、残り短い２３歳。
　こんな若さで、あの連作短編集『ＧＯＴＨ』を書いたとは、やはりそれは、驚愕に値する。
　乙一が２３歳にして『ＧＯＴＨ』を書き上げたのならば、ボクだって２３歳のうちに何か、何かを、書き残したい！
　対抗意識。
　というか。
　オマージュ？
　トリビュート？
　リスペクト？
　否、否。
　インスパイアーだろう。
　触発されたのだ。
　奇しくも同い年、２３歳という時代に。
　まぁ、年齢的な話をするならば、かの西尾維新などは二十歳でデビューしているし、そもそも乙一という人は１７歳でデビューしたのだが（ジャンプ小説大賞への投稿時は１６歳）。
　まぁ、１７や２０はとうに過ぎてしまったから、やるなら２３歳というこの歳のみ。
　残された時間があまりに少ないし、遅読遅筆のボクが今更頑張ったところで何かが出来上がるという保証はないのだけれど。
　まぁ、やってみよう。
　挑戦してみよう。
　挑んでみよう。
　戦ってみよう。
　臨んでみよう。
　やってみよう。
　頑張ろう。
　そう、思った。