嘘のない嘘日記 １月１７日

　今週金曜日提出の課題が２つもある。
　ほかのクラスメイトたちは毎日せっせと頑張っているのに、私は何もやっていない。
　それでいて、大して何もせず夜中の３時まで起きているということが二日続いた。
　私はなにをやっているのだろう。
　嵐の前の静けさのごとく、微動だにしない自分。
　いいのか自分。それでいいのか？
　この前の土日はよく寝た。異常なくらい寝た。１日の睡眠がトータル１０時間を超えていた。
　別にヒマというわけではないのだが、なぜか何もしなかった。
　したことといえば、布団の中である問題についてひたすら思考をめぐらせていたことぐらいだ。
　どうしよう……どうしよう……どうしよう……
　私の頭の中ではその言葉だけがこだましていた。
　そうだ、私は悩んでいたのだ。いや、今でも悩んでいる。
　人生において最も大切なのは気力だが、その次に大事なのがタイミングである。
　タイミングを誤るととんでもないことになる。
　たとえばガラスを積んだトラックが近くで交通事故を起こし、偶然にも自分のほうへガラスが飛んできたとしよう。
　もう、ものすごい回転をしながら猛スピードで飛来するガラス。
　しかも割れているので切れ味は抜群だ。
　それが自分の首めがけて飛んできている。
　はっきり言って、避けるしかない。
　私は間一髪でそれをよける。
　しかし体勢を崩して転ぶ。
　そこにちょうど、転んだ私の首めがけて、ほかのガラス片が落下してきた。
　死んだ。
　ということになっては大変だ。
　最初のよけるタイミングは良かったが、次はよける暇がなかった。憐れだ。
　……これはタイミングとかいう以前に運が無いな。うん。
　まぁ、そういうこともある。命が一瞬延びただけでも良しとしよう。よしよし。
　間違った例を挙げてしまったが、タイミングは重要である。
　しかし、難しい。だから、悩む。悩む。悩む。
　しかし私の場合は贅沢な悩みである。
　別に今のままでもじゅうぶんウハウハなのに、さらに上を目指そうとしているのだ。
　この欲張りめ。
　人間の最大の敵はおそらく欲だろう。みんな欲に負けて朽ちてゆく。
　しかし欲をうまく利用して成り上がるヤツもいる。
　この差はなんだ。不思議だ。
　ところで私は何の話をしていたのだろう……。