松井山手の実家では、長年父が市から借り受けた貸し農園で、野菜を作ってきました。
父は、徳島の山奥の農家の出なので、毎日豆に世話をして、じゃがいもやら、人参やらを作ってはくれたものです。しかし、その父も、いよいよ認知症がすすみ、何をどこに植えていたのかわからなかったり、肥料をやるのを忘れたり、
いままで、父に任せきりだった母が、意を決して、自分でやることにしました。
しかし、重い肥料を運んだり、耕したりは大変なので、手伝ってということで、次男と二人お手伝い。
しかし最近ほったらかしだったらしく、スナップエンドウがほんの少し植えてあるだけで、土が固くなっています。土を柔らかく鋤で耕さなくてはなりません。
鋤で耕していると、何度かグサッと土に鋤をさしたら柄から鋼がスポンと取れて、土に鋼だけが突き刺さって残ってしまいました。
「くわはどうしたの?」
「どこかにあるかわからない。」と母。
「もう一本の鋤は?」
「壊れてる。」
「買ってから来たら良かった。」
「スコップで掘るしかないか。」
スコップもさびだらけ。
私も手伝ったのは数える程ですが、次男はもっとひどい。
スコップの扱い方を教えて、私は柄の抜ける鋤で抜けては差し直しを繰り返しながら、なんとか、二畝耕しました。
後、1㎡ほどに植わっていたスナップエンドウに添え木をして、お手伝い終了。
父はあれだけ、畑を大切にしていたのに、半年程のあいだに、すっかり畑も道具も荒れ果てて。
もっと、両親のこと、気をつけないといけなかったな。
畑は楽しいし、また手伝いにこよう。