カナダは移民、それもある程度世代の若い移民が多い国です。 オンタリオ州ロンドン市のような地方都市の中でも、それぞれの出身民族の文化を大事に守って暮らしている人たちがいます。 それが一番端的に表れるのが、食べ物と宗教ですよね。
Wellington Rd.から少し西に入った住宅街の140 Fairview Ave. に、玉ねぎ帽子の屋根の付いた小さな教会があります。 これは、言わずと知れた、ロシア正教会の建物。
1917年のロシア革命後、ロシア正教は大変な迫害を受け、数千人もの聖職者が”スパイ”等の名目で処刑されたり、1931年にはスターリンの命令で、ロシア正教の中心だった救世主ハリストス大聖堂までがダイナマイトで粉々に爆破されるといった信じがたい苦難の歴史があります。 おそらく革命後カナダにも相当の人数のロシア人が亡命してきている筈です。
『宗教はアヘン』とのスローガンで共産党政権に徹底的に迫害されてきたロシア正教も、実は国外に逃れた人々や、ロシア市民の間で密かに信仰は続けられ、ソ連崩壊後の2000年にはスターリンに爆破された壮大な救世主ハリストス大聖堂もモスクワで再建されています。
普段我々日本人がこちらで生活していて、誰がロシア系、イギリス系、ドイツ系、オランダ系、ギリシャ系、ユダヤ系、と客観的に認識できる事はあまりありませんが、やはり母国の文化といったものはこうやって脈々と受け継がれているんだと思います。
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