ロンドン野郎

カナダのオンタリオ州ロンドン市で4年半暮らしたロンドン野郎。 この度本家大英帝国ロンドン市(近郊)へ参上。

トロントのウォール街とグローバリゼーション

2007-07-20 10:10:20 | うんちく・小ネタ

トロントのダウンタウン、York St. Yonge St. に挟まれたKing St.に沿って超高層ビルが集中し、一大ビジネスセンターを形成しています。 この辺りをトロントのウォール街という呼び方をする人もいます。 実際、この高層ビル群の殆どにはカナダの銀行の名前が付いています。

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カナダにはRoyal Bank of CanadaToronto DominionCIBCScotia Bank、といった地場の銀行が大きな勢力を誇っていて、アメリカのバンカメやシティコープといった巨大銀行は全く見ることがありません。 実はこれがこちらに来てからの一つの謎だったのですが、最近ようやく理由が分ってきました。 カナダ政府の政策として、地場の銀行を徹底的にプロテクトしているのです。

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例えば、国外の銀行から短期融資を受けると、金利に源泉税が10%自動的に課せられる制度に加えて、カナダの銀行の株式を10%以上国外の銀行が持つことが禁止されているのです。 だからカナダで活動している国外の銀行は、日系の銀行も含めて支店程度の機能しか持っていません。

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経済や国防の大きな部分を米国に依存している一方で、カナダとしての独自性を少しでも維持しようという努力は他の分野でも色々見ることができます。 法人の取締役の25%以上がカナダ人でなければならないというのも、またその一部です。 こういうのを見ていると『グローバリゼーション』って何だろう?という気もしてきます。

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ちなみに我が日本国のトロント総領事館はこのToronto Dominion-Centerのビルの中にあります。 先週末はここで参議院選挙の在外投票を行ってきました。