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ロンドン野郎

カナダのオンタリオ州ロンドン市で4年半暮らしたロンドン野郎。 この度本家大英帝国ロンドン市(近郊)へ参上。

外人さん接待 チャレンジ!和食(後編)

2008-03-23 07:54:23 | グルメ情報

今カナダのオンタリオ州では寿司の大ブームが止まることなく続いています。 このオンタリオ州ロンドン市みたいな地方都市にも、寿司を出す店がいったい何軒あるのか。 今でも増えているので、おそらく10軒近くある筈です。 尤も、そのほとんどが中国人や韓国人経営のお店。 少々まがい物っぽいのもなきにしもあらずですが、そこそこ美味しいものも中にはあります。 

カナダ人から見ると日本人は毎日こんなものを食べているように誤解されがちですが、実際どうです? 日本に住んでいたって、そんなに滅多に寿司なんか食べに行きませんよね。 スーパーなんかで売っている持ち帰り寿司や回転寿司ならともかく、ちゃんとしたお寿司屋さんに行ったら、お安くないし。 特に本当に高級なお店へ行ったらいったいお一人様何万円取られることか、というリスクもあるので、今回は日本ではお寿司屋さんには立ち寄りませんでした。

その⑤ しゃぶしゃぶに挑戦!

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京都でしゃぶしゃぶに挑戦です。 お店は全国幅広く展開しているチェーン店『木曽路』 さんの四条通りのお店です。 チェーン店ながら『木曽路』さんのごまだれソースは、最高に美味しいとロンドン野郎は思っています。 それに個室が掘りごたつ式になっているのがうれしい。

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霜降り肉。 こちらの人もブランドとしての『KOBEビーフ』とかよく知っていますが、日本でも本物の神戸牛は高価でなかなか手に入りません。 ちなみに、霜降り肉って英語でマーブル(大理石)ビーフって言います。 確かに言われてみれば。

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しゃぶしゃぶにはこういったお野菜や豆腐もつきものですよね。 このヘルシーな感覚が欧米人には受けるんです。 こういう野菜の種類とか、たれに入れる薬味なんかを説明するのが結構大変です。 外人さんと一緒のお食事会には電子辞書が絶対に必要不可欠アイテムです。

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欧米人はFAT(お肉の脂身)を気にします。 しゃぶしゃぶのもう一つの説明のポイントは、沸騰したお湯の中にお肉を漬けて、”シャブ、シャブ”と余計なFATを洗い流すこと。 これ、本当にしゃぶしゃぶの語源らしいんです。 これを聞いてお客様も脂身たっぷりのマーブル・ビーフでもひと安心。 きっと美味しく食べられる筈です。

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『木曽路』 さんの京都四条店はビルの地下のお店ですが、こんな風に雰囲気もあって、今回のお客様夫婦にも喜んでもらえたと思います。

その⑥ とんかつに挑戦!

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今回日本で最後に食べたお食事はとんかつ。 恥ずかしいことに、食べるのに夢中で写真を撮り忘れてしまったので、サンプルで代用。 しかし、本物らしくつくりますよね。

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これもフト思いついたんですが、今回のお客様は東欧からカナダに移民されてきた方。 東欧を中心にヨーロッパの典型的な家庭料理にシュニッツェルっていう食べ物があります。 もう少し薄いお肉で豚肉とは限りませんが、とんかつに非常によく似ています。 これはきっと受けるに違いないと思って、お連れしたのですが、とんかつソースを含めて大絶賛。 大成功でした。

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『とんかつ勝兵衛』 さん。 銀座東芝ビルの地下のお店です。 FATを気にする外人さん向けにはロースより脂身の少ないひれかつの方が安全だと思います。 本当は脂身に旨みがあるんですけどね。

《おまけの一言》
外人さん接待はこんな風に結構アイデア勝負で気を使うのですが、中華料理は基本的に避けています。 理由は、北米では中華のイメージってどちらかというと量で勝負の安物メニューなんです。 それに、高級懐石。 見栄えでは喜んで頂ける事が多いのですが、欧米人にとって本当に美味しいかっていうと、ちょっと?です。 色々凝った素材を使うので、いくら英語に訳しても理解しにくい得体のしれないものなんですよね。 『分かりやすい』っていうのも重要なキーワードだと思います。

シリーズ完


外人さん接待 チャレンジ!和食 (中編)

2008-03-23 06:38:30 | グルメ情報

これまで、外人さんを日本で接待する場面っていうのは、仕事で何度もありました。 宗教的に食べ物の制限がある地域の方はどうしようもないのですが、北米でこれだけ日本食ブームと言われても、実は毛嫌いする方が結構います。

食べず嫌いの場合が多いのですが、先ずメンタル面で躊躇してしまうんですよね。 それでも魚さえ食べられれば、選択の範囲もかなり広がってゆきます。 結構、味的には彼らの口に合うものも多いんですよ。

その③ うな重に挑戦!

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またまた、いきなりうな重。 新幹線で西へ向かうと、途上に鰻で有名な某H駅があります。 実は当日別の専門店を想定していたのですが、あいにく休みだったため、駅南口で大きなお店を構えている日本料理屋の『一兆』 さんにお邪魔しました。

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北米では、美味しい鰻を食べるのはほぼ不可能です。 そういった意味でも、カナダ人にとって初めての体験。 でも、これは絶対欧米人の口に合う食べ物なんです。 キーワードは、① TERIYAKIソース(これは北米でも定番)。 ② 鰻は太平洋で生まれ育った『お魚』(蛇と誤解している人が結構いる)。 ③ 僕の知っている欧米人で実際に食べて『美味しくない』といった人は一人もいない(これ、なんか日本人的な説得ですね)。

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そうなんです。 鰻のかば焼きは欧米人にとってもやっぱり食べれば美味しいんです。 でも、肝吸い。 『コンソメスープWITH 鰻のレバー』って、どうかな?とは思ったのですが、今回のお客様は積極的に召し上がって頂けました。

その④ にしんそば に挑戦!

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京都四条通り。 鴨川にかかる四条大橋のたもとに、有名な歌舞伎劇場南座があります。 そのコーナーに南座にへばりつくように建っているのが『松葉』 さんのお店です。 ここは明治15年からの歴史を誇るにしんそば屋さん。

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ちょっと黒く頭を出しているのが甘く煮たにしん。 そばつゆは関西風の薄味です。 ほんとに素朴な一品ですね。 お店の人に聞いたところ、昔は南座とつながっていて、芝居の幕間にお客さんが食べに来るようなところから始まったそうです。

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実はこの日、昼遅くなって昼食の場所をいろいろ探したのですが、めぼしいお店がみーんな閉まっていて往生していたところ、ふと『にしんそば』を思い出したんです。 これも京都名物ですからね。 ただカナダ人には少し物足りなかったかも・・・

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夜の南座。 ちなみにこの日は、坂東玉三郎と中国の京劇のコラボの芝居が出し物でした。 一幕でも観劇して置けば良かったかなと、今になって思っています。

以下、次号に続く。


外人さん接待 チャレンジ!和食 (前篇)

2008-03-23 05:29:48 | グルメ情報

もう少しだけしつこく日本出張時のお話です。 今回のカナダ人のお客様夫婦は、本当にチャレンジ精神旺盛でした。 そんな訳で最後は究極のふぐ料理になったのですが、それまでに徐々にレベルを上げながら色々なメニューにトライして行きました。

その① 焼き鳥 に挑戦!

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いきなり焼き鳥盛り合わせです。 品川のホテルからそのまま新宿へ山手線でGO!

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場所は新宿三丁目交差点。 ビルの上のちょっとばかりおしゃれなお店『鳥どり』 さんです。 色々な、鳥を使った創作料理がウリかな? チキンは欧米人にもなじみの食材。 焼き鳥は見て分かりやすいので、初心者向けの定番和食メニューです。

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お店の撮影いいですか?ってお願いしたら快くOKして下さいました。 実は『鳥どり』 さん。 以前にも外人さんをお連れしたことがあり、ブログでも少し紹介したこともあるのですが、今回も評判GOODでした。

その② てんぷらに挑戦!

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目の前のはランチ・サービスの天丼。 次なるチャレンジは天ぷらです。 これも外人さん向け定番メニューで、北米の和食屋さん、どこでも置いてあります。 が、本当においしいものにはなかなかお目に掛りません。やっぱり、北米の和食屋さんで食べるのと全然似て非なるものです。 ネタ以前に先ず油が全然違いますね。

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創業明治18年の銀座の老舗『天國(てんくに)』 さんのランチ。 ちょうどランチタイムで混雑していたのですが、支配人さんとおぼしきネクタイにスーツ姿のおじさんが、手際よくお客さんをさばいてゆきます。

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ロンドン野郎はその昔幼少のみぎりに祖父に連れられてこの店で食べた天丼の味が忘れられません。 『天國』 さんの場所は、銀座中央通りを新橋方面に。 首都高と交差する角です。

以下、次号に続く。


ふぐ料理 - ちょっとだけ日本

2008-03-19 10:54:35 | グルメ情報

これも日本出張中のお話。 今回のカナダ人のお客様夫婦はとっても好奇心とチャレンジ精神旺盛で、前のブログの壱銭洋食から、てんぷら、うな重、しゃぶしゃぶ、とんかつ、焼き鳥まで、定番の日本食をどんどん積極的にトライされていました。

そして、最終日の夜は東京でSPECIAL DINNER と約束してあったので、さあ何にしようか。 という訳でいきなり日本食の最高度レベルまでハードルアップ。 命を掛けてふぐ料理コース と相成りました。

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インターネットぐるなびでで選んだのは、食事後の散歩も兼ねて、『玄品ふぐ』さんの六本木店(写真はちょっと看板の上が切れてしまってますね)。 京都から東京へのぞみで戻ったのが夜の8時前。 しかも金曜日の夜だったので、まさか六本木でこれから予約が取れるとは思わなかったのですが、意外にも9時にポンとテーブル席の予約が取れてしまいました。

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たまたま雨が降っていたのが幸いしたのかも知れません。 実はロンドン野郎、ふぐ料理って手が届かないくらいものすごい超高級和食メニューだとばかり思っていたのですが、意外にもそんなに高くない。

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このお店の3900円コースでも、しっかりフグの皮の付き出し、ふぐ刺し、てっちり鍋に雑炊まで付いてくるんです。 しかも量もそこそこで美味しい。 これ↑フグ皮 ね。

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おなじみの薄切りのお刺身一人前。 フグのお刺身(てっさ) って、お約束のようにこんなペラペラに薄いですよね。 繊細な味を楽しむ為にこんな風になっているのかと思ったら、実はフグの身って、あまりにもしっかりし過ぎていて、硬くて、普通のお刺身の大きさに切ったら、とてもじゃないけど噛み切れないんですって。 だからふぐのお刺身は、薄く切るだけじゃなくて、さばいてから少し時間を置いてから出すものらしいです。

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てっちり鍋。 これ、紙でできたお鍋です。 こういう席で話題になるのはフグの毒。 いったい毎年どれだけの人が当たって死んだりするんだっている話になるのですが、冗談でも『滅多にいない』なんて外人さんにいうと、かなりビビってしまいます。 日本ではフグの調理はちゃんとした免許が必要で、普通のお店で当たって死ぬ人はいないなんて説明するんですね。 ついでに、京都の秘密の料理屋さんで、御禁制のフグの肝を何人前も食べて亡くなった有名な歌舞伎役者の八代目坂東三津五郎さんのお話をして、少しだけビビラせたりするのも場を盛り上げるテクかな?

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お店のきれいなお姉さんがちゃんと調理してくれます。 最後には雑炊も。 ふぐ雑炊って、すっごく濃厚なだしが出ていて本当に美味しいんですよね。

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ふぐ料理には、ひれ酒 もつき物ですよね。 これも美味! さすがにふぐ(Blowfish) に猛毒があることは世界中で知れ渡っているので、カナダなんかでは間違っても食べる事はできません。 世界中でもふぐを食べるのは日本人と韓国人くらいかも知れません。

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このお店は、チェーン店の『玄品ふぐ』さんの数多ある支店の中でも特に力が入っている特別なお店らしいのですが、内装がスゴイ。 こんな風に店中に熱帯魚が泳いでいます(これはふぐではありません)。

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予約をしてお店に入るとテーブルの上にこんな気の利いたサービスも。 雰囲気はもうお一人様ウン万円の超高級店。 偶然見つけただけのお店ですが、ちょっとお勧めです。

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場所は旧防衛庁「東京ミッドタウン」のすぐ脇。 やっぱり店の外に一歩出れば、六本木の週末の夜です。

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品川のホテルに帰るタクシーの正面に、冬色の灯りでライトアップされた東京タワー が、深夜の六本木の空にそびえ立っていました。


壱銭洋食 - ちょっとだけ日本

2008-03-17 10:35:53 | グルメ情報

これも今回日本出張中、京都の街をカナダ人のお客様夫婦を案内していた時の事です。 清水の舞台から飛び降りた後、さあ昼飯を食べようかという話になりました。 そこで、関西名物お好み焼きを食べさせてあげよう、と思いつき、『はうあばうとジャパニーズピッザふぉーらんち?』と聞いたところ、『そりゃ面白そう!』という話でまとまりました。

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タクシーをつかまえて、『どっか、美味しいお好み焼屋さん教えてくれへん?』と運転手さんにお願いしたのですが、『お好み焼屋さんは普通夜から営業なんで・・・』と意外な返事。 こちらはお客様を盛り上げてしまった手前、引くに引けません。 『そ、そこを何とか!』 といっても、どうする術もあるわけではなく、少々困っていたところ、『そやったら、一銭洋食はどうでっしゃろ?』と。 『い、一銭洋食!?』。 タクシーの運転手さんのお話によると、一銭洋食っていうのは、お好み焼きの元祖みたいな食べ物で、要するにソースをかければ何でも”洋食”だった時代の食べ物らしいんです。

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場所は祇園エリア。 四条から縄手通りをちょこっと北に入ったところ。 お店は正確には『壱銭洋食』っていうらしいのですが、本来はこの店の登録商標ってわけじゃなく、ごくごく一般的な名称だったようです。 お店の前で待っている人はマネキン。 昭和初期系の雰囲気らしいものを演出しているようですが、結局は全体的になんだか訳の分からない店構え。

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いきなりドドドンと、これが壱銭洋食、というものです。 広島焼きみたいに薄焼きの生地を二つに折って具が間に挟まっています。

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中身が何かっていうと、こんな風に大量のネギに肉の切れ端、それに天かすやちくわ、最後のとどめが豪快に卵を二つってな感じ。 ちょっとビリからで、意外にボリューム感があり、生ビールにもよく合います。

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店の壁には故高円宮様がご来店されたとの写真が額に入れて並べて二枚も飾られています。 『宮内庁御用達』まで書いちゃっていいの? 余談ですが、高円宮様はオンタリオ州キングストンのクィーンズ大学に留学され、更にその後は日加協会名誉総裁などもつとめられ、カナダにはとても縁の深かった宮様です。 カナダ大使館で駐日カナダ大使とスカッシュをプレーされている最中に心臓発作で倒れられました。

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昔は壱銭だったのでしょうが、平成の壱銭洋食は一枚630円。 他にはメニューはありません(キッパリ)。 日本人同士でも説明に少々困る不思議なお店でもありましたが、話のネタには面白いかも知れません。 ちなみにお連れしたカナダ人のご夫婦はとても面白がって食べられていました。 『ピザっていうより、クレープね』というのがご感想。