YB&YBRダイアリー

中国ヤマハのYB125SPとYBR125でバイクライフを満喫するブログ
(自己責任を伴う整備・改造を多く含んでいます)

ダイハツカーラジオ資料

2022年11月01日 | 雑記

 ついに11月になってしまい、今年も後2ヶ月になって
しまった。
さて、オートバイや車のネタが無くなりかけているので、
前から実行しているカーオーディオの話なんか書いてみ
る事になった。

 この写真の物はダイハツの軽トラックなどの商業・貨物車の
シンプルグレードに搭載されている「カーラジオ」。

AM/FM放送受信だけに特化されており、スピーカーは
ラジオ本体に内蔵させる徹底ぶり。
これを後で一般的なカーオーディオに交換するオーナーも
多いらしく、リサイクルショップで時々見かけたり数台売れ
残っているのを目にするのだ。

単体でラジオ機能が完結するなら電源を用意すれば小型据え
置きラジオとして家庭内で使えるはず。
で、色々調べたら先駆者が居たのだ。
早速入手してあれこれと運用や改造をしてみた。

 今回の内容は年式・仕様などダイハツ向けの製品の話で、
スズキや他社OEM車用の製品は配線コネクター適応できない。
それぞれの個体差もあるので電気を理解してコネクタのピン
アサインを解析したり、他の情報発信者を見つけてください。

 最初に買ったのは割りと新しそうなモデルで型番は
86120-B5111

写真の上段にあるモデルで表面パネルにダイハツの文字
は無い。

 背面を見るとDのマークが刻印されてて、これが
DAIHATSUを意味するとのこと。

ネット上の情報からコネクターのピンアサインはこの電源
配線位置になるのがダイハツ向けカーラジオの仕様との
事である。
バッテリー電源は直流(DC)12Vを直接常時接続し、内部
 の時計や周波数メモリーの保持を行っている。
ACC電源は車体のメインキーをONにしたら通電するアクセ
 サリー電源の意味で液晶表示のバックライトが点灯し、ラジ
 オの音量ツマミを押せばラジオ電源が入って鳴る仕組み。

他所のメーカー向けはこれらの接続ピン位置が違うので闇雲に
接続すれば故障する。

 車外、つまり屋内などではこんな配線を用意すると使える。

電源は100Vコンセントで使えるDC12V変換アダプター。
回路内の電解コンデンサーは独自に加えた物で10秒程度の
停電(瞬断)や模様替えでちょっと電源を外してもすぐに
差し込めば内部設定メモリーが保持されるので便利だ。
無くても動作はする。
途中にギボシ端子があるけど、これも直接メス110平型端子に
圧着しても良い。
ギボシ端子を中間に入れた理由は、後から配線の長さを変えた
り消費電流などの測定割り込みをしたい時に便利だからだ。

 本体のコネクタ端子に接続するための110平型端子メス。

配線を圧着してから熱収縮チューブを被せて絶縁処理。

 ギボシ端子分岐など全体像。


 12V+配線の分岐には二股メスギボシ端子が便利だ。

ここはハンダ付けと熱収縮チューブ絶縁でも構わない。

 本体背面のコネクターへの接続。

黒色のアース線の位置を間違え無ければショート発火は
起きない。
赤・茶は結局DC12V+なので入れ替えても動作する。

 用意するのはこんなACアダプター。

某リサイクルショップの「青箱」で探すと良い。
色々な物があるだろうが、まず表示部分を良く見る事。

 入手したのは12V0.3Aの品で昔の電話機用のアダプター
みたいだ。

そして端子のセンター+極、スリーブ-極が良い。
特記したいのは内部の整流回路がノイズ発生が低い
トランス式降圧回路である事。
放送の電波が弱い地域ではトランス式を使いたいものだ。
これは手に持った時にズッシリ重い感じで他の軽いスイ
ッチング式に比べて少し大きいから分かる。
トランス式は負荷の動作電流によって電圧が若干変動するので、
実際は10V~11Vの0.5A~1.0A13V~14Vで0.2~0.3A
表示でも問題無い。

スイッチング式は安定化されているので、表示は12~14Vで
定格電流は0.3A~2.5Aの範囲内の好きな形で良いだろう。
ノイズ対策を意識した日本メーカーブランド物をオススメする。

 ACアダプターからの電源プラグは大きさの合うジャックを
見つけて用意した。

これは電子部品屋で寸法の合う物を入手した。
写真には手持ちだった電解コンデンサー3300μF50Vが追加
してある。
耐圧25V物ならもっと小さいので無理して同じ50V耐圧品
を買わなく良い。
安全マージンを考えて耐圧16V品は採用しなかった。

 ラジオ本体の固定ネジの制限。

側面の固定ネジ穴にはネジ山が切ってあり、M5で表面か
ら8mm奥が限界長。

長過ぎると中の部品に接触して故障が起きるのだ。
よって取り付けネジの長さは少し吟味しないとならない。

 こんな外箱を作ってみた。

ありあわせの木の板で、現物合わせしながら作った。

 固定ネジはこの長さに決定。

筐体表面から4mm奥にネジ込む寸法になったよ。

 組み込むとこんな感じ。

家庭内の据え置きでもかっこいい。w

 背面の配線の様子。


 アンテナのコネクターはカーラジオ仕様。


 車載時はこんなプラグ配線が挿してある。


 寸法の規格はこんな感じ。

マイナス0.2mm公差でも問題ない。

このアンテナケーブルは市販されている例は少なくて、
自動車解体屋さんなどで廃棄予定の事故車から外して
譲ってもらうか電子部品屋を探すしかない。
俺は廃車から切って入手したが発想を変えてアンテナ本体
まるごと買う手がある。
アマゾンで「カーアンテナ」など検索すると色々見つかる。
また「FMアンテナ 自作」でWEB検索すれば、色々簡単な
室内アンテナや屋外アンテナの自作例もある。
マンションや団地などの集合アンテナにFMアンテナが付い
ていれば、テレビ共聴アンテナ端子からVHF帯への分波器を
付けて接続すると良く聞こえるだろう。

 簡易的だけど、こんな方法もある。

電子部品の小型バナナプラグで先端径が2.5~3.0mmなら
ビニール線をハンダ付けすればアンテナとして使える。

 なんと差し込めるのだ。

ここでビニール線の長さを波長計算から90cmにすると、
効率良く電波を受信できる。
ついでにネジ部にアース線90cmを共締めして適当に転が
してやれば、もっと良く聞こえるだろう。
アンテナ線の角度や方向を色々変えて良く聞こえる位置で
固定する。
室内では外壁際や窓際にラジオを置くとさらに聞こえやす
いのだ。

 実際に使ってみる。

ACアダプターを接続するとバックライトが点灯し、時計
表示する。
部屋に時計が無い時は便利だ。w

 音量ツマミを押して電源をONにすると放送を受信する。

AMとFMそれぞれ6局分、計12のメモリーができて、
CH選局ボタンを押すごとにメモリーした局が変わって行く。
この機能が意外と便利だ。
安い中古ラジオみたいにいちいちダイヤルを回して選局する
必要が無いので、家庭内で聴く時も素早く変えられるのだ。
小さな工場や作業部屋にちょうど良い。
こうして車載用のAM/FMラジオは自室で据え置きして
コミュニティFM放送などをBGM代わりに楽しんでいる。

しばらく使っててバックライトが常時点灯することが気にな
りだした。
就寝時にちょっと眩しく感じたから、内部改造をしてスイ
ッチOFF時にバックライトが消えるようにしようと考えた。

 筐体を開けてみた。

中は面実装部品で構成されており、肝心のバックライト
部品は白いカバーの中にある。
このカバーを外すためには液晶表示板の沢山の端子を
全部一度にハンダ除去せねばならない。
しかもプリント基板の配線パターンが裏表の両面仕様で
スルーホールまで解析しないとならない。
「苦労対効果」を考える得策では無いから諦めた。w

 これは新しそうにな製品を選んだら裏目に出たのだ。

新しい設計なのでパワーアンプはデジタル式のD級だから
背面に放熱設置されていない。
買う時は少し古い物の方が内部改造する時に有利だね。

 後日、少し古そうなモデルを見つけて購入したよ。

買ったのはダイハツ向けモデルの86120-B5030。
冒頭の写真の下段に写ってる製品だ。
パネルにDAIHATSUの文字が表示されている。

 背面にアナログ式パワーアンプICの放熱固定位置が見える。

背面にパワーアンプICが固定されているモデルは部品構成
が旧型なので、もしも内部改造などを行いたい場合は背面
を見て決めると良い。

 筐体を開けるとリード部品構成の片面基板だ。

しかも電源スイッチ付き音量ボリュームのそばにLEDバッ
クライト用の安定化回路が配置されている。
少し古いモデルの方が実に都合が良い。

 改造内容はこれ。

バックライト用回路の電源経路を音量ツマミの電源スイッチを通過した後に接続変えする。

 基板裏の改造箇所。
これはモデル86120-B5030専用の基板で他の古いモデルはこの仕様では無いはずだから、
電気解析が出来ない人は鵜呑みにしないでくれ。

配線パターンの銅箔を2箇所カッターや彫刻刀で切る。
そして2箇所、配線をハンダ付けしてジャンプ接続する。
配線はLANケーブルを解体した中の細いテフロン被覆線が便利。

 近影。

これを見ても難しそうと思う人は改造しないでそのまま使った方が良い。

余談だけど、このプリント基板の「基板」を「基盤」と
表記するブログや動画記事、WEB配信会社の記事を時々
と言うか沢山見かけるけれど、実は大きな間違い表記なのだ。
「Printed circuit board(プリント基板)」のbord(板)
正しく、「foundation」または「base」が意味する基盤は
プリント基板という物に使わないのが電子業界の常識だ。
どこかのだれかが変換で最初に出た単語を誤用し、それが
広く一般に伝染したんだろう。
Wikipediaや電子部品メーカーでもこの誤用について解説がある。
電気・電子・PCハードウェアに関係した動画でプリント基板を
基盤と略して表記するのは恥ずかしいと仕事で話題になった事も
あるのだ。w

 さて、改造が終わって無事にバックライトが電源スイッ
チと連動した。

電源を切ると消灯し、時刻だけは表示するようになった。

 自室に適当に置いて、快適にラジオを聴いている。

大きさが小さくて操作も簡単。
スピーカー付きだから設置も楽々。
奥様が台所で炊事する時に聴くのに便利だと言う愛用者
も居るとの事だ。

以上、ダイハツ向けカーラジオの利用方法でした。

なお、以下のサイトが大変参考になったので一読すると
良いだろう。
スズキ向けのカーラジオのコネクター配線資料も載って
いる。

HMcircuit様 リンク

スピーカー内蔵カーラジオの改造~AUX(外部ライン入力)増設&高音質化~

スピーカー内蔵カーラジオの改造 Ver2 ~AUX(外部ライン入力)増設~

D級アンプの現行モデル(39101-82M20 / 86120-B5111)



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