legno-Diario-自閉症児は不思議生命体-

~自閉症のすーさん(小学1年生)といい婆さんのなんでもかんでも~

月・水・金曜日のゴミ袋

2004-09-15 12:36:32 | 婆さん
 婆さんのところは
 月・・プラスチックゴミの日
 火・木・土・・が燃やすゴミの日
 水・・燃やさないゴミの日
 金・・資源ごみの日  となっている。(公表することでもないな)

 まだ、北風がピューピュー言いながら老体をいじめていた頃より、
2号室の玄関のドアの前に月・水・金曜日の夕方6時過ぎに2つのゴミ袋が置かれるようになった。

 婆さんが孫娘を保育園に迎えに行って帰って来る時にそのゴミ袋を見ていた。

 確か2号室には孫娘より半年後ぐらいの誕生日の男の子がいたはずじゃ。でも、最近は姿を見ないな。

 2号室のママさんと息子君を見ない代わりに、朝9時と夕方6:30頃にちょくちょくおじいちゃんとおばあちゃんが来たり帰ったりする姿を見るようになった。

 そのゴミ袋が置いてあるのを見ると「明日は火曜日か?」などと曜日を確認できるくらいになった頃、2号室のパパさんらしき人とエレベーターに乗ることになった。(顔をあまり見ないのでたぶんそうだろうと・・・)

 エレベーターで「こんばんは」と声をかけてもパパさんからの挨拶は返って来ない・・なんか肩口に緊張の色が見えるな。

 同じ階で降りるとゴミ袋の端っこが見えた。エレベーターからなかなか降りない孫娘と「みんなの使うものだから、早く降りて下さい」と交渉している間に、2号室のパパさんがゴミ袋をちょっとずらして玄関の扉を開けて中に入って行った。

 「なんで入ってくるの?」(ママさんの声)
 「カバンを置いてから・・と思ってさ」(パパさんの声)
 「カバンなんて持っていたってゴミ出しぐらいできるでしょ」(ママさんの声)
 「・・・・・」(パパさんの声にならない声)

 慌てて玄関から飛び出してきて、例の2つのゴミ袋を抱えるようにしてエレベーターの方へ小走して戻って行った。

 すれ違う時に孫娘が「おかえりぃー」と2号室のパパさんに声をかけたが、やはり返答はなかった。

 孫娘はドアが開いて出てくる人に対して、「おっはよう」か「おかえりぃー」を言うのが楽しくて仕方のない時期だったので、返答がなくても気にしていない様子だったがな・・ww。

 それからと言うもの、2号室の玄関の前にゴミ袋が置いてあると
「パパさんはまだお仕事から帰ってきていないんだな」と思うようになった。




 先日、またエレベーターで見覚えのある人と一緒になった。1人は2号室のパパさんだった。今日は可愛いプリントTシャツを着て、笑って挨拶をしてくれたので・・わからなかった。(いつも背広を着て緊張した面持ちだからね)

 で、傍らですでに生後7.8ヶ月の赤ちゃんを抱いて笑っているママさんがいた。2号室のママさんだ・・・。

 春が来て、夏の暑さに悲鳴をあげ、やっと秋になって・・2号室のゴミ袋の背景が見えたのだ。

 そっか、おじいちゃんとおばあちゃんがひっきりなしに来ていたのも年が離れていない2人の孫の子育て援助だったんだ。

 パパさんが帰ってくることよりも、一刻も早くゴミ出しを済ませてもらいたいとイライラしていたママさんの心模様・・大変でしたね。

 パパさんだって、月・水・金曜日の帰り道は緊張して・・大変でしたね。

 でも、秋が来てお二人も赤ちゃんも笑っている。めでたしめでたし。

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 誰だって皆いつも大変だ。でも、大変だと嘆いているだけだと幸せは見つからない。

 幸せを感じるには時間がかかる。

 手っ取り早い幸せがあるのなら、皆それを手に入れているはずだ。

 試行錯誤して、暗中模索してつかんだ幸せは本物だ。

 今日は水曜日。

 これからは、2号室のゴミ袋が出ていなくても、曜日のわかる婆さんにならないとな。

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