らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

練習と本番

2008年09月19日 23時54分22秒 | 山形弦楽四重奏団
 本日で山形響の文化庁派遣音楽鑑賞教室ツアー(9月分)は、終了。月曜日から通常業務に戻ります。最終日は旧八幡町での音楽鑑賞教室で、帰宅後夜の18時頃から山形Qの練習が有りました。

 9/21(日)米沢興讓教会における演奏会のための練習です。
 プログラムは、
・F.J.ハイドン『十字架上のキリストの最後の7つの言葉』Op.51
・幸松肇 弦楽四重奏のための4つの日本民謡第2番
    ~八木節・南部牛追い唄・おてもやん・会津磐梯山~
・P.チャイコフスキー アンダンテカンタービレ

                   です。

 その他、午前中の礼拝時にも何か演奏してほしいという事でF.J.ハイドンの「皇帝」から第2楽章を演奏します。チャイコフスキーと幸松肇氏の曲は何度か本番をした事がある曲ですが、F.J.ハイドンの『十字架上のキリストの最後の7つの言葉』Op.51は、初めて本番を行う曲です。

 プロフェッショナルというものは、「言い訳をしない」という事を以前書きましたが、もう一つプロフェッショナルについて書くと「プロフェッショナルは結果が全て」だと思い始めています。私達山形Qは最初、「自分たちのための研究会」的な方針で活動を始めました。もの凄く悪く言うと「室内楽好きな仲間とのサークル活動」でした。本番の出来はもちろん大切ですが、その過程(練習)がもっとも大切でした。練習してきたとか、誰よりも曲について研究してきたとか・・・。

 百歩譲って、自分たちの自主公演~定期演奏会は「自分たちで責任を負えば良い」ので、ステップアップのための背伸びや、冒険が出来ます。しかし、依頼演奏会等が増えていて本番をこなすうちに「一生懸命やるだけのことはやった」という練習過程の苦労は、依頼したクライアントさんやお客さんには関係のない事で、その日の演奏会が良いか?悪いかだけで山形Qが評価されてしまいます。

 ここ山形で弦楽四重奏というジャンルの火を消さない~ファンを増やすという事については、山形Qは大きな責任を負い始めているのです。1回ごとの本番を成功していくしかないのです。私の言っている事は堅苦しいですかね?笑。

 音楽は瞬間の芸の積み重ねなので、音を出した後に「失敗した!今の無し!」という事はレコーディングでしか出来ません。弦楽四重奏というジャンルはただでさえ難しい音楽です。一人で何とかしようとしても出来る音楽ではなくて、結果的に4人で音楽が合って進んでいかなければならない音楽です。音程・バランスなどいくら練習して調整してもやり足りないくらいものです。

 パーティーなどで演奏するBGMの仕事を1回位の練習やもしくは練習無しでやるような団体は私達は目指していません。全ての演奏機会を大切にするために前もって準備を出来るだけする団体なのです。それでも本番には天使なのか悪魔なのかわからない物が沢山います。本番は水物ですから、自分達がどういう演奏をするのか?予想がつかないのです。

 今回の米沢演奏会につきましても、本業山形響の業務が多忙でしたが10回近くも練習しました。褒めてくれと言っている訳ではありません。これは私達のいつものスタイルなので、あたりまえのクラッカ~なのです。

 弦楽四重奏の生演奏で傷が全くない演奏というのは聴いた事がありません。そういうジャンルなのです。難しいです。だから本番直前まで、一人一人が神経使って練習するしかないのです。練習の結果、本番の成功の確率が少しでも上がれば良いじゃないですか?それだけ苦労しても乗り越えた先には、充実感に満ちて嬉しい事がいっぱいあるジャンルなのです。

 明日1日有りますので、まだまだ自分で極めたいと思っています。

 よろしければ、足をお運び下さい。礼。

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6 コメント

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Unknown (らっこ)
2008-09-20 01:08:41
音楽のことは実はよくわからないけど、なんか受験勉強に似てるかも…とか勝手に思ってしまいました。

ぴのこ…E.Tそっくりですね(笑)
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>らっこさん (らびお)
2008-09-20 01:19:20
 こんばんは。
受験勉強と確かに似ているかもしれませんね。
試験後に「あそこの問題はAじゃなくBです」とは言えませんものね。結果が全ての所も・・・・・。しかし、受験勉強の過程は「長い人生」ではどんなに回り道しようと無駄では有りませんよ。大学に行くなんて人生の一つのハードルみたいなものです。大学に行く事が全てで、受験勉強で人生燃え尽きた友達が何人かいましたっけ・・・・。

私、こう見えても一応進学校に通っていたので、色々なサンプルを見ました。良い大学に入る事も大切かもしれないですが、入って何をやるかですね。そして卒業後の人生の目標とかしっかり持つために、大学に行きましょう。

色々な事が経験出来ると思いますよ大学は・・・。

ぴのこは今、大の字で寝ています。
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八幡町 (balaine)
2008-09-20 05:54:40
お近くまでいらしていたのですね。八幡町中心部から拙医院まで車で10分くらいなのですよ。今度、時間があったら是非お立ち寄りください!
受験勉強、私は2年もエキストラで頑張りましたから、あまりいい思い出はないですが(仙台の某予備校でトップだったのに東北大医学部に落ちたりしました)、その結果「本番に弱い?」などと言われたりして、音楽においても本番で練習の成果を出す事にとてもナーバスになってしまいます。受験は「楽しむ」ことなんてとても出来ませんでしたが、音楽はアマチュアならではの気楽さ(ちょっと違うか、、、)で「楽しむ」ことが出来るので、違うと思いますね。
演奏というのはコンクール以外では点数を付けるためにある訳ではありませんし、「満点」や「正解」を目指すものでもないでしょうし、逆に「音楽において満点って何?」という世界なので、単純なミスは論外としても一回勝負の「本番」といえど「自分の求める音楽を追究する一つの過程」であると思います。
それは、世界的名手でさえも、一回一回同じ音楽にはならない訳で、そこが音楽の面白さであり凄さだと私は思います。(^^
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好きではじめたことが (narkejp)
2008-09-20 07:03:28
>ここ山形で弦楽四重奏というジャンルの火を消さない~ファンを増やすという事については、山形Qは大きな責任を負い始めている

あまり堅苦しく考える必要はないと思いますが、実際のところ、そういう面はあると思います。好きではじめた映画の自主上映がいつのまにか独立系映画館運営に変わったり、気楽にはじめたアマチュア演劇グループがいつのまにか地域の演劇文化の要になっていたり、山形には他にもそういう例がけっこうありますね。
県内在住の音楽好きとしては、ありがたい限りです。当方の音楽体験には、山響とともに山Qの存在が大きくなって来ています。一回一回の演奏会が、あたたかく良いものになることとあわせて、できるだけ長く、記録を伸ばし続けてほしいものだと願っています(^_^)/
村山市の東沢公園のミニ演奏会も、楽しみにしていま~す(^o^)/
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>balaineさん (らびお)
2008-09-20 18:11:25
こんにちは。
10月に1週間まるまる酒田に通うスケジュールが予定されています。今年は、北庄内(って呼ぶかしりませんが)は多いようです。

アマチュア音楽家は楽しむ事が一番だと私も思いますよ。アフターのお酒でも良いし、名曲を経験出来たという満足感でも良いかもしれません。自分の本業が有る中、好きでやっている活動なのですから、修行僧のような苦行はしたい人はすれば良いけど、本来は必要悪活動ですね。色々な事をひっくるめて楽しめば良いのです。

私達の活動はまだ始まったばかり(8年目)なので、演奏会毎にその時の「正解」を求める作業を全力でしています。何ヶ月、何年先に過去の演奏を「全否定」出来るようになるためです。その繰り返しが進化とか自分たちの色を形成していくのだと私は思っています。




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>narkejpさん (らびお)
2008-09-20 18:18:33
こんにちは。
メンバーに「万が一」がなければ、ここしばらくは活動を継続出来そうです。評判とともに自分たちの演奏に対する自信がもう少し出てくるまで、頑張るしか有りません。

今後の活動の計画は、ハイドンの全曲演奏継続、年に2曲はベートヴェンの演奏・年に2曲は邦人作品の演奏などです。

ブログにオープンで書く事ではまだないですが、CDを1枚制作したいと思っています。自主制作盤なので、団で今お金を貯めている最中です。後何年後になるかわからない計画ですが。
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