らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

杜の都へ。

2012年05月21日 23時59分49秒 | クァルテット
 本日は、さくらんぼQで恒例の仙台の某施設への訪問演奏に行ってきました。

 演奏時間は30分強。プログラムは、
・W.A.モーツァルト 弦楽四重奏曲第5番 ヘ長調 K.158
・W.A.モーツァルト 弦楽四重奏曲第6番 変ロ長調 K.159 他でした。

 楽しそうに手を動かしながら聴いている方、涙を流している方、笑顔で体をゆすっている方・・・・。演奏している方が、いつも元気をもらってくる感じです。これは、きれい事でもなんでもなく事実。最後に「また来てね~」と言いながら握手を求める御婦人、こういうのが来て良かったと思える瞬間です。

 全然話は違うのですが、私3月くらいから、気分がぐぐぅ~~~~~と下降気味で、鬱というわけではないんですが、とにかく気分が悪く、機嫌が悪い日が続いていました。まぁバイオリズムの関係や黄砂アレルギーもあって、そういう理由から気分が乗らないのかなと思っていました。別に普段の生活に支障は一切無いのですが、仕事辞めるかなとふと思ったりね・・・・・。

 どんな仕事場であれ、多少の嫌なことやストレスはあるものです。それが無い仕事などあり得ないでしょう?

 でもね、ぐぐぅ~~~~と落ちた時に、負けるものか!とかどうにかしなくちゃ!なんて一切思わないで、ただぼぉ~~っと目の前にある事象に流される毎日を送っていました。体調管理などだけはやっていましたけど。

 誰にも相談などせずに、毎日過ごしている内に、私はもの凄く特別なことをしているのだと言うことに気づいたのでした。演奏活動って、私達プレイヤーにとっては、日常で、いつも当たり前のようにやっている事なんです。しかし、毎年1000人音楽大学卒業した方々のうち演奏家になれるのは、たぶん10人もいません。それでも音楽関係の仕事がしたくて、地元に帰って子供達の指導をしたり、楽器屋さんに勤めたり、学校で音楽を教えたり・・・・。そして、10年もすれば10000人くらいの演奏家になれなかった人たちがいるのです。もちろん演奏家になることだけが幸せなわけではないので、話を半分に聞いて下さいね。そういう人達が、オーケストラの少ない席を争って、奇跡的に縁あるオケに就職できて活動するのです。

 一般の方々からみると、クラシック音楽は特殊なものでしょうし、オケで働いている人も特殊な人なのでしょう。舞台で拍手をもらう落語家や漫才師、歌手や我々プレイヤーなどなど特殊に思われがちですが、本人にとっては日常の生活の中なので、特別なことをしている意識も薄れてくるので、新鮮な気分でモチベーションを上げるのは、ちょっとしたコツがいるのです。全ての仕事が公平で、すべて全力で行えているというのは、かっこつけた表向きの発言で、そうするように努めているというのが、正直なところでしょう。プロの演奏家といえども人ですからね。マシーンではありません。

 そんなつまらない思考回路の中で、舞台上で演奏して、拍手をもらっている自分を真上から見下ろした時に、なんて運が良いんだいあなたは?何が不満なの??もっと与えられた運命を受け入れて感謝すべきじゃないの??という自分がいるのに気づいたのでした。

 そうしたら、長いトンネルを抜けたような気分になったのでした。小さい事なんて・・・・・今まで悶々としていたのがアホらしく思えて・・・。

 演奏会では、演奏者側が一方的にお客様に音楽を提供しているのではなくて、お客様の方からパワーをもらうというのが、実感できた1週間になりました。

 ご清聴ありがとうございました。
 
コメント (2)
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