らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

ドヴォルジャーク・アメリカ

2010年04月10日 23時56分06秒 | お気に入りのCD
 クラシック音楽ファンは、ベートーヴェンの「運命」「田園」「第九」と言えば名曲中の名曲と誰でも知っていると思っています。そしてドヴォルジャークという作曲家と言えば「新世界」「チェロ協奏曲」あたりがすぐ出てきます。しかし同じクラシック音楽ファンでも交響曲に興味が無くて、オペラしか興味ない人はこの曲達を知らないかもしれません。

 弦楽四重奏というジャンルがクラシック音楽ファンの中でもコアなイメ~ジがあるために、ファンであっても弦楽四重奏の有名な曲でさえ、名前だけは知っているという状態の場合が多い気がします。実際に弦楽四重奏というジャンルを生で聴いたことがあるという人は意外に少ない気がします。

 だから山形Qの演奏会でプログラミングをする時に、これは名曲で有名な曲だからお客様も集まるだろうし、お客様が喜ぶだろうと勝手に予想していても、実は違う結果になる場合が少なくない気がします。

 弦楽四重奏曲の中で、一般の人も知っている(聴いたことがある)と演奏者側が勝手に思っているだけで、実は予想以上にマイナ~ジャンルだと言うことなんです。勿体ない!!!

 有名曲だと演奏者側が思っている曲を並べると、シューベルト「死と乙女」・ベートーヴェン「ラズモフスキ~3曲」・ハイドン「ひばり」「皇帝」・そしてこのドヴォルジャ~ク「アメリカ」などなどだろうと思っています。しかし、このへんの曲でさえ全曲通して聴いたことのある方は少ないのではないでしょうか??プロの演奏家でも、たとえ弦楽器奏者でもこのジャンルに興味が無い人は聴いたことが無いかもしれません。

 このジャンルに詳しくないクラシック音楽ファンの方は、一番有名なのはモーツァルトの「アイネクライネナハトムジーク」だというかも知れません。この通称アイネクは作曲動機や演奏形態が謎のままなので、実は弦楽四重奏で演奏するときもありますが、厳密にはこのジャンルにはカウントされていません。

 もしこのジャンルに興味を持ってみようかな?という人がいたら、まず名曲と言われている有名曲から、そして評判の良いCDから聴いてみて下さいね。自分に魅力的ではない演奏のCDを聴いてしまっても、他の演奏で聴いたら魅力的に感じるかも知れないので、1枚・2枚位でめげないでくれるととても嬉しいです。

 と言うことで、本日は、カルミナQ(クァルテット)のドヴォルジャ~ク 弦楽四重奏曲第12番 ヘ長調 Op.96を上げておきます。本日あげたCDより後の1997年に録音されてDENONから発売されたドヴォルジャ~ク「アメリカ」もありますが、私はこの Bayerレコードから1994年に出たCDの方に思い入れがあります。

 私が、弦楽四重奏というジャンルに完全に熱中し始めた時期に、パリで買い求めた1枚で、その時に旅費が少なくなっていたので、1日食事を抜いてこのCDを買い求めたという思い出があるからです。日本に帰ってきて聴いたときの衝撃は今でも忘れません。最初から雄弁に歌うチャプニ~のヴィオラにメロメロになりました。

 学生時代にアメリカを当時の仲間達としょっちゅう演奏していたのに、この曲にはこんな魅力があるのか・・・。と再発見させてくれたCDなので、DENONの新盤が出てもその時ほどの感動は得られませんでした(もちろんものすごい良い演奏ですよ)。

 他に収録されていたプッチ~ニとガ~シュインの弦楽四重奏にも感動して、「こんなに美しい旋律の曲があったのか・・・」なんて嬉しくなりました。楽譜を捜して仲間とアンサンブルして遊んでいたのは良い思い出です。

 是非聴いてみてくださいな。
HMVジャパン
コメント
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