らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

田舎の風景とBrahms

2008年10月13日 14時17分29秒 | 大江町
 しばらく目を癒してくれた黄金色の田んぼも刈り取り作業がすすみ、稲が干されているのがお地蔵さんの行列みたいに見えます。稲の干し方も地域によって違いますね。大きい物干を作って、カーテンみたいに干している所。田んぼにピラミットみたいに束を干している所。そしてよく目につくのが、写真のようなお地蔵さんタイプ(勝手にそう呼んでいます。)

 田んぼのまわりの林檎もずいぶん赤み帯びてきました。
     

 今日は、近くの月布川も水が少なくて、ずいぶん穏やかです。
     

 ベートーヴェンやブラームスなど自然を愛した作曲家はたくさんいました。
彼らが愛した自然は森や湖畔などで、ここ大江町のような里山風な自然ではないかもしれませんがコンクリートジャングルみたいな場所より、彼らと近い環境にいると言えるかもしれません。彼らが居住したウィーンは、石畳の道路や教会があり大勢の人で賑わっている当時の都会でしたが、今の山形位の環境だったと推測されます。

 人が賑わう街とそれを取り囲む山や森。山形響に客演して来県する指揮者達が、海外みたいだと言うのもあながちリップサービスではないでしょう。

 私がクラシック音楽を好きになっていって、CDを収集し始めたきっかけになったCDがあります。

 大学の有った江古田駅の踏切近くにあるMusic Gate(CDショップ)で買った1枚でした。ちなみにこのMusic Gateは、私達が学生の頃は、喫茶店とCDショップが一緒になっていて、よく珈琲を飲みながらじっくり吟味してCDを買う事が出来ました。今の季節のマロンパフェは最高でしたが、今は残念ながら喫茶店はやっていません。

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 セル&クリーヴランド管によるブラームスの交響曲第2番 ニ長調と大学祝典序曲がカップリングされたものです。当時1枚のCDは3500~4200円位が一般的で、このCDはソニーが3000円という画期的な値段で出したシリーズの1枚でした。

 何故このCDを買ったかという事を話し出すと少々長くなりますが、書きますね。
私が所属していた武蔵大学管弦楽団は、私が入学するまで「武蔵大学合奏団」というサークル名でモーツァルトやハイドンなどの小編成の曲を定期演奏会などで取りあげるような団体でしたが、この年「武蔵大学管弦楽団」という名前に変更して、もう少し大きい編成の曲にもチャレンジしようとしていたところでした。今現在は定期演奏会の回数も50回を越えて、普通にロマン派の曲をプログラミングしていますが、当時はサークル内では画期的な出来事だったのです。

 その第1弾として、ブラームスの交響曲第2番を取りあげる事になりました。サークルの団員数ではこの大曲に立ち向かえないという事で、津田塾大学の「アンサンブルフィオリータ」との合同定期演奏会(第16回定期演奏会)という事になりました。当時の執行部だった先輩達は色々な事を考えて、こうした事を企画する情熱がありました。

 それまで、いい加減にサークルに参加していた私は、名門女子大生との合同演奏会だよ。格好悪い所見せられないなぁ~という気持ちで、貧乏ながらCDを買う決意をしました。サークル内では、カラヤンやバーンスタインなどを好きな人がたくさんいた中(こういう話題は、サークル内ではお酒付きで朝まで語り合うというのは普通にありました。今、まわりの人達に何故そんなに詳しいの?と珍しがられても、当時では普通の事でした)、あまのじゃく体質の私は、みんなが聴いた事があまりない指揮者とオケを聴いて勉強してやろうと決めたのでした。

 それがこのセルのCDだったのです。今は当時のカップリングではCDが無いので、同じ演奏が入ったCDをあげておきますね。
     

 当時先輩達が好きだった上記の2人やベームなどの演奏が生温く聴こえて(当時はそういう所がクラシック音楽嫌いになっていたように思います。今は全員好きですけど)、この精密機械のようなきびきびした演奏にどんどん引き込まれていきました。そしてムラビンスキーによるチャイコフスキーみたいに響くブラームスにも感動し、どんどんクラシック音楽にのめり込んでいくきっかけになったのでした。今聴いても最高の1枚ですね。セル万歳!!

 その本番は、今から考えると・・・・。う~~ん恐ろしい。当時は1stVnで演奏してました。汗。

 その時、共演した津田塾大学のメンバーの中に、今大阪シンフォニカーでコントラバス副主席をやっているWさんがいます。彼女は卒業後、藝大に行き直してプロになりました。山形響にも何回か客演してくれていました。当時の話をすると懐かしい気持ちになります。
HMVジャパン
 
コメント (11)
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