舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

空中ブランコ...と思ったけどやっぱり不毛地帯ネタ(汗)

2009-11-19 23:59:25 | 徒然話
ドラマ『不毛地帯』は、相変わらず素晴らしい面白さです。
こんなに面白いドラマは『あしたの、喜多善男』以来です。

それなのに視聴率がふるわないというのが、私としては全然納得いきませんな。
そういえば『喜多善男』も視聴率としては芳しくなかった記憶があります。
どちらも良い作品を力のある俳優が演じている秀作だと思うので、とても勿体ないです。

日本はどうも話題性で安易に題材を選んだり、プロダクションの言いなりのキャスティングに走ったりしているうちにドラマ全体の質が低下し、本当に価値ある作品が評価されにくくなっているような気がします。
同時に、いい役者さんも生まれにくくなりましたね。昔のように光る魅力を持った役者さんに滅多にお目にかかれなくなり、たまに出てきたと思ったら、劇団とか舞台で磨かれた役者さんである事が殆どのように思えるのは、私だけでしょうか?

そんな愚痴はおいといて不毛地帯、ますます目の離せない展開です。
時代はまさに中東戦争が始まるか始まらないかの瀬戸際。主人公・近畿商事の壱岐さんは、間もなく開戦すると踏み、海外の貿易界の実力者の要請を受けて、船の輸入に踏み切ろうとしますが、こないだも話したような壱岐さんの活躍を妬む小物たちの思惑により、「中東戦争なんて始まらんよ」と判断した船舶部門からノーを突きつけられてしまいました。
そのせいで、その商談はライバルの東京商事の鮫島に持って行かれてしまい、しかもやっぱり中東戦争も開戦。壱岐対鮫島の戦いは、ここでは敗北を喫しました。

しかし本当の戦いはこれからです。
壱岐さんの読みは「イスラエル勝利による短期決戦」。それに従い、錫などの物資の値が釣り上がったところで売り抜ける戦略を立てました。
一方の鮫島は「長期化しアラブ側の勝利」と予測。東京商事は物資を買い占める側に回りました。

こうして、まったく時を同じくして社をあげて売りまくる近畿商事と、買いまくる東京商事。
夜を徹しての激務の果てにもたらされた報せは、「たった数日間でイスラエルが勝利」でした。
つまり、今回は見事に近畿商事の読みが当たって、勝利を収めた訳です。
もちろん、この成果に多大に貢献したのは壱岐さんです。

壱岐さんの戦略のたて方を見ていると、まさに軍出身なのがよく分ります。
すなわち、失敗しないよう堅実に利益を守るやり方と、より大きな利益のためならたしょうのリスクも厭わない方法の二通りがあると思うのですが、壱岐さんは圧倒的に後者だという事です。

戦時において指導者は、膨大な数の人命(時には国家全体)を握る立場です。
そのなかではきょくたんな話、明日10,000の命を救うために、今日100の命を犠牲にしなければならない究極の選択を迫られるような事も少なくないでしょう。
壱岐さんが生き抜いてきたのはそういう世界です。それならば、彼の戦略が非常に大胆なのも納得できますね。
そのリスクの重さを思えば、戦争は決して許すべき事ではありませんが、じっさいに自分がやるかどうかはともかく(私はリスクを恐れるタイプなのでたぶんできない)、ドラマで観る分には大胆な軍師の方が面白いに決まっています。

そしてこの壱岐さん、大胆ついでに凄いことを言いだしました。
ナント社長に直談判し、直接的な言葉こそ濁したものの、社長に次ぐナンバー2の地位を要求したのです。

いくら直接的じゃなくても、この私の大好きなキレ者の社長がピンと来ない筈はありません。
即座に壱岐さんの言いたい事を把握しました。

人を蹴落としたり伸し上がったりする事に興味のなさそうな壱岐さんが何故? と思いますが、これは一般的な出世欲とはまったく異なる性質のものです。
実は、今回の一件で、現在のナンバー2である副社長が壱岐さんに強い抵抗を示し、そのせいで、壱岐さんと部下たちの仕事がかなり妨げられてしまったのです。
それさえ無ければ、近畿商事にはもっと莫大な利益がもたらされていた事でしょう。

つまり、出世を望む世の中の人の多くは「高い地位を得る手段としてより良い仕事をする」のに対し、壱岐さんの場合は「より良い仕事をする手段として高い地位を望んでいる」のです。
たとえ導きだされる結果は同じであれ、この二つの間には大きな隔たりがありますね。
ほんと、私は壱岐さんみたいな人が最高に好きです。

これに対する社長の返答は無いまま、次週に持ち越されました。
あああ、気になるじゃないですか。
しかしあのカリスマ社長のこと、そういう壱岐さんの心意気を見れば、ガッツリと良いポストを与えそうな気がします。
なんたって、与えられた地位にあぐらをかくのではなく、それを切り札に更に邁進してくれるのですからね。
壱岐さんが肩書きをタテに驕るような人物でない事は、これまでの8年間でとっくに理解しているでしょう。
もともと、そんな壱岐さんを買って社長直属の部署を新設し、そのヘッドに据えたのは社長なのですから。

ただ心配なのは、この壱岐さんがあまりにも裏表の無い人物だってことです。
いえ、そこが非常に好きなんですけどね。
でもこの性格のせいで、伝手として使おうとした人物のところに潜り込んでいたスパイの存在に気づけなかったり、副社長のようなあからさまに敵対して来る人物にもまるっきり正攻法で当たって行ったりするあたり、今後がちょっと心配です。

ここは一つ、ノムさんを見習ったほうがいいですね。
今日の「食わず嫌い王選手権」での狸ぶりは素晴らしかったものなあ。

ブログランキング参加してみました。クリックして頂けると幸甚の至りです。